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キリ

episode.2(脚本)

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〇西洋の城
蔵之介(♀)(どうしよう、佳奈お嬢様と中身が入れ替わってしまったなんて・・・)
  30分前──
佳奈(♂)「あの"お香"のせい・・・なのか?」
蔵之介(♀)「ギクッッッ!」
佳奈(♂)「まさかな。お香でこんなことになるなんて迷信、聞いたことがない」
佳奈(♂)「蔵之介だって、原因がわからないわよね?」
蔵之介(♀)「えっ、はっはい・・・」
佳奈(♂)「んー...まあとにかく、貴方は学校へ行って」
佳奈(♂)「邸(やしき)のことは、 わたしがやっておくから」
蔵之介(♀)「ええっ!お嬢様にそんなことを させるわけには──」
佳奈(♂)「気にするな」
佳奈(♂)「いまはもう・・・蔵之介は、執事じゃないんだから・・・」
蔵之介(♀)「お嬢様?いま何か言いました?」
佳奈(♂)「何も言ってない」
佳奈(♂)「早く学校に行きなさいよ!遅刻するでしょ」
蔵之介(♀)「ははっはいっ!」

〇ヨーロッパの街並み
蔵之介(♀)(学校なんて久しぶりだな~)
蔵之介(♀)(そういえば、学校でのお嬢様を知らないな)
蔵之介(♀)(いつも佳奈お嬢様の帰りを 待つことしかしていない。 今さらになって気づくなんて...)
占い師「おやまあ、そこのお方、何か発見できた ご様子であるとみた」
蔵之介(♀)「あっ!貴方は昨日の占い師!」
蔵之介(♀)(これはデジャブか? ちょうどよかった!)
蔵之介(♀)「あの!昨日くれたお香は なんなんですか! ?」
占い師「きのう?はて? 昨日あげたのは、貴女様ではなく、貴女の異性にあたる方に差し上げましたよ?」
蔵之介(♀)「そのっ私が昨日受け取った者です!!」
占い師「ええ? ? !」
占い師「はあ・・・ええと・・・」
占い師「女装癖がお在りで?;」
蔵之介(♀)「違います! !」
占い師「違う、それなら・・・」
占い師「ああ!仮装ですか?」
蔵之介(♀)「そうではなくて;」
占い師「ふむ・・・;」
占い師「それより、ここで時間を 持て余していいのですか?」
占い師「水晶が映していますよ?」
占い師「今すぐ走らないと」
占い師「キーンコーンカーンコーン──」
蔵之介(♀)「ああああっ!学校に遅刻してしまう!」
蔵之介(♀)「かっ帰りにまた、 ここでお会いしましょうね! ! ?」
蔵之介(♀)「ぜっ絶対ですよ? ?」
占い師「驚いたな」
占い師「まさか姿まで変わってしまうとは──」
占い師「でも、自身の悩みの種が、 入れ替わり相手の要因であることに 気づいていただかなくては」

〇西洋の城
  その頃、邸では──
佳奈(♂)「おかしい・・・」
佳奈(♂)「蔵之介ってば、毎日どこを掃除してるの!」
佳奈(♂)「ぞうきんで拭いても黒い汚れなんて 付かないし!」
佳奈(♂)「逆に、どこを拭いてもぞうきんが 真っ白だなんてあり得ない! !」
佳奈(♂)「毎日、執事の任務を遂行していたのね...」
佳奈(♂)「やっぱり、蔵之介は凄い・・・」
佳奈(♂)「わたしは、やっぱり蔵之介がいないと ダメなのね...」

〇西洋の城
蔵之介(♀)(あの占い師いなかった・・・)
蔵之介(♀)(今度会ったときは、必ず聞き出さないと)
蔵之介(♀)「ただいま帰りました」
佳奈(♂)「"ただいま"だけでいいって」
蔵之介(♀)「佳奈お嬢様? !」
蔵之介(♀)「もしや出迎えてくださったのですか?」
佳奈(♂)「執事としては当然だからな」
佳奈(♂)「ご飯の用意はできてるから、 手 洗ってきなさい」
蔵之介(♀)「えっ?お嬢様、晩御飯のご用意まで なされてたのですか?お一人で? ?」
佳奈(♂)「わたしができないとでも思ってたの?」
蔵之介(♀)「そ、そそんなことは決してございません!」
佳奈(♂)「・・・」
佳奈(♂)「わたし、今日1日で貴方のことを見直した」
蔵之介(♀)「それでは、手を洗ってきますね」
佳奈(♂)(・・・聞いてないし)

次のエピソード:episode.3

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