わたしに触れないで

結丸

不審な人(脚本)

わたしに触れないで

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〇荒廃した教室
  学び舎が炎の海に包まれた、
  あの日──
爪紅 栞「みんな、落ち着いて! ハンカチを口元に当てて、姿勢を低くして」
爪紅 栞「大丈夫よ、先生がみんなを守るから──」
爪紅 栞「うっ!! ゴホッゴホッ!!」
爪紅 栞「はぁ・・・はぁ・・・」
???「爪紅先生! 大丈夫ですか!」
爪紅 栞「あ・・・ あなたは・・・」
爪紅 栞「ゴホッゴホッゴホッ!!」
???「・・・・・・」
爪紅 栞「た、助け──」
爪紅 栞「っ!?」
爪紅 栞「ど・・・うし・・・て・・・」

〇女性の部屋
爪紅 栞「!!!!!!!!」
爪紅 栞「・・・またあの夢か」
爪紅 栞「栞ちゃん、ダメでしょ? 昔のことは忘れなきゃ・・・ね?」

〇豪華なリビングダイニング
爪紅 抄子「はい」
爪紅 英介「ん」
爪紅 英介「栞は?」
爪紅 抄子「さぁ・・・ 部屋にいると思うけど」
爪紅 英介「まさか、まだ寝てるんじゃないだろうな」
爪紅 抄子「それは・・・でも今日は日曜日だし、 いいじゃないの」
爪紅 英介「仕事もせず毎日家にいる奴に 日曜日なんてものはない」
爪紅 抄子「そんな言い方・・・!! あの子だって好きでああしてるんじゃ ないのに・・・」
爪紅 英介「だが、いい加減働かないことには──」
爪紅 栞「おっはよー!!」
「し、栞・・・」
爪紅 栞「ごめんね、穀潰しで」
爪紅 英介「そ、そうは言ってない」
爪紅 栞「今日も怖い夢見ちゃって・・・ 胸がすごぉーーく苦しいんだけど・・・」
爪紅 栞「死ぬ気で頑張ってお仕事探すね!!」
爪紅 栞「職場で倒れちゃうかもしれないけど」
爪紅 抄子「ちょっと、あなた・・・」
爪紅 英介「あー・・・ 無理は、しなくていい」
爪紅 栞「えー、でもぉ・・・ いい歳した娘がずーーっと家にいるの、 迷惑なんじゃない?」
爪紅 英介「・・・はぁ」
爪紅 英介「後遺症もまだあるようだし、 焦らなくていい」
爪紅 栞「ほんと!? やっぱりパパって優しくて大好き!!」
爪紅 英介「こ、こら。 抱きつくんじゃない」
爪紅 抄子「うふふ、お父さんったら 照れちゃって」
爪紅 英介「いやはや、全く・・・ 娘というのは本当に・・・」
爪紅 栞(パパもママもチョロいわね・・・ さすがお兄ちゃんの親だわ)
爪紅 英介「まぁ、いざとなれば覚の会社に 雇ってもらえばいいしな」
爪紅 栞「え?」
爪紅 抄子「それ、いいわねぇ」
爪紅 栞「・・・お兄ちゃんの会社かぁ・・・」

〇オフィスビル前の道
爪紅 覚「もしもし」
爪紅 覚「・・・え?」
爪紅 覚「いや、今は空いてるポジションが──」
爪紅 覚「・・・参ったな」

〇おしゃれなリビングダイニング
爪紅 覚「・・・ただいま」
爪紅 華奈子「あっ、おかえりなさい。 雨大丈夫だった?」
爪紅 覚「ああ・・・」
爪紅 華奈子「どうしたの? 何かあった?」
爪紅 覚「実は──」
  覚は昼間にあった電話の内容を
  華奈子に話した。
爪紅 華奈子「えええええ!? 栞ちゃんを、あなたの会社に?」
爪紅 覚「そうなんだよ・・・ 父さんにどうしてもって言われて」
爪紅 華奈子「で、でも、覚の会社って 専門職の人ばかりでしょ?」
爪紅 覚「ああ。 SEのメンバーだけでやってる」
爪紅 覚「会社って言っても5人だけだし、 事務を雇うほどでもないし・・・」
爪紅 華奈子「どうするの?」
爪紅 覚「まぁ、とりあえずバイトって形で 雑務とかやってもらうしかないかな」
爪紅 華奈子「バイト・・・ まぁ、リハビリになっていいかもね」
爪紅 覚「華奈子・・・」
爪紅 華奈子「えっ? 私、何か変なこと言った?」
爪紅 覚「違うよ。 栞のこと、そうやって考えてくれて 嬉しいんだ」
爪紅 華奈子「あー・・・ 考えたってほどでは・・・」
爪紅 覚「よし、じゃあとりあえずバイトとして 来てもらうことにするよ」
爪紅 覚「ありがとう、華奈子」
爪紅 華奈子「・・・うん」

〇女性の部屋
爪紅 栞「初日だし、ビシッと決める?」
「それとも・・・」
爪紅 栞「オフィスカジュアル?」
「もしくは・・・」
爪紅 栞「勝負下着!!」
爪紅 栞「・・・ぷっ」
爪紅 栞「あはははは!!」
爪紅 栞「お兄ちゃんと一緒・・・ 嬉しいな・・・」

〇豪華なベッドルーム

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