オレたちのネトゲ結婚事情

はやまさくら

第2話「式場内では静粛にお願いします」(脚本)

オレたちのネトゲ結婚事情

はやまさくら

今すぐ読む

オレたちのネトゲ結婚事情
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇教会の控室
  波乱のプロポーズ劇から2週間後。
  オレとトワは予定通り、
  結婚式を挙げることになった。
†悠†「トワは何人くらいのフレンドに 声掛けたんだ? オレはせいぜい30人くらいなんだけど」
トワ「俺は3人程度だ。 ・・・むしろ30人って多くないか? 悠は社交的だな」
  オレたちは他愛もない話を交わしながら、控え室で式の開始を待っていた。
  サングリアさん率いる《MKカフェ》は
  総勢20名程度の小さなギルドだ。
  だからギルメン全員に加えて、
  招待したオレたちのフレンドが
  全員参列したとしても、
  参列者は50人程度という計算になる。
  結婚式への入場は「制限無し」という
  設定にしてあるので、
  冷やかしで覗きに来る人は
  いるかもしれないけどね。
  そろそろ式が始まります。
  新郎新婦は会場への入場をお願いします
  チャット欄に運営からの
  メッセージが流れた。
  遂に結婚式が始まるんだ。
  ・・・いくら仮想現実とはいえ、
  やはり緊張する。

〇大聖堂
トワ「すごい人数だな。 ・・・あの変態どもは悠の知り合いか?」
†悠†「違うっ!!! あいつらレベル1だし、 誰かの捨てキャラだよ」
†悠†「もしかしたら、別サーバから冷やかしに 来た連中かもね」
トワ「へぇ・・・。 俺たちの結婚式をわざわざ見に来た、 ってことか」
†悠†「《MKカフェ》は規模こそ小さいけど、 トッププレイヤーが多く 在籍していることで有名なギルドだろ?」
トワ「ああ、サングリアさんや青月さんは 有名人だな」
†悠†「そのギルド員同士の結婚式とあって、」
†悠†「お祭り気分で参加している 面識のないプレイヤーも 多いんじゃないかな?」
トワ「それにしても、会場には100人近く 集まっているみたいなんだが。 いくら何でも多すぎじゃないか」
†悠†「やはり参列者を制限した方が 良かったかなぁ・・・」

〇大聖堂
「結婚おめでとう~!」
†悠†「・・・無視しよ、ね?」
トワ「ああ、そうだな・・・」
  オレたちはハゲオヤジたちを
  敢えて完全無視して、
  まっすぐにバージンロードを
  歩いていった。
  その先には祭壇があり、
  神官の衣装を身につけた
  GM(ゲームマスター)が待っている。
《GMヒイラギ》「私たちは今、《トワイライト》さんと 《†悠†》さんの結婚式を 挙げようとしています」
《GMヒイラギ》「それでは、お二人に誓約をして いただきます。皆様ご起立下さい」
  ヒイラギの言葉を受けて
  参列者全員が起立し、
  祭壇前のオレたちをじっと見守っている。
  オレは改めてトワと向き合い、
  彼の精悍でハンサムな顔を漫然と眺めた。
  見慣れた相方の顔だ。今更何の感傷も
  湧かないが、キャラメイクのセンスが
  いいことは認める。
  オレは毎日のように通信アプリを使って
  トワと会話をしているけど、
  中の人にはまだ会ったことがないんだ。
  彼の声は少しハスキーだけど、
  聞き取りやすい。
  ギルドの女性陣いわく
  「イケメンボイス」なんだって!
  女性陣たちは
  「きっと声同様に顔もイケメンだよ!」と
  期待しているみたいだけど、
  実際にはどんな人なんだろう?
《GMヒイラギ》「新郎《トワイライト》、 あなたはこの女性と結婚し、 夫婦になろうとしています」
《GMヒイラギ》「あなたは、健康な時も、そうでない時も、 この人を愛し、この人を敬い、 この人を慰め、この人を助け・・・」
《GMヒイラギ》「その命の限り、 かたく節操を守ることを誓いますか?」
トワ「はい、誓います」
《GMヒイラギ》「新婦《†悠†》、 あなたはこの男性と結婚し、 夫婦になろうとしています」
《GMヒイラギ》「あなたは、健康な時も、そうでない時も、この人を愛し、この人を敬い、 この人を慰め、この人を助け・・・」
《GMヒイラギ》「その命の限り、 かたく節操を守ることを誓いますか?」
†悠†「・・・はい、誓います」
  厳かに誓いの言葉を交わし、
  続いて結婚指輪の交換を行った。
  どちらも【細工師】のスキルを持つ
  トワが作ったもので、
  ゲームを有利に導く能力値的な効果は
  ないけど、
  これを使用することで瞬時に相手の許へと【テレポート】できるという
  便利なアイテムだ。
  同じエリアであればダンジョン内でも
  使用できるから、
  飛躍的に攻略が楽になる。
  オレ、【魔導士】だから
  結構打たれ弱いんだけど、

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:第3話「オフ会開催が急遽決まりまして」

コメント

  • 女キャラだからといって、中の人が男同士で結婚することになった悠くんの心中たるやw
    しかも、トアさんからの意味ありげな言葉もww
    舞台がハ●ルガ祭りと想像したら、一層笑いがこみ上げてきますね

成分キーワード

ページTOPへ