Ep2 便利屋来訪赤子(コンビニに天才赤ちゃん現る)(脚本)
〇コンビニのレジ
-一週間後-
掃除はひと通り終わり、客の来店、或いは商品搬入の時間を待ちながらのんびりしていた時だった。
~~♪ ~~♪
電話がかかってきた。
主人公「お電話、ありがとうございます、xxx 夢見店 大野です」
コンビニ名の後店舗名(地区)を言って名前を名乗る。
「・・・・・・」
主人公「・・・・・・」
しかし、反応はなかった、間違い電話だろうか?
主人公「・・・・・・お客様?」
「・・・・・・ぁっ・・・・・・ぁの!」
「・・・・・・お客様?」
主人公「っ!」
思わず胸にキュンと来る声だった。
「オオノしゃんは、今1人でしゅか?」
赤ちゃん独特の滑舌が安定しない声
参ったなぁ、イタズラ電話かなぁ?
しかし、赤ちゃんと言えどお客さんな訳で
主人公「はいはい? えっと1人でちゅがどうかちまちたか?」
反射で返事した自分にちょっと引いた。
俗に、赤ちゃん言葉としてや赤ちゃん動物に話しかける時に一般的な言葉だ
「物凄く恐縮でちゅが、ふちゅーに話してくれないと気持ち悪いでちゅ・・・・・・」
主人公「・・・・・・はふっ・・・・・・」
どこに、恐縮ですが、としゃべる赤ちゃんがいるだろうか、注意されているのにもかかわらず、思わずときめいた。
「え、あっ、はい、ごめんね、でも坊やこんな時間にどうしたのかな?」
声の様子からみて、相当若い、数字を理解し、電話をちゃんとかけられる知能だとしたら幼くても3歳ぐらいだろうか?
声の様子はもっと若い気がする、だとすると、いたずらで電話を触って、たまたまつながったということになる。
いや、でも『恐縮ですが』なんて3,4歳時が理解して話す言葉じゃないような・・・・・・。
ついでに会話も成り立っている。
「1人なんでしゅね? 遊びに行っても良いでしゅね?」
主人公「えーと・・・・・・何か買いたいものがあるのかな? でも一人で大丈夫?」
「大丈夫でしゅ、今、家の中だから切るでしゅ」
遊びに来る、色々と心配だ。 時間帯も時間帯だからぶっそうである。
ふとバックヤードのパソコンの時計を見ると午前3時になろうとしていた。
主人公「え? あ・・・・・・ちょっと待って」
流石に3歳ぐらいの子供が1人で来るはずないだろう、真に受けてしまうボクは馬鹿だろうか?
受話器からは、返事の代わりに
「ツー・・・・・・ツー・・・・・・」
と虚しい音が聞こえた。
主人公「(なんだったんだろう)」
そう思った最中だった。来客のベルがなった、30代前後のお姉さんだった。
一度カウンターに顔を出し、来客の際の挨拶をしてから、レジの所の袋や箸、スプーンなどの整理を始めた。
来客して3分程経った頃、デザートとお菓子を数点、買い物カゴに入れたお客さんは、無言のままレジ打ちが始まるのを待つ
主人公「いらっしゃいませー」
こういう人ってレジ店員をただのレジを打つロボットのようなものに思ってるんだろうなぁ。
そんなことを内心思いつつ
もぶ客「・・・・・・」
主人公「(愛想ないなぁ・・・・・・)」
主人公「お預かりします」
と作り笑顔で応対する。
無言でポイントカードを出してきて、スキャンしてから、
主人公「(カードご提示)ありがとうございます」
と返す、何がありがとうなんだろうなぁ・・・・・・。
ぶっちゃけスキャンするものが1点増えてこっちにはありがた迷惑・・・・・・。
そう思った時だった。
もぶ客「はい、どうも・・・・・・」
テンションは低いが初めてお客さんの声を聞くことが出来た。
自分はどうやら単純な人間で、こんな社交辞令の一言ですら嬉しく感じてしまう。
うるさがられないトーンで応対する。
自分の笑顔が通じてか、最後は、少しだけ笑ってくれた。
もぶ客「・・・どうも」
主人公「・・・・・・はい、ありがとうございました!」
こんな、一応合格レベルな接客をしても、最初、お客さんを皮肉に思っていた自分が嫌になる。
感情のコントロール、仕事は仕事・・・・・・。 難しいなぁ・・・・・・。
それから三十秒程経った頃だった。
レジの補充に区切りがつき、店の入口に背を向けたその時だった。
~~♪ ~~♪
主人公「いらっしゃいませっ!」
どんなお客でも百点満点の接客目指してやる!
そんな意気込みで店の入口を振り返った時だった。
赤ちゃん(代理画像)「お邪魔しましゅ」
主人公「・・・・・・!」
本当に赤ちゃんが来た・・・・・・。弟や妹が居たことないので詳しく知らないが推定2歳ぐらいだろうか?
手頃な棒きれを杖として器用に使っている。というより一人で来たのだろうか?
主人公「い、いらっしゃいませ」
ちょっと戸惑いながらも赤ちゃんに近づき、駐車場を見る、駐車場には隅に停めてあるボクの車だけだった。
その視線をたどったのか赤ちゃんは状況を把握する。
赤ちゃん(代理画像)「一人でしゅよ、おやがいないとにゅうてんしちゃだめでしゅか?」
主人公「え、あー、うーん」
ゲームセンターであれば、9時だか10時だかで保護者同伴が必要となんとなく知っているが、なんと返せばいいか分からなかった。
主人公「う、裏・・・・・・ですか・・・・・・?」
まるで夢でも見てるんじゃないかという感覚だった。
目の前に可愛い赤ちゃんがまだ時折ふらつきながら懸命に歩いていてそれでもオーラ的にか、口調的にかどこか大
人びていて。
まるで某マンガの超天才赤ちゃんが実在するように思えた瞬間だった。
赤ちゃん(代理画像)「そうでしゅ、裏でしゅ、お客さんに見られるとマズイでしゅ」
主人公「イタズラはしないでね?後監視カメラ写ってるけど大丈夫かな?」
赤ちゃん(代理画像)「はい、おじゃまするでしゅ、レジの多額のミスやカメラは強盗とか万引き犯来ない限り確認しないでしゅよ、大丈夫でしゅ」
主人公「な、なるほど・・・・・・」
確かにそういえばそうかもしれない、とりあえず、不思議な賢い赤ちゃんの言われるがまま僕はバックヤードに招いた。
このひょっとしたら僕より頭の良さそうな赤ちゃんはいったい何者なのだろう。
そして、コンビニに遊びに来た理由は何なんだろう
状況説明がゆったりとしていて、深夜のコンビニの空気感とフィットして雰囲気が伝わってきますね。
それと、重箱の隅かもしれませんが、セリフ等は小説スタイルよりも漫画フキダシ風のほうが読みやすいかもしれませんね。一字サゲも無いほうがナチュラルかもです。