エピソード1 反逆(脚本)
〇西洋の城
俺の名はテオ
最近、ベルナンド王国という
大きなギルドに移籍してきた
そこで、城兵として働くことに
軍に入隊した当日、
新入りの俺は、上官に呼び出された
〇洋館の廊下
『すごい豪勢な建物だな』
『今日から、俺がここで働くのか・・・』
『・・・・・・』
『それにしても、でかい城だな・・・』
オーガ「待たせて、すまない」
オーガ「上官のオーガだ」
オーガ「よろしく」
「テオです・・・」
「よろしくお願いします」
オーガ「よろしく、テオ」
オーガ「これから、新入りの君をシルヴィ女王に紹介したい」
オーガ「ついてきてくれ」
〇要塞の廊下
オーガ「シルヴィ女王に会ったら」
オーガ「敬礼し、挨拶の一言を考えておいてくれ」
『あ、あいさつのひと言を?・・・ですか?』
オーガ「ああ、軽くでかまわない」
『わ、わかりました・・・』
オーガ「じゃあ、行こう」
オーガ「女王は最上階の王の間にいる」
〇洋館の玄関ホール
シルヴィ「・・・・・・」
オーガ「あ、あれ!? シルヴィ女王!?」
オーガ「どうして、ここに!?」
(え? この人がシルヴィ女王?)
シルヴィ「・・・・・・」
オーガ「新入りのテオを連れて参りました」
オーガ「ただいま、ごあいさつに伺おうかと」
オーガ「あ、ちょっとお待ちください! 女王っ!」
オーガ「どちらへ!?」
シルヴィ「・・・・・・」
シルヴィ「オーガ!」
オーガ「は、はい!なんでしょうか?」
シルヴィ「兵団とは別に精鋭部隊を組織していると聞いたけど・・・」
シルヴィ「本当なの!?」
オーガ「そ、それは・・・」
オーガ「その・・・」
シルヴィ「すぐに解散させて」
シルヴィ「兵を元の軍団に戻しなさい」
オーガ「し、しかし・・・」
オーガ「近年、ゴブリン襲撃が多発しており」
オーガ「我が王国の領土は縮小するばかりで」
シルヴィ「命令に背くのですか?」
オーガ「い、いいえ!」
オーガ「決して、そのようなことは・・・」
オーガ「承知しました」
オーガ「直ちに!」
(行っちゃった・・・)
『あの人が王位を受け継いだ女王。シルヴィ様ですか?』
オーガ「ああ、そうだ・・・」
オーガ「すまなかったな、テオ」
オーガ「新人のお前を女王に紹介しようと思ったのだが」
オーガ「女王はあのようなお方だ」
『別に、気にしていないですよ』
『でも、相当な剣の使い手だと聞きましたが?』
オーガ「剣の腕前のことか?」
オーガ「はっきり言って、別次元の領域だ」
オーガ「私も一度、手合わせを申し出たことがある」
オーガ「だが、私なんかが敵う相手ではなかった」
『オーガ司令が、かなわない?』
『そんなに強いんですか?』
オーガ「ああ・・・」
オーガ「対戦した日以来、女王の目の前に来ると怖気付いてしまう」
オーガ「以前は、もっと堂々としていたんだけどな・・・」
オーガ「急に呼び出してすまなかった」
『いいえ』
オーガ「それじゃ、西地区のダンジョン攻略を、よろしく頼む」
『了解です』
〇洞窟の深部
ダンジョンレベル10
ラスボス:シモン
リックのこうげき
シモンに5のダメージ
ロジャの攻撃
シモンに1のダメージ
テオの攻撃
ジェネレート・プレディクション
アストファステルク
シモンを倒した
『ふうっ。終わった』
ロジャ「ダンジョンレベル10のラスボスに勝った・・・」
ロジャ「夢みたいだ」
『みんな、王国へ戻ろう』
『急ごう、日が暮れないうちに』
ロジャ「おう」
〇山の中
リック「やっぱり テオはすげえよ!」
ロジャ「レベル10のラスボスでも 余裕で攻略できる!」
リック「テオのスキルって 剣の先からレーザーが 出るのか?」
『ああ、アルバートっていうAIが敵に
自動でロックオンしてくれる』
『するとスピードとパワーが
大幅にアップするのさ』
リック「へえ カッコいいな」
ロジャ「そのスキル どこで手に入れたんだよ?」
『これ、チートなんだ』
ロジャ「チート?」
『うん
不正行為をやって
まぐれで手に入れた』
リック「お前 ワルだな?」
『やっちゃダメって
わかっては
いたんだけど・・・』
『ちょっと前
ダンジョンのラスボス戦で
追い詰められちゃって・・・』
『ステータス画面
いじっていたら
バグを見つけて』
『その時、思わず
ハッキングして
手に入れちゃった』
リック「『それはそれで すげーな』」
ロジャ「うらやましい」
『ははっ』
リック「お前をベルナンド王国に 引き入れたのは正解だったよ」
ロジャ「そういえば リックとは 以前から交流が あったんだって?」
『ああ
ずっと前から
このギルドに
招待してもらって
いたんだけど・・・』
リック「なかなか タイミングが あわなくてな」
『でも、なんとか
前のギルドと
折り合いつけられた』
リック「来てくれて ありがとな」
『王国って聞いた時は
ビックリした』
ロジャ「そう ただのギルドなのに 王国って呼んでんだぜ 笑えるよな」
リック「ところで テオもシルヴィ女王に 会ったんだって?」
ロジャ「ああ あの生意気な小娘」
!?
リック「おい! ロジャ! 言葉に気をつけろ!」
リック「テオは、どうだった? シルヴィ女王に会ってみて」
『どうだった
て言われても・・・』
『向こうからは特に
何も話さず
去って行っただけで』
ロジャ「まあ そういう人だよな」
『シルヴィ女王って何者なの?
オーガ司令も怖がっていたけどさ・・・』
リック「もとは サミル連合騎士団の隊員」
『え!?
サミル連合騎士団!!』
リック「ああ 世界のエリート剣士が 名を連ねている・・・」
ロジャ「世界最強の軍団だ」
『そんな所から・・・』
ロジャ「シルヴィ女王は サミル連合騎士団から ベルナンド王国の女王として 推挙されてきたのさ」
ロジャ「彼女はサミル連合騎士団の中でも 上位に位置するほどの 剣術の持ち主だったと聞いている」
『そいつは
すごいな・・・』
ロジャ「すごいなんてもんじゃない シルヴィ女王は Bクラスの剣士だ」
『Bクラス!
俺も見たことがない・・・』
リック「Fクラスの俺たちでは とてもじゃないが 相手にならないよ」
『俺もFクラスだけど・・・(汗)』
リック「お前のFクラスは 詐称だろ?」
リック「もっと強いはずだ」
『いや
ステータス画面には
Fと表示されているので』
『チートしなかったらFだよ』
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