華学戦隊サイエンジャー

叶野遥

第十一話:アイム・ホーム(後編)(脚本)

華学戦隊サイエンジャー

叶野遥

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〇大樹の下
  数年前
  華、幼少期
幼少期のハナ「おっきな木! ハナよりどれくらいおおきいかなぁ?」
幼少期のハナ「ふふ、気持ちいいなぁ」
幼少期のハナ「わー!木の実が生ってる! おいしーい!」

〇大樹の下
  数年前
  華、学生時代
櫻井華(ハナ)「こんにちは、楠木長老 今日もお話聞いてもらえる?」
櫻井華(ハナ)「今日もね、クラスの子に言われちゃった 頭堅すぎてつまんないって」
櫻井華(ハナ)「いい子ぶっちゃってムカつくって・・・」
櫻井華(ハナ)「ねぇ、いい子にするのって 良くないことなの? 私が間違ってるの?」
櫻井華(ハナ)「いつもひとりぼっち さみしいよ、長老・・・」
  きのみが
  おちてきた!
櫻井華(ハナ)「これ・・・ 長老慰めてくれてるの?」
櫻井華(ハナ)「ありがとう」

〇古い畳部屋
華の母「何もない田舎でびっくりしたでしょう」
赤根武瑠(タケル)「いいえ、俺も実家は結構な田舎なんで ちょっと懐かしくなっちゃいました ウチは海の方なんですけど」
華の父「海の方というと、夏はよく海水浴でもしていたのかな 我が家はあまり連れて行ってあげられなくてね」
赤根武瑠(タケル)「地元の人間なら 小学生でも魚獲れるくらい 泳ぎは得意ですよ」
赤根武瑠(タケル)「ぜひいつか 皆さんで遊びに来てください」
華の母「あらぁ嬉しいわねぇウフフ」
櫻井華(ハナ)「・・・・・・」
櫻井華(ハナ)「随分上手に話すじゃない?」
赤根武瑠(タケル)「これでも就活面接こなしまくってんです 愛想のまき方くらいはそれなりに」
赤根武瑠(タケル)「ハナさんも学んでおいた方がいいですよ、今後のためにも」
櫻井華(ハナ)「・・・・・・」
赤根武瑠(タケル)「!! (いっ・・・!)」
櫻井華(ハナ)「なんかムカつく」
華の母「あら?どうかした?」
赤根武瑠(タケル)「い、いいえなんでもぉ」
赤根武瑠(タケル)「ところでここに来る途中、 すごい大木が見えたんですけど」
華の母「ああ、楠木長老ね 立派でしょう」
華の母「この街のシンボルみたいなものなのよ ちょっと枯れて来ちゃってるんだけど」
櫻井華(ハナ)「えっ」
華の父「まぁ長老も何百年と立っているからな そろそろ寿命なのかもしれんが・・・」
華の母「でもちょっと不思議よね 先週までは青々としていた部分が 急にしおれちゃってたりするんだもの」
赤根武瑠(タケル)「急に枯れ始めたんですか」
華の母「そうよ 寿命が来て枯れるにしても こんな急に進むかしらって、 ご近所さんでも話していたの」
赤根武瑠(タケル)「ハナさん」
櫻井華(ハナ)「あり得るわね」
華の母「あらっもうお茶はいいの?」
華の父「どうやら休みはおしまいらしいな」

〇大樹の下
赤根武瑠(タケル)「うわぁ本当に大きい木だな・・・壮観」
  ハナは
  あたりをみまわしている
赤根武瑠(タケル)「全体的に枯れているわけじゃないですね」
櫻井華(ハナ)「そうね」
赤根武瑠(タケル)「レジーナたちだったら、 一気にエネルギーを 吸収してしまうんじゃないですか」
櫻井華(ハナ)「・・・そうね、でもほら見て ここから先だけ急に芝生がしおれてる まるで線を引いたみたいに」
赤根武瑠(タケル)「ホントだ」
赤根武瑠(タケル)「長老もこっち側だけ枯れてます」
櫻井華(ハナ)「明らかに不自然ね」
  タケルとハナは
  たいぼくのまわりを
  みてまわった

〇大樹の下
「!!」
櫻井華(ハナ)「タケル!」
赤根武瑠(タケル)「あっ地面が・・・!」
  じめんから
  エネルギーが
  ゆっくりと
  すわれていく・・・!
櫻井華(ハナ)「長老・・・!」
  たいぼくも
  ゆっくりとかれていく・・・
赤根武瑠(タケル)「し、所長!大変です エネルギーが吸われてます!」
葉隠拓郎「なに? でもツリーにはなんの変化もないぞ」
赤根武瑠(タケル)「そんな!でも確かに・・・」
櫻井華(ハナ)「ダメ、長老・・・元気出して!」
  たいぼくが
  かれていく・・・
  ハナは
  たいぼくに
  さわった!
櫻井華(ハナ)「うぅっ」
赤根武瑠(タケル)「ハナさんダメです! ハナさんのエネルギーも 吸われちゃいます! 落ち着いて!」
櫻井華(ハナ)「ご、ごめんなさい」
赤根武瑠(タケル)「とにかく変身しましょう ツリーに反応は無くても きっと敵は近くにいるはずです」
櫻井華(ハナ)「そうね」
  タケルとハナは
  へんしんした!
赤根武瑠(タケル)「敵はどこだ・・・?」

〇大樹の下
ヤン「なんだか騒々しいと思って来てみれば お前たちか」
赤根武瑠(タケル)「ヤン!」
ヤン「随分鼻の良いことだ これだけ広範囲・少量ならば 反応できまいと思っていたのだが」
櫻井華(ハナ)「長老を苦しめているのは やはりグラウードなのね」
ヤン「長老?」
ヤン「あぁ、このデカブツのことか」
ヤン「なに気にするな ちょっとエネルギーを ちょうだいしているだけだ」
ヤン「数日 間を置けばまた復活するだろう」
櫻井華(ハナ)「一度枯れてしまったものは戻らないわよ!」
ヤン「おお怖い怖い せっかくの美人が台無しだぞ、ピンク」
赤根武瑠(タケル)「いきましょう、ピンク コンビネーションで」
櫻井華(ハナ)「ええ」
ヤン「おっと、今日は戦うつもりはないぞ わたしはもう失礼する」
赤根武瑠(タケル)「なんだって?」
ヤン「元々来る予定じゃなかったが 急に人間のエネルギーが吸収されたから 様子を見に来ただけだ」
ヤン「戦う気は無い」
櫻井華(ハナ)「あなたには無くても私にはあるわ 今すぐエネルギーを奪うのをやめなさい!」
ヤン「もうやめている」
赤根武瑠(タケル)「え!?」
  しゅういは
  もとのおちつきを
  とりもどしている
ヤン「今は以前ほど 一か所で大量に収集することをしていないのでな 今日のところはこれで十分だ」
赤根武瑠(タケル)「なんだって」
ヤン「そろそろこちらの準備が整いそうでな」
ヤン「近いうちに、お前たちには挨拶に伺おう 楽しみに待っているがいい」
赤根武瑠(タケル)「準備って、なんのことだ」
ヤン「いずれわかる それでは」
赤根武瑠(タケル)「待て!」
赤根武瑠(タケル)「・・・行っちゃった」
「・・・・・・・・・」

〇平屋の一戸建て
華の母「もう帰るの? 泊っていくのかと思っていたのに」
櫻井華(ハナ)「そのつもりだったんだけど 敵が動いてるから」
華の父「やはり真の平和になるまで 正義の味方に安息はないか」
櫻井華(ハナ)「ごめんね お父さん、お母さん」
華の母「いいのよ お仕事頑張って」
華の父「拓郎のいうことよく聞くんだぞ」
櫻井華(ハナ)「わかってる それじゃ」
赤根武瑠(タケル)「お邪魔しました」
華の母「あっちょっと待って 赤根さん」
赤根武瑠(タケル)「はい?」
華の母「華のこと、お願いしますね」
華の母「あの子ツンツンして 感じ悪いかもしれないけど 本当は優しい子だから」
華の母「ちょっと融通利かないだけで」
赤根武瑠(タケル)「はい、知ってます」
華の母「その笑顔・・・安心ね」
櫻井華(ハナ)「行くわよ」
赤根武瑠(タケル)「あ、はい!」
赤根武瑠(タケル)「それじゃ・・・失礼します」
華の母「気を付けてね」
華の母「次はご挨拶に来てくれるかしら」
華の父「ん?何のご挨拶だ」
華の母「いいえ、こちらの話です」

〇走る列車
葉隠拓郎「別に無理して帰ってこなくてもいいのに」
櫻井華(ハナ)「何が起きるかわからないんだから 皆と一緒にいた方がいいでしょ」
葉隠拓郎「でも君は一週間の休暇中で」
櫻井華(ハナ)「そんなに私がいるの邪魔?」
葉隠拓郎「いやいやそういう意味では・・・」
赤根武瑠(タケル)「・・・・・・」

〇走る列車
「雄馬駅ー、雄馬駅ー」
赤根武瑠(タケル)「ハナさん、行きましょ!」
櫻井華(ハナ)「え!?」
  タケルは
  ハナのてをひいて
  でんしゃからおりた!

〇田舎町の駅舎
櫻井華(ハナ)「な。なんで降りたのよ? 東京まで帰らなくちゃいけないのに!」
赤根武瑠(タケル)「所長も休んできていいって 言ってるんですから 一日くらい休みましょうよ」
櫻井華(ハナ)「何言ってるの だってグラウードが」
赤根武瑠(タケル)「何かあれば所長が呼び出してくれます」
赤根武瑠(タケル)「逆に、呼び出されない限りは平和なんですから」
櫻井華(ハナ)「でも」
赤根武瑠(タケル)「いいから!」
赤根武瑠(タケル)「ほら、ここ温泉街みたいですよ!」
赤根武瑠(タケル)「実家からは帰ってきちゃいましたけど せめてここで温泉入って 疲れをいやしてから帰りましょ!」
赤根武瑠(タケル)「ハナさんは一人で思いつめすぎですって」
櫻井華(ハナ)「・・・タケル」
赤根武瑠(タケル)「ほらほら宿探しに行きましょう!」
赤根武瑠(タケル)「あっあんなところに屋台ある!」
赤根武瑠(タケル)「おじさーん、みたらし一本ー!」
櫻井華(ハナ)「あっ」
櫻井華(ハナ)「・・・もう」
赤根武瑠(タケル)「んっ!うまーい!」
赤根武瑠(タケル)「ハナさん、うまいですよコレ! オススメ!」
櫻井華(ハナ)「やだ、タケルってば顔ベタベタよ」
赤根武瑠(タケル)「えへへ」
櫻井華(ハナ)「おじさん私も一つ」
おじさん「へい」
櫻井華(ハナ)「ホント、美味しいわね」
赤根武瑠(タケル)「でしょ!」

〇露天風呂
  結局
  俺達は宿で温泉と料理を堪能して帰った
  たった一日だけど
  すごく楽しくて充実した時間だった
  だけど俺達は知らなかった
  この時
  強大な敵が目覚めようとしていることを

〇怪しげな祭祀場
カイゼル「・・・・・・・・・」

次のエピソード:第十二話:デモンズ・ステップ(前編)

コメント

  • 楠木長老とハナの大切な思い出、そしてお団子食べて温泉堪能!ヤンが登場するも戦わず、ほのぼのしちゃいました。
    ですが、ついに目覚めてしまうのですね😱
    グラウードの真の目的、カイゼルの強さ、未知数なのでこれからどうなってしまうのか続きが楽しみです👍

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