エピソード4(脚本)
〇華やかな寮
カサドル提携学校、汐瑛学園。多くの狩人や武器達が通っている。
「陽菜乃さんと青蘭さんだ」
「相変わらずの美男美女だね」
紫葉「おはようございます、お二人共」
青蘭「あ、シバ先生」
陽菜乃「おはようございます」
周りが遠巻きに見る中、スーツの青年が二人に声を掛けた。
青蘭「キンセンカ先生は?」
紫葉「・・・・・・・・・・・・アレはソコだ」
呆れた様に上にを指差すと・・・・・・
へらりと笑いながら、上の廊下から手を振る男が居た。
陽菜乃「相変わらずね」
青蘭「そうみたいだね」
紫葉「・・・・・・勝手に引退したと思ったら・・・・・・教師としても、あの為体・・・・・・」
紫葉「いっその事、パートナー解除してくれれば良いものの・・・・・・」
ブツブツと呟く紫葉。
青蘭「・・・・・・シバ先生は、まだ武器としていたかったの?」
紫葉「・・・・・・否定はしない」
紫葉「さあ、早く教室に入りなさい」
陽菜乃「・・・・・・ええ、失礼するわ」
紫葉と別れ、二人は校内に入った。
〇清潔な廊下
陽菜乃「・・・・・・前から思っていたのだけど、貴方達からパートナー解除って出来ないの?」
青蘭「基本的には」
青蘭「俺達は武器だ。パートナー契約をするという事は、その狩人が持ち主になるという事」
青蘭「その武器を持ち続けるのも、変えるのも、捨てるのも基本的に持ち主の決断だ」
陽菜乃「・・・・・・そう、なの」
青蘭「それがどうかしたか?」
陽菜乃「いえ、何でもないわ」
パートナー解除出来るかは狩人次第。
だから、紫葉は金盞花という狩人との契約解除が出来ずにいた。
青蘭「まぁ、一つ例外があるけど」
陽菜乃「例外?」
青蘭「契約違反」
陽菜乃「成る程ね」
青蘭「契約違反をすれば、武器の方から契約解除出来る・・・・・・下手をすれば、狩人を害せる」
陽菜乃「そう」
武器が狩人を害した記録は一件だけ。
それは、歴史上最も凶悪な事件とされ、知ろうとする事すらタブーとなっている。
青蘭(・・・・・・まぁ、武器達は皆知ってるけどな。あくまで狩人側のタブーってだけだし)
青蘭(俺には、関係ない話だしな)
〇おしゃれな教室
キーンコーンカーン・・・
金盞花「皆、居るなー出席取るぞー」
チャイムの後にゆるっとした雰囲気で入って来た金盞花。彼は陽菜乃達の担任である。
金盞花「あ、そうだ。雛芥子は放課後ちょいと残れよ」
陽菜乃「分かりました」
金盞花「んじゃ、今日の予定は・・・・・・」
〇おしゃれな教室
──放課後
陽菜乃「それで、残された理由は何ですか」
教室の中に青蘭の姿は無く、陽菜乃と金盞花だけだった。
金盞花「聞いてるぞー。登校日でも、禁止区域で狩ってるんだって」
陽菜乃「何か問題でも?」
金盞花「俺は担任だからな。自分の生徒が心配なんだよ」
陽菜乃「問題ありません。バイタルチェックでも規定値を満たしています」
金盞花「・・・・・・雛芥子は凄いなぁ」
陽菜乃「・・・・・・先生はいつ、引退を撤回するのですか」
金盞花「ん?」
陽菜乃「先生はまだ狩人。引退はしてない・・・・・・渾名があるのがその証拠」
金盞花「・・・・・・そうだねぇ」
陽菜乃「なのに、武器達の間では引退した事になってる。どういう事ですか」
金盞花「・・・・・・雛芥子」
陽菜乃「はい?」
金盞花「武器は武器だ。人の形を取ってるが、それは変わらん・・・・・・信用するのも程々にな」
陽菜乃「・・・・・・それこそ、問題ありません。青蘭は、絶対に私を裏切らない。人喰いを殲滅させる、その日まで」
〇清潔な廊下
一方、教室の外。パートナーに追い出された青蘭と紫葉が居た。
紫葉「・・・・・・あの件、青蘭はどう考える」
青蘭「どうもないです。俺はあくまでヒナに従うだけですから」
紫葉「・・・・・・お前ははっきりしてるな」
紫葉「いずれ、俺達には選択せざるおえない時が来る。彼奴が動き出したのが何よりの証拠だ」
青蘭「・・・・・・兄貴の仇、らしいですね」
紫葉「ああ・・・・・・彼奴の事は、俺達武器にしか通達されていない」
紫葉「どの武器が、どう選んだのかは分からん」
青蘭「シバ先生は?」
紫葉「・・・・・・俺は、武器として生き抜くと決めてる」
紫葉「例え、パートナーに疑われようとな」
青蘭「・・・・・・分かってても離れないんだ」
紫葉「離れられんさ。契約以上に、俺は彼奴のパートナーだからな」
青蘭「そう」
ガラッ
陽菜乃「お待たせ。行くわよ」
青蘭「了解。じゃあね、シバ先生」
紫葉「ああ、気をつけて」
金盞花「やっぱ雛芥子は危ういなー」
紫葉「それを気を付けるのが担任だろう」
金盞花「・・・・・・まーね」
紫葉「・・・・・・・・・・・・」