今後ともご贔屓に(脚本)
〇シックなバー
──
いらっしゃいませ。
ご来店ありがとうございます。
本日はどのような御用でしょうか?
あっ
申し訳ございません。初めてのご来店で御用も何もありませんね。
失礼致しました。
改めて、私は“猫憑丸”と申します。
此処はごくありふれた街にあるただのしがないBARです。
はい、ただのBARですよ。
えっ!?ちょっとガッカリしました?
そうですか、それはご期待に添えず申し訳ございません。
せめて、あまりお客様が退屈になられぬよう精一杯努めさせて頂きますね。
では、早速おもてなしさせて頂きますのでお席へどうぞ。
お代も、初めてということでお安くしますよ。
えっ、ダラダラと前置きが長いですか?
それはそれは・・・・・・
では、なるべく手短にさせて頂きます。
此処は、様々なジャンルのお話を美味しいお酒と共にご提供させて頂くBARです。
お話でも、お酒でも、お客様の好みのものがもしかしたら見つかるかもしれませんよ?
ですので、宜しければ末永くお付き合い下さいませ。
もし、お客様からのリクエストもありましたらそちらに沿った物を提供する事もあるかもしれません。
ただ、そこは私の気分次第って事でお願い致します。
では、今後ともご贔屓に
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・どうかされましたか?
えっ?ただのしがないBARって言ってた割に全然普通じゃない・・・・・・ですか?
まあ、そんな事気にしても仕方がないですよ。
お客様さえ喜んで頂ければそれで充分ですので。
ですから・・・・・・
余計な詮索はしないでくださいね。
主人公の猫憑丸と言う名前、作者さんと同じですが、凄味のあるネーミングだなあ。お酒を飲んで話を聞いたらお店から出られなくなりそうなちょっと不思議でシュールな雰囲気がいいですね。
余計な詮索はしないで下さいと言われるとしたくなるのが人間の性…。
逆に言わない方が怪しくないですよね笑
一体どんな秘密があるのでしょうか。
不器用だけど、正直な人物のよう。序章としたら、始まりはサラーっとで。これから、どんどん話がふくらんでいくのが楽しみになりそうです。