ロスト陰陽師-HARUKO-

シュウ

第1話 アタシが・・・陰陽師!?①(脚本)

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〇祈祷場
クナミ「ぎょえぇぇぇええええええッ!!」
ハルコ「ふふ、恋の悩みは晴れたようですね」
クナミ「はい、今後は寿司職人として精進します」
ハルコ「・・・ふぅ」

〇実家の居間
ハルコ「疲れた〜!」
リカ「感心しませんね」
リカ「【鬼】の芽をあんなふうに摘むなんて」
ハルコ「えー! だってやり方よくわかんないし」
タダシ「おうハルコ、お疲れさま」
ハルコ「師匠! お疲れさまでーす!」
ハルコ「恋に悩める女性を寿司職人の道へと 進ませました!」
タダシ「へぇ〜そうかぁ」
タダシ「だんだんと板についてきたようだな」
ハルコ「はい!」
ハルコ「アタシ、最強の陰陽師になります!」
ハルコ(そう、アタシは陰陽師として【鬼】を 祓(はら)うんだ)
ハルコ(もう2度とあんなことが起きないように──)

〇教室
  1ヶ月前
ハルコ「ルミー! ケイー!」
ハルコ「カラオケ行かなーい?」
ルミ「お、いいねー、行く行く!」
ケイ「ごめん! 用事あるの〜!」
ルミ「そっか、また今度ね」
ケイ「うん!」
ハルコ「そんじゃまあレッツゴー!」

〇カラオケボックス(マイク等無し)
ハルコ「やぁ〜 しわすのぉ〜 オンナ〜は〜♪」
ルミ「イーヤーサーサー!」
ハルコ「・・・ルミ、元気ないね」
ハルコ「何かあった?」
ルミ「どっこいしょー! どっこいしょー!」
ハルコ「聞いたよ、ヤマナカと別れたって」
ハルコ「もしかして・・・フラレた?」
ルミ「やぁ〜 しわすのぉ〜 オンナ〜は〜♪」
ハルコ「今はアタシの腕の中で泣きなさい」
ハルコ「湿っぽいのは・・・嫌いじゃないよ」
ルミ「ハルコ〜!」
ルミ「あんたはどこにも行かないでよ〜!」
ハルコ「当たり前じゃん」
ハルコ「いつまでも一緒だよ」
「やぁ〜 しわすのぉ〜 オンナ〜は〜♪」

〇通学路
  翌日
ハルコ「あ、ケイだ」
ハルコ「ケーイ! おっはよー!」
ケイ「ぜーはー! ぜーはー!」
ハルコ「ちょっとケイ! アタシだよ!」
ケイ「はー! はー!」
ハルコ「止まってー!」
ケイ「ハルコ!?」
ケイ「ごめん、気がつかなかった!」
ケイ「急がないと遅刻しちゃうよ~?」
ハルコ「止まんねぇんだ」
ハルコ「だったら──!」
ケイ「な、何この音・・・!?」
ハルコ「ケーイ♪」
ハルコ「待ってー♪」
ケイ「うそ・・・追いついてる・・・!?」
ハルコ「ケイ!! 前!! 前ェ!!」
ケイ「え?」
ケイ「キャァァァァァァァアアアッ!!」
ハルコ「ケ、ケイー!!」
ケイ「あんた、陸上部入りな」
ハルコ「いや待って、無傷?」
  良い子はマネしないでネ!
ハルコ「あんた、スタントマンになりな」
  こうしてアタシは陸上部に
  ケイはスタントのプロダクションに入った

〇学校の校舎

〇階段の踊り場
ハルコ「あ、ヤマナカ! おっつー!」
ショウヘイ「ああ、お疲れ」
ショウヘイ「アベノさん、陸上に入ったんだ」
ハルコ「うん、一緒だね!」
ハルコ「これからよろしく!」
ハルコ「そう言えばルミとは何で別れたの?」
ショウヘイ「・・・・・・」
ハルコ(答えろや)
ハルコ「ごめん! 今の忘れて〜!」
ハルコ「そう言えば、今誰と付き合ってんの〜?」
ショウヘイ「メンタルつよ」
ハルコ「そーかなぁ?」
ハルコ「バカなだけだよ〜」
ショウヘイ「同感」
ハルコ(てんめぇ)
ショウヘイ「なにはともあれ、陸上部へようこそ」
ショウヘイ「引退まで残り1ヶ月だけどがんばろう」
ハルコ「いっかげつ・・・?」
ショウヘイ「だって今7月だよ?」
ショウヘイ「大会終われば引退でしょ」
ハルコ「・・・・・・」
  こうしてアタシは陸上部を辞めた

〇教室
  放課後
ハルコ「ねぇ、ヒマだから駅前行かない?」
ルミ「行く行く〜!」
ケイ「ごめ〜ん! 用事があるんだ〜!」
ルミ「そっか残念」
ルミ「ケイ、最近忙しそうだよね」
ハルコ「スタントの仕事じゃない?」
ルミ「やる前から忙しそうじゃなかった?」
ハルコ「確かに」
ハルコ「じゃあ塾かな? もう3年だし」
ルミ「かもね〜」
ルミ「でも、なんか切羽詰まってる感じだし」
ルミ「悩みがあんのかも」
ハルコ「じゃあウチらの出番だね!」
ルミ「あとで話聞いたげよう!」
ハルコ「うん!」

〇通学路
  その夜
ハルコ「ぷは〜!」
ハルコ「やっぱ風呂上がりのサイダーはうめぇな〜!」
ハルコ(あれは・・・ケイ?)
ハルコ(こんな時間に何してるんだろう?)
ハルコ(ちょっとコンビニにってカッコじゃないし)
ハルコ(気になるけど・・・)
ハルコ(話しかけられたら困るだろうなぁ)
ハルコ「あ・・・行っちゃった」

〇教室
ハルコ「──ってなことがあったのよ」
ルミ「・・・心配ね」
ハルコ「そうだよね・・・」
ハルコ「最近は刃物を持った不審者が徘徊してる って言うし」
ルミ「少しはケイの頭を心配しなさいよ!」
ハルコ「えっ!?」
ハルコ「町の平和を守るSUPERヒロインでしょ?」
ハルコ「でもさすがに刃物相手だと危険だよね」
ハルコ「あ! ごめん!」
ハルコ「このことはアタシたちだけの秘密ね!」
ハルコ「ケイとはこれまでどおり接しよ?」
ルミ「・・・そうね」
ルミ「まぁ、スタントの仕事だと思うけど」

〇教室
  放課後
ハルコ「あれ? ルミとケイは?」
カズヤ「もう帰ったぜ?」
カズヤ「『ハルコから声をかけられる前に帰ろう』 っつってたなぁ! でひゃひゃ!」
ハルコ「はーい、斬首〜!」
カズヤ「う、うわぁぁぁああああああッ!!」
ハルコ(帰ろ)

〇階段の踊り場
女子生徒「ねぇねぇ、聞きました奥様?」
女子生徒「3年の阿久津先輩、浮気してたみたい ですわよ?」
ハルコ(アクツって・・・ルミのウワサ?)
女子生徒「ホントざますか?」
女子生徒「ええ、クラスメートの子が本人から 直接聞いたらしいですわよ?」
女子生徒「あのイケメンと付き合っていて 何が不満だったんざましょ」
ハルコ(イケメン? 誰のことだ?)
女子生徒「でも山中先輩、もう他の方と付き合ってる ってウワサですわよ?」
ハルコ(ヤマナカがイケメン?)
ハルコ「ぷぷっ」
女子生徒「あの方、こちらを見てニタニタして ますわよ?」
女子生徒「まぁ育ちが悪い!」
女子生徒「面倒ごとに巻き込まれる前に帰りましょ!」
ハルコ(ルミ、大丈夫かな?)
電話の声「やっほー☆」
ハルコ「あ、すみません間違え──」
電話の声「アタシ、ルミ☆」
ハルコ「えっ!?」
ルミの声「ごっめ〜ん、今取り込みチュウなの〜☆」
ルミの声「めんごめんご〜☆」
ハルコ「・・・・・・」
ハルコ(かわいい)
ハルコ(ルミが浮気なんて・・・あり得ない)
ハルコ(だって、ルミはカラオケで──泣いてた)
ハルコ(明日訊かなきゃ)

〇教室
  翌日
ハルコ「あれ? ルミは?」
ケイ「え? 何も聞いてないよ? ハルコは?」
ハルコ「アタシも何も」
ハルコ「・・・つながらない」
ハルコ「まさか、あのウワサを気にして・・・?」
ケイ「あんなウワサ、絶対ウソだよ」
ハルコ「ケイ?」
ケイ「私、探しに行く」
ケイ「不審者の件もあるし、心配だから」
ハルコ「ケイ!」
ハルコ「先生! アタシとケイ、早退します!」
タクミ「タカハシは構わないが、オマエはダメだ」
ハルコ「なんで!?」
タクミ「卒業したくないのか?」
ハルコ「・・・・・・」
ハルコ(待ってて、ルミ!)
ハルコ(授業受けたら必ず行くから!)

次のエピソード:第2話 アタシが・・・陰陽師!?②

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