第一話「Boys be ambitious 殺人事件」(脚本)
〇中庭
一人の男が公園で倒れている。
倒れている男は、血で地面に文字を残していた。
「Boys be ambitious」と。
〇大教室
女子学生達が、若い男性講師の話を熱心に聞いている。
ワタシ「本日の講義終了! 一週間後のレポート課題を忘れないように!」
大勢の女子大生達が話をしながら、教室を出て行った。その若い男性講師が講義資料を片付けていると、一人の男が近づいてきた。
武田粉夫(コナオ)「よ、ワタ! あいかわらず、しけた講義をしているな!」
話しかけたのは、派手な服装をした、若い長髪の男でもあった。
この金髪ロン毛野郎は、赤いフェラーリに乗って区立女子大学に通勤している。
「自称」武田信玄(信玄公)の(遠い遠い遠い遠い遠い)親戚の武田粉夫(たけだ こなお)だ。
東京世田谷区立の某女子大学講師の私と、同じ指導教官の門下生でもある
※私の名前=「渡」氏(ミスターワタこと「ワタシ」であり、以後、渡氏=「ワタシ」と名乗る。
ワタシは、怪訝な顔で武田の顔を見た。
武田はふざけた調子でワタシをからかった
武田粉夫(コナオ)「いつも熱血講義で熱いな。ただでさえ、東京は猛暑で暑いのによ」
ワタシは内心、ムカつきながらも、にんまりとした笑顔をつくった。
ワタシ「これはこれは、親父殿の寄付金で、大学講師をやっている、コ『ネ』オ君!」
武田粉夫(コナオ)「こ、 殺してやる!」
武田は逆上し、渡氏(ワタシ)に掴みかかった。
恩師の教授「やめんか!」
二人が振り返ると、そこには白髪の老人がいた。
「教授!」(ワタシ・武田)
二人は喧嘩をやめ、白髪の教授の方を振り向いた。
恩師の教授「まったく、お前達ときたら。会う度に喧嘩ばかりして!」
教授は呆れた顔で二人を見た。
そしてまた、深いため息もついた。
恩師の教授「ワタ、後で私の研究室に来なさい」
教授はワタシに述べた。
武田粉夫(コナオ)「ざまーみろ!」
武田は得意気にワタシに言った。
恩師の教授「お前はその後で来なさい!」
教授は武田を怒鳴りつけた。
武田粉夫(コナオ)「しゅん(´・ω・`)」
武田はしょぼんとした。
〇教室の外
ワタシは、講義室の戸締りをした後、教授のいる研究室へと向かった。
ワタシは、教授のいる研究室のドアをノックした。
ワタシ「失礼します。ワタです。入ります」
渡氏が研究室に入ると、教授と、見知らぬ中年の男が居た。
ワタシ「そちらの方は?」
ワタシは教授に尋ねた。
恩師の教授「この方は、北海道警察特別捜査官の石竹警部補だ」
教授はワタシに述べた。
石竹警部補「初めまして、ワタ先生」
ワタシ「ワタで構いません」
ワタシがそう述べると、特別捜査官という、その男は、ニコヤカな顔で会釈し、本題を述べた。
石竹警部補「ワタ先生、是非とも捜査にご協力願いたいのです」
その男性特別捜査官は、ワタシに事の次第を話始めた。
石竹警部補「三か月前に北海道の公園にて、殺人事件がありました」
その男が話を続けようとする前に、ワタシは言葉を遮った。
ワタシ「もしかして、今、ワイドショーを騒がしている、あの殺人事件ですか?」
石竹警部補「はい、先生、その通りです」
石竹警部補はうなずいた。
北海道の公園で、新進気鋭の経済学者が、何者かに刃物で斬殺された事件だ。
その現場には「Boys be ambitious」という、謎のダイニングメッセージも残されていた。
巷では「ボーイズビーアンビシャス殺人事件」として、大々的に取り上げられてもいる。
石竹警部補「殺されたのは、経済学者の丸中教授です」
捜査官が言い終えると、教授は声を大にして話し始めた。
恩師の教授「私の大親友だ!あいつとわしは、同じ大学寮に住んでいたのだ!あいつとは苦楽を共にし、ほうとう鍋を食べた仲だ!」
教授は涙を拭きながら、そう話した。
ワタシは涙ぐむ教授に少し困惑した。
教授はハンカチで涙を拭くと、ワタシに話を続けた。
恩師の教授「ワタ君、君には事件解決のため、石竹警部補にぜひ協力して欲しい」
教授はワタシに強い口調で述べた。
石竹警部補「ワタ先生、是非ともお知恵を拝借したいのです。事件発生から既に三か月も経ちますが、捜査が全く進展していないのです」
石竹警部補も、少し困った表情を浮かべながら述べた。
ワタシ「教授、俺は象徴人類民俗衛生暗号学の研究者で、犯罪捜査の専門家じゃないですよ」
ワタシは困惑しながら教授に答えた。
恩師の教授「君は、北海道出身だというではないか! 北海道の地理にも詳しい!」
恩師の教授「それに君の専門分野は、古い言い伝えや伝承やメッセージの意味を明らかにすることだ」
恩師の教授「いわば、意味不明な言葉を扱う専門家でもある」
恩師の教授「現場に残されたダイニングメッセージの意味を解けば、犯人への手掛かりもきっと分かるはずた」
恩師の教授「頼む! 親友の無念をはらしてくれ!」
教授は声を大にして、矢継ぎ早にワタシに述べた。
しかしながら、ワタシは断ろうとした。
ワタシ(冗談じゃない。 探偵小説じゃあるまいし。 平凡な大学講師が、犯罪捜査など、実にばかげている)
けれども、教授は涙ぐみ、鼻水をたらし断れる状態ではなかった。
おまけに、学生の答案用紙を、鼻紙代わりにかんでもいる。
ワタシ「教授、それはチリ紙ではなくて、学生の答案用紙ですよ」
ワタシは呆れた顔で、教授に指摘した。
恩師の教授「ふん、コピペだらけの答案だ。チリ紙がわりなんて、チリ紙に失礼だ!」
教授はそう述べると、丸めてそれをゴミ箱に捨てた。
象徴人類民俗衛生暗号学😲
本件におあつらえ向きなジャンルですね!
クラーク博士を想起させるダイイングメッセージですが、どう物語が展開していくのか楽しみになりますね!