エピソード3(脚本)
〇中規模マンション
さてー
土曜日・・・
烏賊川信也「遅くなってしまった・・・」
垂水「こんな夜更けに どこへ?」
〇一戸建て
烏賊川信也「ここか・・・ 猫神邸は」
垂水「こんな時間に 何の用やねん?」
烏賊川信也「わ! あんたは?」
垂水「どうせ よからぬことを 企んでいるんやろ 弁護士先生・・・」
烏賊川信也「尾けてたんか・・・」
垂水「話を聞かせて もらおうかい」
〇豪華なベッドルーム
猫神藍子「遅いわね」
猫神大造「本番近くになると おじけづいたか・・・」
猫神藍子「まあ もう 股間が元気になってるわ」
猫神大造「こんな気分は 久しぶりじゃ」
覆面「おまたせしました・・・」
猫神藍子「信也 遅かったわね」
覆面「ごめん ごめん」
猫神大造「君か? 今夜の相手は」
猫神藍子「その覆面 取ったら?」
覆面「い、いや つけたままで」
猫神藍子「そう その方が 興奮するわ」
覆面「で、では 失礼して・・・」
〇ハート
「どう? あなた・・・」
「うう 天国にいる気持じゃ」
「あ、 うしろのあんた! あんた、信也じゃないわね」
「どうしてわかった?」
「太すぎ 裂けちゃう」
「お前 探偵の垂水じゃろう」
「あ、ばれた?」
「ふふん お前らの 考えてることくらい わかっとるわい」
〇豪華なベッドルーム
猫神藍子「いつ 信也と入れ替わったの?」
垂水「この家の前で」
猫神藍子「彼を どうしたん?」
垂水「一発殴ったら 逃げていきおった」
猫神大造「どうでもええが お前ら わしに早う死んでほしいんやろ」
猫神藍子「いいぇ いち日でも 長生きしてほしいと・・・」
垂水「よう見え透いたこと 言えるな・・・」
猫神大造「まあ 心配せんでも わしの命は あと半年や」
猫神藍子「ほんと?」
猫神大造「うれしそうに 言うな!」
猫神大造「その前に 会社は清算して 後進に道を譲るつもりや」
猫神藍子「で、残った財産は?」
猫神大造「この六出名市に 全額寄付するつもりじゃ」
猫神藍子「ええ!」
猫神大造「わしは 若いころ ずいぶん悪どいこともしてきた」
垂水「ごもっとも」
猫神大造「で、 罪滅ぼしのためもあって 全額、市に寄付することにした」
猫神藍子「何のために?」
猫神大造「市に児童公園をつくるんじゃ」
垂水「はあ」
猫神大造「そのなかの ブランコに揺られて わしは一生を終える・・・」
垂水「なんや 黒澤明の 映画みたいですな」
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