2人目3人目(脚本)
〇川沿いの公園
華「まずは1人」
華「後はこの2人だけね」
〇明るいリビング
修「・・・」
華「あら、こんな時間にどこに行ってたの?」
修「え?いや、ちょっとね」
華「ちょっと、なに?」
修「べ、別にいいだろ」
華「・・・」
華「ヒカリさんに会いに行ってた?」
修「え!?お前・・・」
華「わたしが知らないととでも思った?」
修「いや、違うんだ!」
華「ごめんなさい・・・」
修「え?」
華「わたしが、あなたに浮気をさせてしまったの」
華「わたしがもっとあなたを見てあげれば 浮気なんかしなかったし・・・」
修「華、ごめん。俺の方こそ」
華「殺人なんでしなくて済んだ」
修「え?」
華「さっき、公園で」
修「お前・・・」
華「あなた、ヒカリさんを殺したのね」
修「違う!俺じゃない!」
華「じゃあ誰なの?」
修「こいつだよ!」
修「このヒカリの旦那、こいつが殺ったんだ!」
華「この人が?」
修「そう!だから俺は悪くない!」
修「こいつが悪いんだ!!」
華「・・・」
華「そうだったの、この男が悪いの」
修「そうだ!」
華「じゃあ」
華「お仕置きしないとね」
修「え?」
華「大丈夫、あなたの無実はわたしが証明してあげるから」
修「華・・・」
華「安心して」
華「わたしはあなたの味方」
華「わたしはずーっとあなたを見ててあげる」
修「華・・・」
〇おしゃれなリビングダイニング
達也「くそ!いったいどうしたらいいんだ!」
達也「いつまでも、こうやっておくわけにもいかないし」
達也「うるせえな!」
修「俺だ!俺」
達也「この声は」
達也「あんたか、ビビらせんなよ!」
修「そんなことよりも、これどうするつもりだよ?」
達也「知らねえよ・・・」
修「俺にいい考えがある」
達也「なに?」
修「こいう、身寄りが誰もいないんだろ?」
達也「あぁ、両親も死んだし、親戚とかの話も聞いたことない」
修「だったら、海に捨てればいいんだよ」
達也「海に!?」
修「そう、難しく考えずに、海に捨てればいいだけの話なんだよ」
達也「たしかに!」
達也「証拠とかもなくなるし」
修「海なんてそうそう調べるもんじゃねえだろ」
達也「よし、それでいこう」
修「じゃあ今からやるか!」
達也「今から?」
修「当たり前だろ、こんなやつと一緒にいたくないだろ」
達也「たしかに」
達也「じゃあ手伝ってくれ」
修「いや、あんた一人でいってくれないか」
達也「なに?」
達也「俺一人で行けっていうのか?」
修「人数は少ないに越したことないだろ」
修「それに二人で行ったらそれこそ目立つ」
修「おまけに、この部屋にはこいつの血とかもついてる」
修「俺は、あんたが行ってる間に、証拠になりそうなものを全部処分する」
達也「・・・わかった!」
達也「この部屋のことはまかせた」
修「あぁ」
〇堤防
達也「よし、この辺りでいいだろ」
達也「じゃあな、ヒカリ」
「おい、そこで何をしている?」
達也「げ、警察!」
警察「こんな時間に何をしてるんだ?」
達也「いや、ちょっと夜の海を見に〜」
警察「ん?あんな、その大きな袋はなんだ?」
達也「いや、なんでもないんです」
警察「なんでもないことないだろ」
警察「もしかして、不法投棄か!?」
達也「違うんです、あの」
警察「違うなら、中身を見せなさい!」
達也「それは、あの・・・」
警察「ちょっと隠さないで見せなさい!」
警察「こ、これは・・・」
達也「くそ!」
警察「逃げるな!」
達也「違うんだ!俺じゃない!」
警察「おい、署まで来てもらおうか」
達也「なんだよ!なんで警察がここにいるんだよ!」
警察「さっき電話があってな」
警察「海沿いにおかしなやつがいるってな」
達也「なに!?」
警察「で、来てみたら案の定か」
達也「どういうことだよ!」
警察「さて、ゆっくり話を聞こうじゃないか」
達也「俺じゃないー!」
〇取調室
警察「お前がやったんだな」
達也「俺だけじゃないんだ」
警察「なに?」
達也「ヒカリの浮気相手も共犯だ!」
警察「浮気相手?」
達也「あぁ、そいつと二人で殺ったんだ!」
達也「海に捨てるってのも、そいつのアイデアなんだ」
達也「俺は自首しようって言ったんだよ」
達也「でも、あいつが頑なに」
警察「その辺りも調べさせてもらったよ」
警察「ヒカリさんのスマートフォンを調べたけど」
警察「そんな形跡なかったぞ」
達也「なに?」
警察「その浮気相手がいたってのはウソなんだろ?」
達也「ウソじゃない!」
警察「じゃあそいつはどこの誰なんだ?」
達也「そ、それは・・・」
警察「答えられないじゃないか」
達也「くそ!聞いておけばよかった!」
警察「それにあなたのマンションを捜索させてもらったけど」
警察「そんな証拠、どこにもなかった」
達也「!?」
達也「まさか、あいつ」
警察「それどころか、争ったような形跡があった」
達也「やられた!」
警察「近所の話では、夫婦でよくケンカしていたらしいじゃないですか」
達也「違う!よく調べてくれ!」
達也「俺はあいつに騙されたんだ!」
警察「騙された?」
達也「浮気相手に騙されただけなんだ!」
警察「あなたは、いつも通りヒカリさんと口論になった」
警察「そしてカッとなったあなたはヒカリさんを刺して殺した」
警察「そして、遺体をバレないように海に捨てようとした」
達也「違う!俺じゃないんだ!」
達也「あいつを探してくれ!」
警察「おい!往生際が悪いぞ!」
達也「ちゃんと調べてくれーー!」
〇警察署の入口
「俺ははめられたんだーー!」
華「続いて2人目」
華「あなたがあいつとケンカなんかするから」
華「修は浮気しちゃったのよ」
華「さて」
華「仕上げにかかろうかな」
〇明るいリビング
修「ただいま」
華「おかえり、どうだった?」
修「うん、上手くいきそうだ」
華「よかった」
修「いろいろ悪かった」
修「これからは一生、お前のために生きるから」
華「そうね」
華「わたしの為に生きてちょうだい」
修「ん?なにこれ?」
修「離婚届け!?」
華「えぇ」
修「これ、どういうことだよ・・・」
華「わたしが殺人者と暮らすと思う?」
修「え?」
華「離婚するに決まってるじゃない〜」
修「お前・・・」
華「そうね、まずは慰謝料1000万にしようかしら」
修「そ、そんな金・・・」
華「嫌ならいいのよ、この写真警察に出すから」
修「お前・・・」
華「あなたが共犯だって証拠になる」
修「華、俺を騙してたのか!」
華「騙してたのはどっちよ?」
華「さっき、あなた言ったじゃない」
華「これからは一生、お前のために生きるからって」
修「そ、それは・・・」
華「あなたにはわたしの為に生きてもらうわ」
華「そう、一生ね」
修「華・・・」
華「まずは1000万、用意してもらおうかな」
修「ま、まずは?」
華「じゃあねー」
修「・・・」
修「そ、そんな・・・」
〇一戸建て
華「さて、これで3人目」
華「3人目は一生許さないから」
華「覚悟してね」
華「わたしはずーっとあなたを見ててあげる」
あー、復讐、成就しましたね。青い炎が、一番熱い。何で復讐って、こんなに応援したくなるんだろう?
しっかりと、きっちりと、念密に計画を立てたのでしょうね(こわっ) 怖いけど、スッキリした気分にもなりました(笑)