heLp

キリ

episode.final(脚本)

heLp

キリ

今すぐ読む

heLp
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇西洋の城
  翌朝
佳奈「・・・」
佳奈「・・・んん」
佳奈「・・・」
佳奈「はっ!」
佳奈「元に、戻ってる・・・」
佳奈「はっ、蔵之介は...」

〇西洋の城
  蔵之介のほうは、ちゃんと身体が
  戻っているのかを確認したくて
  佳奈は、蔵之介の部屋へ向かった
佳奈「蔵之介!起きてちょうだい!」
佳奈「え、居ないの?」
佳奈「開けるわよ」
佳奈「あれ?居ない・・・」
蔵之介「お嬢様・・・」
佳奈「わあっ!」
佳奈「驚いたわ、まさか貴方が わたしの後ろから現れるなんて」
蔵之介「実は・・・これをお渡ししたく・・・」
  手渡されたのは封筒だった
  その封筒の表紙を見て、佳奈は驚いた
佳奈「じっ辞表! ! ?」
蔵之介「はい・・・」
佳奈「どっどうしたのよ、これ・・・?」
蔵之介「私が原因ですからっ」
蔵之介「身体が入れ替わってしまった挙げ句」
蔵之介「お嬢様に家事をさせてしまいました」
蔵之介「家主に家事をやらせるなんて・・・」
蔵之介「執事として、首を切らねばなりません」
蔵之介「どうか、勝手な真似を、お許しください」
佳奈「・・・っ」
佳奈「・・・っ」
佳奈「・・・なら」
佳奈「最後に、貴方の心情を聞かせて」
佳奈「わたしの元で仕えるのが そんなに苦だったの?」
蔵之介「苦だったなんて、 一度も思っておりません!」
蔵之介「ただ、自分自身が悔しくて・・・」
蔵之介「佳奈お嬢様は、毎日私よりも早起きで」
蔵之介「ご自分で身支度もされて・・・」
蔵之介「私はお嬢様に仕えていても、意味がない」
蔵之介「そう思っています・・・」
蔵之介「だから辞表をっ・・・」
佳奈「はぁ・・・」
佳奈「蔵之介の本音は、理解できない」
佳奈「貴方がいなくてもいいだなんて、 わたしが一言でも言ったことある?」
蔵之介「・・・ありませんでした」
佳奈「わたしはね、貴方がわたしに仕えるために 勉強や家事を必死でこなそうとしてきた ところをみてきたの」
佳奈「その負担を少しでも減らそうと、」
佳奈「わたしだって・・・」
佳奈「がっがんばってたんだから・・・っ」
蔵之介「えっ?」
佳奈「だからっ!」
佳奈「蔵之介がいたから、わたしはひとりで なんでもこなそうって思えたの!」
佳奈「蔵之介は、無理してがんばること無い」
佳奈「わたしが、一人前の女になるよう 努力するから」
佳奈「貴方は、わたしの"ヘルプ"として」
佳奈「わたしが手に負えない部分があれば サポートしてほしい、」
佳奈「それだと、不満かしら?」
蔵之介「・・・」
蔵之介「・・・」
蔵之介「いいえ。とんでもないです」
蔵之介「お嬢様が、私を必要としてくださるなら 誠心誠意、力になります」
蔵之介「私は、佳奈お嬢様の執事ですから」
  こうして、晴れてふたりはお互いに
  悩みの種を打ち明け
  以前よりも、佳奈は蔵之介のために
  蔵之介はもちろん佳奈のために
  互いに絆を深めていったのだ──

〇ヨーロッパの街並み
  数日後──
蔵之介(あっ、あれは・・・)
蔵之介「占い師さん、この前はお世話になりました」
蔵之介「おかげでお嬢様とも──」
占い師「どちら様です?あなた様は」
蔵之介「っ・・・冷たいですね、 何かあったんですか?」
占い師「特には」
占い師「あなた様は、」
占い師「もう悩みなんてひとっ欠片も無いっ!」
占い師「って顔されて、」
占い師「なんとも清々しい顔で、腹が立ちます!」
蔵之介「占い師さん、商売ができなくなったから 落ち込んでいらっしゃるんですね」
占い師「へええーーー 人の商売を見下すようになったんですねぇ」
占い師「お帰りくださいっっ!」
蔵之介「すみません; ;」
蔵之介「でも、あなたには感謝しています」
蔵之介「心から、お礼を申し上げます」
蔵之介「では、失礼いたしました」
占い師「まったく、人騒がせな・・・」
占い師「・・・」
占い師「気晴らしになったようで、何よりです」

成分キーワード

ページTOPへ