わたしの屍体は土の中

桜海(おうみ)とあ

第2話(脚本)

わたしの屍体は土の中

桜海(おうみ)とあ

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〇木の上
グライユ・アーティ・マーナガルム「ユグドラシルの木! ここだな!」

〇村に続くトンネル

〇村に続くトンネル
「木の幹に道が!」
「来た!!」
「追いつかれるぞ! 走れ!」

〇黒

〇戦線のテント
グライユ・アーティ・マーナガルム「・・・」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「殿下! おはようございます!」
グライユ・アーティ・マーナガルム「ん・・・ここは?」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「野営地ですが?」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「相当お疲れだったのですね ぐっすりと眠っていらっしゃいました」
グライユ・アーティ・マーナガルム「野営地・・・だと?」
グライユ・アーティ・マーナガルム「ラスカ!」
ラスカ「ワフッ!」
グライユ・アーティ・マーナガルム(夢・・・だったのか?)
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「朝食の準備ができておりますが、召し上がりますか?」
グライユ・アーティ・マーナガルム「・・・いただこう」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「その前に殿下、手を洗われた方がよろしいかと」
グライユ・アーティ・マーナガルム「・・・これは!」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「寝る前に何を召し上がられたのです? そんなに手を赤くさせる果実など」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「この森にありましたでしょうか?」
グライユ・アーティ・マーナガルム(この香りは、あの果実。 ・・・そんなはずがない)
グライユ・アーティ・マーナガルム「ラスカ!」
ラスカ「ワフッ!」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「あははっ! ラスカの口も真っ赤ですね!」
グライユ・アーティ・マーナガルム(夢、ではなかったのか?)
隊員1「団長、報告します!」
隊員1「現在、西区に悪魔蔓が発生したと報告を受けました!」
隊員1「悪魔蔓の発生源を調査中であります」
グライユ・アーティ・マーナガルム「・・・西区だと?」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「とうとう西区でも悪魔蔓が発生したか! いかがいたしますか? 殿下!」
グライユ・アーティ・マーナガルム「何を言っている? 西区は村を焼いたばかりではないか?」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「西区で悪魔蔓が発生したのは、初めてですが?」
グライユ・アーティ・マーナガルム「・・・なんだと?」

〇森の中
グライユ・アーティ・マーナガルム「ここはどこだ・・・?」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「ここは東区のハーマン地区です」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「先日、悪魔蔓が発生したせいで魔獣が出たと報告を受けて──」
グライユ・アーティ・マーナガルム(おかしい。 崖から落ちる前、北区にいたはず・・・)
グライユ・アーティ・マーナガルム(それにハーマン地区に魔獣の被害が出たのは半年ほど前だ)
グライユ・アーティ・マーナガルム(西区の悪魔蔓の発生も確か同じ時期だった)
グライユ・アーティ・マーナガルム「ハウク第7隊隊長、私の妻の名を言ってみよ」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「妻? 気が早いですね」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「まだルルーシュ様とは婚約の段階だというのに、もう妻呼ばわりですか?」
グライユ・アーティ・マーナガルム「では、私は・・・結婚していない?」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「魔獣の討伐がひと段落するまでは結婚はしないと、酒場で豪語されていませんでしたか?」
グライユ・アーティ・マーナガルム(これは、まさか・・・時が戻っている?)
グライユ・アーティ・マーナガルム(夢を見ているのか? 走馬灯なのか?)
グライユ・アーティ・マーナガルム(いや違う。 この手に残る、赤い汁が証拠だ)
グライユ・アーティ・マーナガルム(これは現実。冥界から戻ってきたのだ)
グライユ・アーティ・マーナガルム(そして私は半年前に戻って来ている)
グライユ・アーティ・マーナガルム(きっと、その理由は、・・・)

〇睡蓮の花園
シャルロッテ「私の肉体を見つけてください」
シャルロッテ「私を冥界の監獄から解き放ってください」

〇黒
グライユ・アーティ・マーナガルム「彼女の肉体を探さなければ」

〇黒

〇戦線のテント
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「一体どういうことですか? 今すぐ西区へ向かうだなんて!」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「討伐地区はもう目の前ですよ!」
グライユ・アーティ・マーナガルム「魔獣の数は少ない。隊員の半分でも十分だ」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「十分って、魔獣の数の報告はまだ上がっていないのに、どうしてわかるのです?」
グライユ・アーティ・マーナガルム「・・・それは」
グライユ・アーティ・マーナガルム(過去に討伐したからだ。と告げたら、気が触れたと思われそうだな)
グライユ・アーティ・マーナガルム(だからと言って、せっかくの戻った時間を無駄にはできない)
グライユ・アーティ・マーナガルム(一刻も早く西区に行き、被害が拡大する前に住民の避難をさせなくては)
グライユ・アーティ・マーナガルム「なら、私だけ西区へと向かう。 それなら大して戦力は削がれぬだろう?」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「なりません! 殿下を1人で向かわせるなど!」
グライユ・アーティ・マーナガルム「問題ない、東区の越境付近で、第3区調査隊と合流できるはずだ」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「確かに、第三隊は越境にいるはずですが」
ハウク(ハク)・グリムゾンテム第7隊長「あそこもまだ魔獣の討伐を終えていませんし。それに西区に向かう部隊は王都からでは?」
グライユ・アーティ・マーナガルム(王都から向かった中央部隊がしっかり除去作業を行っていたら、)
グライユ・アーティ・マーナガルム(村を焼き払うほどの大規模な被害には発展しなかったはず)
グライユ・アーティ・マーナガルム(中央部隊に任せるわけにはいかない)
グライユ・アーティ・マーナガルム(ここは私が直に西区に向かわなければ)
グライユ・アーティ・マーナガルム「・・・とにかく、私は向かう」

〇けもの道
グライユ・アーティ・マーナガルム「早急に越境にいる第3部隊に追いつかねば」

〇小さい滝
グライユ・アーティ・マーナガルム「そろそろ、第3部隊と合流するはずだが・・・」
グライユ・アーティ・マーナガルム「・・・もしや、追い抜いたのか?」
グライユ・アーティ・マーナガルム「仕方ない・・・」
ラスカ「わふっ!」
グライユ・アーティ・マーナガルム「第3部隊長の所持品だ。この匂いを追え」
ラスカ「わふっ!」

〇霧の立ち込める森
グライユ・アーティ・マーナガルム「ううう! この匂いは! 瘴気!」
グライユ・アーティ・マーナガルム「近くに、魔獣がいるぞ」
「うぎゃあああ!」
「タ、タスケテクレ! だっ、誰か!」
魔獣「ギュギュギュッギュッギュ」
「・・・・・・ギュッッギュッ・・・・・・」
グライユ・アーティ・マーナガルム「まだ近くに魔獣の仲間がいるな・・・」
「う、ううう・・・」
グライユ・アーティ・マーナガルム「立てるか? ここは危険だ、移動しよう」
「こ、腰が・・・抜けて・・・」
グライユ・アーティ・マーナガルム「ラスカ! こいつを背負って安置まで移動するぞ!」
「ワン!!」

〇大樹の下
ダフネ・シヴァイニアック「うっ・・・ぅう、・・・っ」
グライユ・アーティ・マーナガルム「これを飲むといい、瘴気に犯された内臓の痛みを和らげてくれる」
「あ、ありがとうございます・・・」
グライユ・アーティ・マーナガルム「その服、魔導師団の者だな? 森で1人で行動していたのか?」
「それが、第3部隊と一緒に行動していたのですが──」

〇森の中
ダフネ・シヴァイニアック「すごい! 悪魔蔓だらけ!」
ダフネ・シヴァイニアック「これだけあれば、所長が喜びますね!」
第3部隊隊員1「おい、そこの魔道師団員、あまり遠くへ離れるなよ」
ダフネ・シヴァイニアック「はーい! ありがとうございます!」

〇小さい滝
ダフネ・シヴァイニアック「よし、たくさん採取できた。・・・ってあれ?第3部隊のみなさんは??」
ダフネ・シヴァイニアック「ここ、どこですかー!?」

〇大樹の下
ダフネ・シヴァイニアック「──という感じで、はぐれてしまったのです」
ダフネ・シヴァイニアック「不甲斐ないばかりです」
グライユ・アーティ・マーナガルム「では第3部隊との合流は難しそうだな」
ダフネ・シヴァイニアック「ご心配なく。今夜、第3部隊はヨック村に滞在予定ですので」
グライユ・アーティ・マーナガルム「そうか。それは助かった!」
ダフネ・シヴァイニアック「もうじき、雷雨になります。我々も急ぎましょう」
グライユ・アーティ・マーナガルム「こんなに晴れているのに、雷雨になるのか?」
ダフネ・シヴァイニアック「ええ、半刻とせず雨雲が立ち込めるでしょう」

〇ヨーロッパの街並み

〇怪しげな酒場
グライユ・アーティ・マーナガルム「本当に雷雨になるとは。君は大した魔法使いだな」
ダフネ・シヴァイニアック「いえ。まだまだ半人前です」
ダフネ・シヴァイニアック「それに、天気がわかったのは」
ダフネ・シヴァイニアック「風の精霊が知らせてくれたからで、魔法の力ではありません」
グライユ・アーティ・マーナガルム「風の精霊?」
ダフネ・シヴァイニアック「僕は精霊使いです」
グライユ・アーティ・マーナガルム「まさか、精霊使いがまだ存在していたのか・・・」
ダフネ・シヴァイニアック「ははっ!」
ダフネ・シヴァイニアック「みなさん、そのような反応をなさいますね」
ダフネ・シヴァイニアック「昔は多くいたようですが、今は数を減らし、」
ダフネ・シヴァイニアック「我が一族も私が最後の末裔となってしまいました」
グライユ・アーティ・マーナガルム「では、そなたを助けたのは、我が国にとって有益この上ないことだったな」
ダフネ・シヴァイニアック「そう仰られるなんて光栄です」
ダフネ・シヴァイニアック「・・・ところで、今更で申し訳ないのですが、自己紹介を」
ダフネ・シヴァイニアック「私は聖魔法師団第3部隊隊員のダフネ・シヴァイニアックです」
ダフネ・シヴァイニアック「貴殿の名をお伺いしても?」
グライユ・アーティ・マーナガルム「宮廷調査団、団長のグライユだ」
ダフネ・シヴァイニアック「団長のグライユ・・・ グッ! グライユ殿下!!」
ダフネ・シヴァイニアック「た、大変失礼いたしました! 私のような末端のものが殿下に軽口を!」
ダフネ・シヴァイニアック「い、今すぐ、この命で非礼を詫びさせていただきたい!」
グライユ・アーティ・マーナガルム「ま、待つんだ!」
ダフネ・シヴァイニアック「殿下! 手が!」
グライユ・アーティ・マーナガルム「・・・これぐらいかすり傷だ」
「申し訳ございません! 殿下!」
グライユ・アーティ・マーナガルム「グライユでいい」
グライユ・アーティ・マーナガルム「店であまり目立ちたくない。殿下と呼ぶのは控えてくれ」
「は、はい。グライユ団長殿。承知しました」
グライユ・アーティ・マーナガルム「座りたまえ、食事をしよう」
グライユ・アーティ・マーナガルム「ところで、シヴァイニアック卿」
グライユ・アーティ・マーナガルム「森で悪魔蔓の採取をしていた。と言っていたが、なぜ採取を?」
ダフネ・シヴァイニアック「それは、悪魔蔓の研究のためです」
ダフネ・シヴァイニアック「私は聖魔導師団の中でも研究職に属する隊員でして、」
ダフネ・シヴァイニアック「現在、悪魔蔓を枯らす薬を開発中なのです」
グライユ・アーティ・マーナガルム「確か、魔道師団は調査隊が扱う抑制剤よりも効果が高いものを開発中だったな」
グライユ・アーティ・マーナガルム「だがそれは、研究の途中で頓挫したはずだが」
ダフネ・シヴァイニアック「な、何のお話でしょうか?」
ダフネ・シヴァイニアック「研究は続けています。現にこうして僕が研究に関わっていますので」
グライユ・アーティ・マーナガルム「では、まだ今は活動しているということか?」
グライユ・アーティ・マーナガルム(西区の悪魔蔓が発生した時にはすでに研究は中止されている)
グライユ・アーティ・マーナガルム(この間に何かがあったのだろうか?)
グライユ・アーティ・マーナガルム(それともこの男が、嘘をついているのか)
「グライユ団長殿、どうされましたか?」
グライユ・アーティ・マーナガルム「・・・第3部部隊は、ここにはいなかったな」
「もしかしたら、私が邪魔で置いていかれたのかもしれません」
「団長殿の前で言うのは気が引けますが、」
「騎士団の皆さんは、聖魔導師に対してあまりいい印象がないようですので」
グライユ・アーティ・マーナガルム(宮廷騎士団と聖魔導師団は協力関係ではあるが、)
グライユ・アーティ・マーナガルム(騎士団の中には、聖魔導師を毛嫌う者もいる)
グライユ・アーティ・マーナガルム(かといって置いていくだろうか)
グライユ・アーティ・マーナガルム(ますますこの男、怪しく思える)
ダフネ・シヴァイニアック「グライユ団長殿!  傷口が!」
グライユ・アーティ・マーナガルム「!!」

次のエピソード:第3話

コメント

  • …なるほど、前に戻っているという設定なのですね。まだまだ先は読めませんが、新たな人物も登場しストーリーがどう展開していくのか楽しみです。

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