エピソード14 帰還(脚本)
〇上官の部屋
安藤美花殺人事件翌日
熊井総理大臣「な・・・」
熊井総理大臣「なんだこれは!?」
安藤美花殺害の容疑で羽原豊容疑者を確保
熊井総理大臣「柏木!!これはどういう事だ!?」
〇上官の部屋
柏木検事総長「どうもこうも何も・・・」
柏木検事総長「ナツレの民への供物を一刻も早く用意しろ」
柏木検事総長「昨日の指示はそういう意味だろ?熊井」
熊井総理大臣「白々しく何を言っている!!」
柏木検事総長「我々人間には・・・」
柏木検事総長「ナツレの民・・・女王という・・・」
柏木検事総長「支配的な存在がいた」
柏木検事総長「冤罪でもなんでもどんどん供物を捧げるべきだ!!」
柏木検事総長「熊井!!今のやり方を続けていてはダメだ!!」
熊井総理大臣「間違っているのはお前だ!!」
熊井総理大臣「勝手な事をしてくれたな!!」
熊井総理大臣「お前は許されない事をしているのだぞ!!」
柏木検事総長「何が許されないだ・・・!!」
柏木検事総長「私は今!!人類がとるべき行動をとっただけだ!!」
熊井総理大臣「ぐ・・・」
熊井総理大臣「貴様の考えが見抜けなかった私の目は節穴だったよ!!」
熊井総理大臣「後藤!!コイツを取り押さえろ!!」
後藤防衛大臣「暴れないでください!!」
柏木検事総長「私は・・・私は間違っていない!!」
熊井総理大臣「・・・・・・馬鹿がっ」
熊井総理大臣(すまないっ羽原君・・・)
〇地下の避難所
羽原 貞治「な・・・」
羽原 貞治「オヤジが黒幕・・・!?」
羽原 貞治「兄貴の冤罪の・・・!?」
羽原 貞治「そ、そんな・・・」
羽原 豊「あらゆる情報が改竄され高速裁判が実現していたあの時」
羽原 豊「俺に出来る事はなかった・・・」
羽原 豊「どこまで影響が及ぶか分からなかったから」
羽原 豊「親父や貞治に何かあったらまずいと」
羽原 豊「誰にも真実を言えず・・・」
羽原 豊「俺は無期異世界転生になった」
羽原 貞治「・・・兄貴」
羽原 貞治「で、でも、待てよ!? なんで兄貴がそんな事実を知っているんだ!?」
羽原 豊「それは俺がコトワリから得た能力が関係する」
羽原 豊「俺の能力は・・・」
羽原 豊「『未来映合』(みらいえいごう)」
〇美しい草原
6年前のあの日、転生した俺はわけも分からず能力を発動した
すると・・・
断片的な未来が見えた
羽原 豊「ここに殺意を持った異世界の民がやってくる!?」
羽原 豊「今すぐ逃げないと!!」
それでまず直近の危機を回避した
ゴブラダ「ん!?女王が言ってた最初の獲物とやらが来たかと思ったんだが、気のせいか!?」
〇岩の洞窟
そこからは能力を駆使して命からがら生き延びる日々・・・
そんなある日・・・
羽原 豊「ん、なんだこの映像は・・・!?」
それは俺が幹部のラミィと手を取りあう映像だった
羽原 豊「よく分からないが・・・このままでは打開策も無い・・・」
羽原 豊「・・・よし!!」
〇美しい草原
ヒュメリ女王「ようやっと人間が安定的に送られるようになってきたのう」
ヒュメリ女王「全く熊井の奴め・・・待たせおって!!」
幹部 ラミィ「ヒュメリ女王・・・」
幹部 ラミィ「人間への殺戮・・・止める事は出来ないんですか?」
ヒュメリ女王「何を言っておる!?ラミィ!?」
ヒュメリ女王「こんなに面白い事をやめられるわけがなかろう」
ヒュメリ女王「全く・・・訳の分からん奴だ」
ヒュメリ女王「先に戻っておるぞ」
幹部 ラミィ「女王・・・」
幹部 ラミィ「そんなお姿を見たくはなかった」
羽原 豊「ラミィ・・・さん?」
幹部 ラミィ「転生者!? 何故私の名を!?」
羽原 豊「ま、まってくれ!! 俺は争う気はない!!」
羽原 豊「なぁ、アンタ!! 今のやり取り聞いてたんだが・・・」
羽原 豊「もしかして無期異世界転生に・・・ 人間の命を奪う事に反対なのか!?」
幹部 ラミィ「・・・ええ、そうよ」
幹部 ラミィ「女王含めみんなおかしいのよ」
幹部 ラミィ「人間なんか食べてもお腹の足しにならないし」
幹部 ラミィ「でも、そこに疑問を持っているのはこの世界で私だけ・・・」
幹部 ラミィ「それに多分人間達は本気を出せば私たちなんて制圧できる力を持っていると思うの」
幹部 ラミィ「みんな血に飢えていて冷静になってない」
幹部 ラミィ「過激派の連中はともかく、狩りに参加していないみんなが犠牲になることを思うと・・・」
幹部 ラミィ「でも、どうしようもないの・・・」
羽原 豊「・・・」
幹部 ラミィ「今なら見逃してあげるから逃げなさい」
羽原 豊「なぁ、俺たち手を組まないか」
羽原 豊「俺は能力で未来が見える」
羽原 豊「2人で手を組んで」
羽原 豊「理想の未来を実現しよう!!」
幹部 ラミィ「未来・・・」
幹部 ラミィ「俄には信じられないけど・・・」
幹部 ラミィ「このまま滅ぶ未来がくるくらいなら」
幹部 ラミィ「話を聞きましょう」
そうして、俺たちは互いの状況や能力を共有し手を組むことにした
来る日に向け作戦を立てた
〇断崖絶壁
幹部 ザブラ「ドウシタ?ラミィ?」
幹部 ザブラ「コンナトコロニヨビダシテ?」
幹部 ザブラ「ニンゲンデモコロサセテクレルノカ?」
幹部 ラミィ「・・・そろそろかしら」
幹部 ザブラ「ガ、ガケガッ!?」
羽原 豊「本当に良かったのか・・・?」
幹部 ラミィ「ええ・・・ザブラは女王やジェドと同じ過激派・・・」
幹部 ラミィ「元々無口だし好都合よ・・・」
幹部 ラミィ「いくわよ」
幹部 ラミィ「『メタモルフォーゼ』」
幹部 ザブラ「す、すごい!!」
幹部 ラミィ「豊はこれからしばらくはほとんど喋らないで」
幹部 ザブラ「ああ・・・わかった」
幹部になりすまし、反撃の刻を待っていたんだ
〇上官の部屋
熊井総理大臣「その後も私は何とか早期に無期異世界転生を撤廃すべく・・・」
熊井総理大臣「人間の肉の代わりを試したり娯楽体験させてみたり」
熊井総理大臣「手は尽くしたが、結局かなわず・・・」
熊井総理大臣「もともと死刑相当の者のみのはずが」
熊井総理大臣「罪の軽い者も送り込む事になった」
熊井総理大臣「結果、柏木の思想と大きく変わらない行動をとってしまった」
熊井総理大臣「私は大罪人だよ・・・」
安藤 竜二「・・・」
熊井総理大臣「どうした竜二・・・言葉も無いか・・・」
熊井総理大臣「無理もない・・・」
安藤 竜二「そんなまさかオヤジが・・・!?」
安藤 竜二「あ、俺はオヤ・・・ あんたがいう柏木とついさっきまで行動を共にしてたんだ!!」
熊井総理大臣「なんだと!!奴が生きている・・・!?」
安藤 竜二「俺は・・・柏木から・・・ アンタが嘘をついているって聞いて・・・」
熊井総理大臣「奴は今どこに!?」
〇地下の避難所
羽原 貞治「そんな壮絶な日々を送っていたのか!?」
羽原 豊「ああ・・・今日この日・・・」
羽原 豊「女王が倒されること 貞治と再会出来ること」
羽原 豊「その未来が見えた時は・・・」
羽原 豊「飛び上がるほど嬉しかった」
羽原 豊「こうして実際に会えて本当によかった・・・」
羽原 貞治「兄貴・・・」
羽原 豊「ラミィ・・・ところで女王が倒されたことによる影響はどうだ?」
幹部 ラミィ「だんだんと力が無くなっていくのを感じるわ。メタモルフォーゼも使えて後一回かしら」
羽原 豊「そうか」
羽原 貞治「そうだオヤジは!! オヤジをどうするんだ!?」
幹部 ラミィ「オヤジ・・・柏木は」
幹部 ラミィ「ジェドに負けるわ」
羽原 豊「ああ、その未来は既に見えていたんだ」
幹部 ラミィ「魔力のなくなったジェドなら私たちで簡単に制圧できる」
幹部 ラミィ「そうしたらナツレと日本で今度こそ平和的な解決策を見つけるのよ」
羽原 貞治「そっか・・・オヤジはもう・・・」
羽原 貞治「兄貴を陥れた理由・・・ 話聞きたかったんだけど・・・」
羽原 豊「ああ、そうだな・・・」
羽原 豊「うっ!!」
羽原 貞治「どうした兄貴!?」
幹部 ラミィ「豊!!未来が見えたの!?」
羽原 豊「ハァ・・・ハァ・・・ ああ・・・」
羽原 豊「まさか、こんな事って・・・」
羽原 豊「未来が・・・変わった・・・」
〇地下室
オヤジ「・・・厳しい戦いでした」
オヤジ「久しぶりですね、日本も」
オヤジ「さて・・・」
オヤジ「『空空爆爆』(くうくうばくばく)」
〇上官の部屋
安藤 竜二「なんだ今の爆発音は!?」
熊井総理大臣「議事堂の方だ!!」
〇荒廃した国会議事堂の大講堂
オヤジ「・・・」
熊井総理大臣「柏木!!貴様ぁ!!」
オヤジ「熊井、久しぶりだな」
熊井総理大臣「まさか生きてたとはな・・・」
オヤジ「はっ、この6年間大変だったよ」
オヤジ「だが、得るものもあった」
安藤 竜二「オヤジ!!アンタ俺を騙してたのかっ!?」
オヤジ「これはこれは安藤!!無事だったんですね」
オヤジ「安藤が生きているという事は・・・」
オヤジ「女王は・・・死んだんですかね?」
安藤 竜二「ああ・・・」
安藤 竜二「いや、それより俺の質問に答えろ!!」
オヤジ「以前言ったでしょう」
オヤジ「嘘の証明は難しいんですよ」
オヤジ「まぁ、あなたとは長い付き合いですからね」
オヤジ「ええ、騙してましたよ」
オヤジ「私の目的のために」
オヤジ「利用させていただきました」
安藤 竜二「ぐっ・・・」
安藤 竜二「アンタの事・・・」
安藤 竜二「本当の親父だったらと思っていたのに・・・」
オヤジ「それは・・・」
オヤジ「傑作ですね」
安藤 竜二「クソがぁぁぁ」
安藤 竜二「『牙竜転生』」
安藤 竜の姿「オラァァァァァァ」
オヤジ「うっ」
安藤 竜の姿「な・・・」
安藤 竜の姿「なんで避けない・・・!?」
羽原 貞治「安藤!!」
安藤 竜の姿「貞治!!すまん、何も言わずに離れてしまって・・・」
安藤 竜の姿「そっちにいるのはもしかして兄貴か!?」
羽原 貞治「その話は後だ!!状況は!?」
安藤 竜の姿「ああ、さっきの爆発はオヤジの仕業だ」
安藤 竜の姿「だが今・・・」
安藤 竜の姿「俺の爪はオヤジの心臓を貫いた!!」
羽原 貞治「なんだって!?」
羽原 豊「いや・・・」
オヤジ「いやぁ、ききましたよ・・・」
羽原 貞治「何で生きて・・・!?」
安藤 竜の姿「まさか・・・オヤジ・・・アンタ・・・!?」
オヤジ「ええ、安藤、あなたの想像通り」
オヤジ「私は賭けに勝ち、手にしたんですよ」
オヤジ「不老不死の秘薬を!!」
ラスボスはこうでなくては!
しかし勝てる気がしない。やはり無期限宇宙転居がいいですよ。そのうち考えるのを止めますからね
ラスボスはオヤジ…当初からただ者ではないと思っていましたが、ついに不老不死!? 家族、師弟、同僚…さまざまな思いが入り乱れて、いよいよ最終決戦ですね。
オヤジーー(2回目)😭
まさかのラスボスとは…!!