紅く染まったその雪の先には、

立坂雪花

第2話 親の離婚(脚本)

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〇ラブホテル
  2015年
宇野葉子「はい、確定」
「・・・・・・」

〇車内
宇野斗真(うのとうま)「親父、なにしてるんだよ」
宇野葉子「ほんとにね、やっぱり浮気してたわね」
宇野葉子「斗真、とりあえず車走らせて」
宇野斗真(うのとうま)「うん」
宇野葉子「はぁ、出張とか言っちゃって、」
宇野葉子「あの人にとって、これが出張なのね」
宇野葉子「フンッ」
宇野 遥輝(うのはるき)(ゴミ箱に捨ててあったプリンとケーキのレシート)
宇野 遥輝(うのはるき)(甘いもの苦手だった父さんが、好きになって)
宇野 遥輝(うのはるき)(ふたつ食べたものだと思いたかったけれど)
宇野 遥輝(うのはるき)(やっぱり女の人に買ったやつだったんだな)
  父さんは母さんだけを真剣に愛していると思っていたのに・・・・・・。
宇野葉子「彰、証拠写真撮れた?」
宇野 彰(うのあきら)「あぁ、こんな感じ」
宇野葉子「うん、ちゃんと写ってるわね」
宇野葉子「それ、プリントしといて?」
宇野葉子「写真と怪しいレシートとか、全部まとめてあの人に見せて問いただすわ」
宇野葉子「ハァー」

〇黒

〇青(ダーク)
  ──紅く染まったその雪の先には、──
  第2話 親の離婚

〇黒

〇アパートのダイニング
  後日
宇野葉子「あなた、これ」
宇野健二「・・・・・・」
宇野葉子「何か言ったらどうなの?」
宇野健二「・・・・・・」
宇野健二「彼女とは、本気なんだ」
宇野葉子「ハァー?」
宇野斗真(うのとうま)「僕たち、外にいた方が良さそうだね」
宇野 遥輝(うのはるき)「うん・・・・・・」

〇住宅街の公園
宇野斗真(うのとうま)「あれはもう、離婚決定だな」
宇野 遥輝(うのはるき)「仲直りしないのかなぁ」
宇野斗真(うのとうま)「母さんも、他に男いるからな」
宇野 遥輝(うのはるき)「そうなの?」
宇野斗真(うのとうま)「彰も、気づいているだろ?」
宇野 彰(うのあきら)「あぁ、しかもかなり昔からな」
宇野 遥輝(うのはるき)「・・・・・・」
  母さんと父さん、
  お互いにお互いだけを愛していると思っていたのにな。

〇黒

〇アパートのダイニング
  その年の秋
  両親が離婚。
宇野健二「じゃあな、」
宇野健二「斗真、遥輝、彰、」
宇野健二「困ったことあれば、いつでも連絡しなさい」
宇野葉子「あー、やっといなくなった」
宇野葉子「せいせいしたわ」
宇野葉子「私はあんたたちのこと、」
宇野葉子「自立するまできちんと」
宇野葉子「見守るからね」
  そんなことを言っていた母さんも、
  父さんが出ていってから、少し経つと
  離婚する前から付き合っていた男の人のところに行った。

〇アパートのダイニング
  宇野斗真 21歳
  アパレル販売員
宇野斗真(うのとうま)「結局はふたりとも」
宇野斗真(うのとうま)「浮気してたし、息子たち放置」
宇野斗真(うのとうま)「僕らに何も言わず家に連れてきた遥輝も、置いていくし」
宇野斗真(うのとうま)「本当に自分勝手だよな」
宇野斗真(うのとうま)「この家の生活費も出してくれなさそうだし」
宇野斗真(うのとうま)「僕がおまえらの世話しなくちゃいけねーのか」
宇野斗真(うのとうま)「ひとり暮らし始める予定だったのになー」
宇野斗真(うのとうま)「色々めんどくさ!」
  宇野彰 15歳
  中学3年生
宇野 彰(うのあきら)「俺も高校入ったらすぐバイトするよ」
宇野 彰(うのあきら)「でも兄貴、」
宇野 彰(うのあきら)「遥輝兄さんの前ではそんなこと言うなよ?」
宇野斗真(うのとうま)「言わねーよ!」
宇野斗真(うのとうま)「遥輝が僕を見る時の、」
宇野斗真(うのとうま)「完全に信頼して気を許してますって感じ、」
宇野斗真(うのとうま)「結構好きだからな」
宇野斗真(うのとうま)「あいつの前ではいい人でいるよ」
宇野 彰(うのあきら)(兄貴のこういうところ、ずるいけどな)
宇野 遥輝(うのはるき)「寒いよー、ただいまー」
  宇野遥輝 17歳
  高校2年生
宇野斗真(うのとうま)「バイトお疲れ様!」
宇野斗真(うのとうま)「寒いしょ? おいで!」
宇野斗真(うのとうま)「うゎ! 遥輝の手、冷た!」
宇野 遥輝(うのはるき)(斗真兄さんの手、温かい・・・・・・)
宇野斗真(うのとうま)「遥輝は身体弱いんだから、」
宇野斗真(うのとうま)「無理するんじゃないよ?」
宇野 遥輝(うのはるき)「うん」
宇野 遥輝(うのはるき)「ゴホッ」
宇野 遥輝(うのはるき)(あ、なんか熱っぽい)
宇野 彰(うのあきら)「遥輝兄さん、体調悪・・・・・・」
宇野斗真(うのとうま)「大丈夫?」
宇野斗真(うのとうま)「おでこ熱いよ、早く寝な?」
宇野斗真(うのとうま)「あっ、寒いのか。風呂入るか?」
宇野斗真(うのとうま)「準備するね、座って待ってて?」
宇野 遥輝(うのはるき)「うん、ごめんね」
宇野斗真(うのとうま)「なんで謝るの?」
宇野 遥輝(うのはるき)「いつも迷惑ばっかりかけて」
宇野斗真(うのとうま)「いいよ! 弟なんだから、甘えな?」
宇野 遥輝(うのはるき)「うん、ごめん」
  義兄弟の3人暮らしが始まった。
宇野 彰(うのあきら)(・・・・・・)

〇黒

コメント

  • 彰くん、切ないです😭
    私は毎回、当て馬キャラを好きになってしまう傾向があるので、冒頭の行為に繋がると思うと切なくなります…

    報われないと分かっていても応援したくなります😭

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