陰キャな私は、二人の男子に迫られています

澤村製作所

7話 正美先輩と私(脚本)

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〇生徒会室
佐藤 正美「・・・さすがに自嘲、しないとね」
佐藤 正美「我慢、我慢」
山本 奈子(我慢って、何を?)
佐藤 正美「帰ろうか。 送ってくよ」

〇学校の廊下
  ドキドキを抱えたまま、
  私は正美先輩と生徒会室を出る
男子1「お、正美、生徒会、お疲れー」
佐藤 正美「そっちは部活? がんばれよ」

〇階段の踊り場
男子2「お、正美。明日よろしくな!」
佐藤 正美「ああ」
  正美先輩はひっきりなしに声をかけられる
山本 奈子(人気者なんだな・・・)
山本 奈子(そんな人が私なんかに・・・)
山本 奈子(やっぱり、信じられない)

〇学校脇の道
山本 奈子「・・・・・・」
佐藤 正美「・・・・・・」
  正美先輩は、ゆっくりと歩く。
山本 奈子(沈黙、きまずい・・・)
山本 奈子(何か話したいけれど、 いい言葉が見つからない・・・)
佐藤 正美「・・・奈子ちゃん」
山本 奈子「は、はい!」
佐藤 正美「さっきから黙ってるけど、 俺と一緒なの、嫌だった?」
山本 奈子「い、いえ! 全然・・・その・・・嬉しいですけど」
佐藤 正美「けど、何?」
山本 奈子「正美先輩、人気者だから・・・」
山本 奈子「私なんかのこと、気に入ってくれたのが なんだか信じられなくて」
佐藤 正美「・・・・・・」
佐藤 正美「本さ」
山本 奈子「はい」
佐藤 正美「貸し借りするようになって」
佐藤 正美「奈子ちゃんが貸してくれる本 全部面白くてさ」
佐藤 正美「本の話するのも楽しくて」
佐藤 正美「・・・趣味、合うなって思った」
山本 奈子「私もです」
山本 奈子「先輩から借りる本、読むのが楽しみで」
佐藤 正美「はは、俺と同じだ」

〇ゆるやかな坂道
佐藤 正美「あと、生徒会」
山本 奈子「はい」
佐藤 正美「いくら言っても、みんな来なくてさ」
佐藤 正美「けど、奈子ちゃんだけは ちゃんと来てくれて」
佐藤 正美「仕事もしっかりしてくれて」
佐藤 正美「・・・いい子だなって思った」
佐藤 正美「もっと奈子ちゃんのことを知りたい、」
佐藤 正美「他のヤツに取られたくないって思って」
佐藤 正美「正直、迷ったよ」
佐藤 正美「三年だし、受験とか部活とか、あるし」
佐藤 正美「奈子ちゃんだって勉強、忙しいだろうし 迷惑だよなって」
佐藤 正美「けど、後悔したくなかった」
佐藤 正美「せっかく好きな子ができたのに」
佐藤 正美「気持ちを伝えずに卒業したら 悔いが残ると思った」
佐藤 正美「まあ、渚くんのことは予想外だったけど」
佐藤 正美「奈子ちゃんを好きになったことも、気持ちを伝えたことも、良かったと思ってる」
佐藤 正美「それじゃ、だめかな?」
山本 奈子「いえ・・・嬉しいです、すごく」
山本 奈子「私も、正美先輩は、忙しいのに 生徒会のこと、ちゃんとやってくれてて」
山本 奈子「素敵だなって思ってて」
山本 奈子「本の話も楽しくて」
山本 奈子「ずっと、憧れていました」
山本 奈子「だから、こんなふうに正美先輩の 隣を歩いて、話すのって」
山本 奈子「嬉しいですけど、ちょっと緊張します」
佐藤 正美「・・・・・・」
佐藤 正美「はあ・・・ 渚くんのことがなければなあ」
佐藤 正美「奈子ちゃんに好きになってもらう自信、 あったのに」
山本 奈子「・・・ごめんなさい」
佐藤 正美「いいよ」
佐藤 正美「奈子ちゃんが、俺のこと 嫌じゃないってわかって、ほっとした」

〇川に架かる橋
佐藤 正美「おっと、俺、家こっちなんだ」
山本 奈子「そうですか、私は真っ直ぐです」
佐藤 正美「・・・もっと長い道のりだとよかったな」
山本 奈子「はい・・・」
佐藤 正美「これから勉強?」
山本 奈子「はい」
佐藤 正美「わかんないところがあったら聞いて? 教えられると思うから」
山本 奈子「はい!」
佐藤 正美「奈子ちゃん」
  正美先輩が、そっと手を握ってくる
山本 奈子(先輩の手、大きい・・・)
佐藤 正美「・・・じゃあ、また」
山本 奈子「はい、また」
  私は手を振って先輩を見送る。
山本 奈子(正美先輩と、手、ちょっとだけ つないじゃった・・・)
山本 奈子(二人きりで、話しちゃった・・・)

〇綺麗な一戸建て
  私は夢見心地のまま、家へと帰った・・・

〇教室
  その後も、正美先輩とは、
  メッセをやりとりしたり

〇学校の廊下
  学校で休み時間に会ったり、

〇生徒会室
  生徒会で仕事をしたり

〇学校の廊下
  いそがしい正美先輩だけど
  短い時間でも、会って、
  言葉を交わせると、すごく嬉しい

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