殺し屋、出勤中。

吹宮良治

エピソード15(脚本)

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吹宮良治

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〇研究施設の一室
東条昌弘「それでは、お付き合いありがとうございました」
結城あかり「・・・死んだ方がマシだったわ」
不破誠「・・・・・・」
高井雄太「朝になったら、誰か来て開けてくれると思いますので」
不破誠「高井」
高井雄太「・・・・・・」
不破誠「俺はお前を責められる立場にはない。 人に説教できる身分でもない」
高井雄太「・・・・・・」
不破誠「お前はお前が思うがままに動いた。 それでいい」
高井雄太「・・・・・・」
不破誠「だがな高井」
不破誠「ここにお前を必要とした人間がいた。 この女もそうだ」
高井雄太「・・・・・・」
不破誠「それだけは忘れるな」
高井雄太「・・・・・・」
不破誠「・・・行け」
結城あかり「私たちの負けね」
不破誠「まだ結論を出すには早い」
結城あかり「だってもうお金だって・・・」
不破誠「こんなこともあろうかと、バッグに発信機を付けておいた」

〇車内
岩重君子「何をそんなに確認してるんだい」
岩重君子「金は本物だと言っただろ?」
東条昌弘「ありました」
岩重君子「?」
東条昌弘「発信機です」
東条昌弘「これで、我々の場所を特定しようとしたのでしょう」
東条昌弘「しかしあの男の作戦もここまで」
  発信機を車から投げ捨てる東条。

〇研究施設の一室
不破誠「おそらく発信機はすぐに見つかってしまうだろう」
結城あかり「だめじゃない」
不破誠「しかしそれはダミー。 本当の発信機はミリサイズで、札束にくっつけてある」
結城あかり「・・・・・・」
不破誠「金は必ず奪い返す」

〇屋敷の門
東条昌弘「高井さん、あなたにはしばらく海外にでも行ってもらいましょう」
高井雄太「・・・・・・」
東条昌弘「あなたの身の安全を考えてのことです」
高井雄太「・・・・・・」
東条昌弘「すでにエアチケットの手配は済んでありますので」
岩重君子「消えてもらってもいいんだけどね。 手伝ってもらった礼だよ。 私は優しいんだ。感謝しな」
高井雄太「・・・・・・」
岩重君子「さて、不破とあかりをどうするかだね」
東条昌弘「もちろん消えてもらいます」
高井雄太「・・・・・・」

〇研究施設の一室
不破誠「眠れたか」
結城あかり「・・・まさか」
不破誠「発信機を追ってみた。 金はあいつらの屋敷にある」
結城あかり「この件から、降りてもいいのよ」
結城あかり「あなたを拘束する権利は私にない」
不破誠「・・・・・・」
結城あかり「ここまで、ありがとう」
不破誠「礼を言うのは全て終わってからにしてくれ」
結城あかり「・・・どうしてそこまで」
「誰かいるのかい?」
間瀬口徹「結城あかりさん? あと無口男も」
結城あかり「間瀬口さん」
間瀬口徹「入口のドアが開いてたから何かと思って。 ここは厳重に施錠されてるはずなのに。 二人ともどうしたのさ」
結城あかり「・・・それは」
不破誠(早くここから出せ、スパイ)
間瀬口徹「?」

〇オフィスのフロア
磯ヶ谷敏文「何だって、あんなところに二人していたんだね?」
不破誠「・・・・・・」

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