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キリ

episode.3(脚本)

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〇ヨーロッパの街並み
佳奈(♂)(玉ねぎが無いから買いたいけど、どこに売ってるのかしら)
「おやまぁ、いつぞやのお方」
占い師「その後 運気は上がりましたかね?」
佳奈(♂)「貴方だれ?蔵之介の知り合い?」
占い師「ひっそりと営む占い師です」
占い師「貴方様とは、先日お会いしたでは ありませんか」
占い師「そのとき、ご不満そうにしていたので お香を差し上げたのですが──」
佳奈(♂)「ああ、あれ貴方がくれたの」
佳奈(♂)(だとすれば、やっぱりお香のせいで 入れ替わったことに・・・)
佳奈(♂)(なら、もう一度使えば 元に戻るかもしれない・・・!)
佳奈(♂)(そんなの信じたくないけど、 考えられる原因がお香しか・・・)
佳奈(♂)「ねえ、そのお香、もうひとつ いただけないかしら。おいくら?」
占い師「・・・」
占い師「支払って済むことなら、人は 悩むことをしないでしょう」
占い師「"あなた"様は、ご自身と話されたことは ありますか?」
佳奈(♂)「何をっ急に・・・」
佳奈(♂)「鏡の自分と話せとでも言いたいの?」
占い師「単純に例えるとすれば、そういうことです」
占い師「だって、いまのあなたは、まるで誰かと 入れ替わっているかのようですので 本物のあなたと向き合うべきです」
佳奈(♂)「ギクッ」
占い師「ふふっ」
占い師「お代は結構です、これはサービスですから」
占い師「けれど、約束してくれませんか?」
占い師「玉ねぎを買って、このお香を焚いたとき、あなた様の話を、聞いてあげてください」
佳奈(♂)「っ・・・」

〇西洋の城
  その夜──
蔵之介(♀)(お嬢様が、僕の部屋に来るよう 言われたけど、何を言われるんだろう)
蔵之介(♀)「お嬢様、私です、蔵之介です」
「入れ」

〇黒背景
蔵之介(♀)「うわっ」
蔵之介(♀)「お部屋が真っ暗ではありませんか」
蔵之介(♀)「佳奈お嬢様!いらっしゃいますかー?」
佳奈(♂)「シーッ 大声を出すな!」
佳奈(♂)「昼間、蔵之介の知り合いという 占い師に会ったんだ」
佳奈(♂)「私たちが入れ替わっていることも、 見抜いていた」
佳奈(♂)「入れ替わっていることは 蔵之介とわたししか知らないから」
佳奈(♂)「なんだか監視されているようで・・・」
蔵之介(♀)(お嬢様、占いを信じていないんですね)
佳奈(♂)「でも、またお香を使えば きっと元に戻れるかもしれないとも思えた」
蔵之介(♀)「そんなきっかけに? !」
蔵之介(♀)「私にはそんなこと、 教えてくれなかったのに」
佳奈(♂)「でも、外から見られているかもしれない!」
佳奈(♂)「だから、カーテンも窓も開けるな! 電気も付けるな!」
佳奈(♂)「いいな? ?」
蔵之介(♀)「フフッ かしこまりました」

〇黒背景
  お香に火を付けると、ふわりと漂った
  においに、蔵之介は違和感があった
蔵之介(♀)(あれ、前回とにおいが違う・・・)
佳奈(♂)「蔵之介?どうかしたか?」
蔵之介(♀)「ああいえっなんでもないですっ!;」
佳奈(♂)「そうか、ならいい」
佳奈(♂)「それじゃあ、また明日な。"わたし"」
蔵之介(♀)「あ・・・」
蔵之介(♀)「はい、また明日。おやすみなさいませ」

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