魔法少女の母、娘を全力でサポートします!

花石雫

魔法少女の初陣だ!(脚本)

魔法少女の母、娘を全力でサポートします!

花石雫

今すぐ読む

魔法少女の母、娘を全力でサポートします!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇テーブル席
  娘達が魔法少女になるべく特訓を始めて1ヶ月が立とうとしていた。
  技の使い方、肉弾戦、テレビ向けのやりとり・・・学ぶことは多い。
  私と桃子さんは、そんな娘達の特訓に会わせて近くのカフェで公式ファンクラブの準備を進めていた。
赤城桃子「と言う訳で、うちわとペンライト、ハチマキとハッピを作ってみたの!」
青海舞桜(おうみまお)「あらあら・・・ふふっ、なんだかアイドルみたいね?」
赤城桃子「ええ、魔法少女はアイドルとしての人気も高いのよ?」
赤城桃子「そうね・・・私達と同世代だと、女優の黄乃瀬愛莉も元魔法少女ね!」
青海舞桜(おうみまお)「あらっ、そうなの!?うちのCMもして貰ってるけど、初耳だわ・・・」
赤城桃子「もう引退してるし、今さら言い歩くことでもないでしょうからね」
青海舞桜(おうみまお)「それはそうかもしれないけど・・・気を付けなくちゃ・・・」
赤城桃子「舞桜さんたら、真面目ね」
青海舞桜(おうみまお)「そりゃ、食べるためにやってますから」
赤城桃子「食べるためにと言えば、私、舞桜さんにお願いがあるのよ」
青海舞桜(おうみまお)「お願い?」
赤城桃子「これから、魔法少女の戦いもテレビで映ることになるんだけど・・・」
赤城桃子「嬉しいのか悲しいのか、私、そのレポーターに選ばれてしまって・・・」
青海舞桜(おうみまお)「あら!」
青海舞桜(おうみまお)「娘を一番応援できるポジションじゃないの、羨ましいわ・・・」
赤城桃子「良くないわ!」
赤城桃子「折角これを来て、舞桜さんと子供達を応援しようと思ってたのに・・・」
青海舞桜(おうみまお)「え?これ自分で着るつもりだったの・・・?スーツよりキツくない・・・?」
赤城桃子「キツくないわっ!!」
赤城桃子「私達が誰よりも先にあの子達の応援をしてると世間に知らしめたかったのよ~!」
青海舞桜(おうみまお)「な、なるほど・・・?」
赤城桃子「だから舞桜さん、私の分もこれで子供達を応援してちょうだい!!」
青海舞桜(おうみまお)「え、えぇ・・・?一人ではちょっと・・・」
赤城桃子「一人で不安なら、私のファンクラブの人達をつけるから!!」
青海舞桜(おうみまお)「そ、それなら・・・?」
  全く何もよろしくはないけれど、一人よりはマシよね・・・
青海舞桜(おうみまお)「その代わり、テレビでしっかり公式ファンクラブの宣伝をしてよね?」
青海舞桜(おうみまお)「貴方の発信力、頼りにしてるんだから・・・」
赤城桃子「それは任せてちょうだいっ!!激推ししてくるから!!」
青海舞桜(おうみまお)「もう・・・桜乃木桃子のイメージが崩れないようにね?」
  笑って流しながら、公式ファンクラブの話に花を咲かせる。
  ファンクラブの会議は、伝が多いため必然的に桃子主導になる・・・
  それに私は少しだけ劣等感を抱いていた・・・
  スポンサーとして名乗り出ても、それは数あるうちの一つにしかなれない。
  何か、自分にも子供達の助けになれることはないだろうか・・・?
  そんな風に悩むうちに、子供達の出番の時は訪れたのだった・・・

〇田舎の学校
モブ敵①「ラァ・・・」
「ブェンダァー!!!」
  校庭ではクローン怪人達が子供達を追い回していた。
ミュア「ニャア!大変だにゃ!」
  光李と秋桜はそれぞれの学校から政府のヘリで飛び、怪人の居る学校で合流した。
ミュア「光李ちゃん、秋桜ちゃん、いよいよ初出動だニャ・・・!準備はいいかにゃ!?」
青海光李(おうみひかり)「う、うん」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「行こう、光李ちゃん!」
青海光李(おうみひかり)「秋桜ちゃん・・・私、怖い・・・」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「大丈夫だよっ!私も居るからっ!」
青海光李(おうみひかり)「・・・うんっ!!」
  二人が首元から変身ステッキを取り出してサイズを戻し、高々と掲げる。
「マジカル・チェンジ!メタモルフォーゼ!!」
  言葉に反応して光のエフェクトが二人を包んだ。
  そして、光が消えたときには、二人は魔法少女へと変身していた。
青海光李(おうみひかり)「優しい心は慈愛の光!マジカル・プリズム!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「燃える心は、勇気の花!マジカル・コスモ!!」
「魔法少女コスモ・プリズム!!悪いお友達は、許さないんだから!!」
ミュア「二人とも、気を付けてニャ!」
桜乃木桃子(おうのぎももこ)「皆さんこんにちわ!魔法少女応援サポーターの桜乃木桃子です!」
桜乃木桃子(おうのぎももこ)「政府が新しく設立した子供地球防衛庁・・・」
桜乃木桃子(おうのぎももこ)「これから、子供達の活躍を皆様にお伝えしていきたいと思います!」
桜乃木桃子(おうのぎももこ)「なお、子供防衛庁では、コスモ・プリズムを応援してくださるサポーターを募集しております!」
桜乃木桃子(おうのぎももこ)「公式サイト、マジカル・マジカルもぜひチェックしてくださいね!」
  しっかり宣伝をしつつ、現場を桃子がレポートする。
  そこから少し離れた所で、私は桃子の親衛隊という人々に応援グッズを配っていた。
青海舞桜(おうみまお)「では皆さん、うちの子達の応援をよろしくお願いいたしますわ」
「おうっ!任せなねーちゃん!!」
「桃子様の頼みでもあるけどよ・・・あんな小さな子が頑張ってんだ、せめて盛り上げてやるぜ!」
青海舞桜(おうみまお)「皆さん・・・ありがとうございます・・・!」
  心を込めて頭を下げ、私も両手にペンライトを持つ。
青海舞桜(おうみまお)「ヲタ芸とやらはよくわからないけど・・・子供達を見守る気持ちは一つよ!」
青海光李(おうみひかり)「えーい!!」
青海舞桜(おうみまお)「頑張ってー!!ひか・・・プリズム!!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「たぁー!!」
桜乃木桃子(おうのぎももこ)「おぉっ、コスモのナイスパンチですっ!」
  二人が次々とクローン怪人をやっつけて、教師達が子供達を避難させる。
青海舞桜(おうみまお)「ふう、心配してたけど順調ね・・・!これなら・・・」
青海光李(おうみひかり)「きゃあっ!?」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「なっ、なに!?」
青海舞桜(おうみまお)「二人ともっ、上よっ!!」
  私の声に皆が空を見上げる。
  そこには一人の男の子が居た。
  ・・・怪人の子供だった。
タリス「なんだお前ら?何時ものにーちゃん達はどうした?」
タリス「さては、俺の恐ろしさに尻尾をまいて逃げたかぁ~?」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「そんな訳無いじゃない!!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「ヒーローのお兄さん達は忙しくて貴方みたいな子供になんて構ってられないのよ!」
青海光李(おうみひかり)「学校の平和は私達、コスモ・プリズムが守るんだから!」
タリス「はぁ~?お前らみたいのに俺が負けるわけ無いじゃん!」
タリス「馬っ鹿みてぇっ!!さっさとくたばれっ!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「きゃっ、目にゴミがっ・・・!!」
青海光李(おうみひかり)「私に・・・任せて・・・!!」
タリス「なんだよ、そのショボいステッキからなんか出すわけ?いいよ、やってみー・・・」
青海光李(おうみひかり)「プリズム・パンチ!!」
タリス「うわぁっ!?えっ!?なんでお前、こんな所まで・・・!!」
青海光李(おうみひかり)「魔法少女の力をなめるからだよっ・・・!!えーい!!」
タリス「うわぁっ!!?」
青海光李(おうみひかり)「コスモ!お願い!!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「うん・・・っ、任せて!!コスモドロップキーック!!」
タリス「いってぇー!!!!!」
タリス「なっ、なんなんだよお前らー!!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「言ったでしょ?私達は、魔法少女コスモ・・・」
青海光李(おうみひかり)「プリズムだよっ!!」
「マジカル・フラーッシュ!!」
タリス「うわぁぁぁっっっ!!くっ、くそー!!覚えてろよー!!!!!」
  ステッキから出された技をまともに食らった怪人が、捨て台詞を吐いて飛び去っていく。
青海光李(おうみひかり)「・・・やった?私達、やったよ、コスモ!!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「やったね、プリズム!!私達、勝てたんだ!初勝利だよ!!」
青海光李(おうみひかり)「あっ!あれやらなきゃ、ほら!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「あっ!!そうだねっ!!」
  二人は、飛んでいるドローンに向かってポーズを取ると、勝利の宣言をする。
「困った時は、コスモ・プリズムにおまかせっ!!」
ミュア「だにゃっ!!」
  娘達の初勝利!!
  私は親衛隊の皆さんと完成をあげながら、ペンライトを振り回したのだった。

〇テーブル席
  始めての戦いが終わり・・・子供達は安全のため検査をしていた。
  桃子は仕事なので、私は一人カフェで子供達を待つ。
青海舞桜(おうみまお)「ふう・・・無事に終わってよかったわ」
青海舞桜(おうみまお)「怪人の子が出てきたときは慌てたけれど・・・」
青海舞桜(おうみまお)「それにしても、今の怪人界隈ってどうなってるのかしら?」
青海舞桜(おうみまお)「あんな子供を全線に出すなんて・・・」
青海舞桜(おうみまお)「・・・あれくらいの子供なら、私が始末を付けたって・・・いえ、きっとダメなのよね」
青海舞桜(おうみまお)「人間の考える対応ってのはなんでこうめんどくさいのかしら・・・」
青海舞桜(おうみまお)「あら?桃子さん」
  子供達の活躍に興奮した桃子からのメールだった。今夜は一緒に食事に行こうとの誘いも書かれている。
青海舞桜(おうみまお)「そうね、あの子達も喜ぶわ」
青海舞桜(おうみまお)「・・・桃子さんが羨ましい・・・。私は、自分の力を使うことも出来ないし・・・」
青海舞桜(おうみまお)「・・・負けたくない、なんて。言えた立場じゃないけど、ね・・・」
  返信をして、スマホを鞄にしまう。
  魔法少女コスモ・プリズムの戦う映像は日本中で放送され、公式ファンクラブはアクセス集中で落ちたと聞いた。
  私は、せめて子供達を全力で応援しようと心に誓うのだった。

次のエピソード:それぞれの想い

成分キーワード

ページTOPへ