ファンタスティック女子高校生

ウゴ鈴木

エピソード8 VSベジドラゴン(優子とタマちゃん編①)【一部ボイス有】(脚本)

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〇秘密のアジト
  前回までの
  ファンタスティック──
  綾を生き返らせるため、
  彼女らはついに魔界へと出発
  出発!
綾(あや)「あれ〜・・・?」
  ひとり取り残された綾の元に、
  天使が参上
天使「お迎えに参りました 天国へは1分で着きます」
綾(あや)「い・・・1分!?」
  復活に残されたタイムリミットは、
  わずか1分!?

〇谷
  一方、優子とタマちゃんは魔界で、
  ベジドラゴンと戦うことに!?
優子(ゆうこ)「わたし達だけで倒せるのかなぁ?」
  絶望的状況の中、
  ふたりは綾を復活できるのか?
  舞台は魔界へと移り変わる──

〇霧の立ち込める森
  ベジドラゴンと対峙する
  数時間前──
優子(ゆうこ)「オーッ、一瞬で別世界だ! テレポートに成功したようだね」
珠美(たまみ)「ここが魔界・・・」
優子(ゆうこ)「周囲に建物は見当たらないね カルカンはどこにいるんだろ?」
「お困りのようじゃの、お嬢さん方・・・」
珠美(たまみ)「なんだこの汚いジジイは・・・」
優子(ゆうこ)「コラッ、言い方・・・」
優子(ゆうこ)「はい、道をお尋ねしたいんですが、 悪魔カルカンが住む場所をご存じですか?」
おじいさん「はて・・・すまんのうワシには分からぬ」
おじいさん「代わりにそこに鎮座している地蔵に、 尋ねてみるとよいぞ」

〇山道
「これじゃ」
おじいさん「“ボイス地蔵”と言ってな、 どんな質問にも受け答えしてくれるのじゃ」
優子(ゆうこ)「へぇ〜、地蔵・・・」
優子(ゆうこ)「地蔵かこれ?」
「地蔵だよ・・・       地蔵じゃ」
優子(ゆうこ)「これが地蔵に見えるって、」
優子(ゆうこ)「ふたり、完全にタップノベルの某作品に、 毒されてんじゃん・・・」
珠美(たまみ)「まぁまぁ、物は試しで尋ねてみよう・・・」
珠美(たまみ)「ボイス地蔵様・・・ 悪魔カルカンの居場所を教えて・・・」

〇山道
ボイス地蔵「南無阿弥陀仏・・・ ※Voiced by わらやま」
優子(ゆうこ)「オーッ、声を発したよ!」
優子(ゆうこ)「・・・ん? あの、カルカンの居場所を・・・」
ボイス地蔵「ナァムゥアミ゙ダブツゥ!」
「・・・・・・」
珠美(たまみ)「セイッ・・・!」

〇空
おじいさん「丸太を投げるな! このバチ当たりが━━━━━ッ!!」
ボイス地蔵「ナムアミダブチュ・・・」

〇山道
珠美(たまみ)「使えねぇ・・・ 『特異地蔵譚』の世界へ帰れ・・・!」
優子(ゆうこ)「何も丸太を投げなくても・・・」
珠美(たまみ)「初めからこれに頼るべきだった・・・」
珠美(たまみ)「OK!グーググー・・・ 悪魔カルカンの所まで案内して・・・」
  経路の案内を開始します
  東方向へ進む
  到着までおよそ4時間です
優子(ゆうこ)「魔界の地図も把握してるの!? グーググー、すごッ!」
優子(ゆうこ)「でも4時間かぁ・・・ ずいぶんと場所がズレちゃったね」
珠美(たまみ)「マジックウォッチ安物だからね・・・ とりあえず進もう・・・」
優子(ゆうこ)「待って・・・ なんでスマホの電波が、 魔界に届いてるの・・・?」
珠美(たまみ)「・・・・・・」
珠美(たまみ)「さあ・・・? どうでもいい、行こ・・・」
優子(ゆうこ)「もう、作者含めて全員、 いい加減なんだからぁ・・・」

〇村に続くトンネル

〇児童養護施設
優子(ゆうこ)「森を抜けたら村があった!」
珠美(たまみ)「第一村人発見・・・!」
村人「おや、あんたら旅の者かい? ずいぶんとハイカラな服装だこと」
珠美(たまみ)「見て分かんないかな・・・」
珠美(たまみ)「女子高生だよ・・・!」
村人「ジョシコー・・・ 聞いたことねーな」
優子(ゆうこ)「あ、気にしないでください」
優子(ゆうこ)(てか、タマちゃんは見た目、小学生だよ)
優子(ゆうこ)「悪魔カルカンの所へ行きたいんですけど、 この先の道であってますか?」
村人「ああ、この道をまっすぐだ」
村人「・・・って言いたいところだが、 今は通れないんだ」

〇谷
  この先に進むと深い谷底の道を、
  通ることになるんだが、
  “ベジドラゴン”ってのが居座っていて、
  道を塞いじまってる
珠美(たまみ)「じゃまなドラゴン・・・」
村人「ああ、俺達も困っているんだ 東の人達と交流ができずにいるからな」

〇児童養護施設
優子(ゆうこ)「邪魔しないように脇をこっそりと、 通ることもできないんですか?」
村人「普段は温厚なやつだからその方法でも、 通れるだろうが今は時期が悪い・・・」
村人「“繁殖期”なんだ」
村人「まさかあんな場所に巣を作るとはな・・・ 産んだ卵を守るために気が立っていて、」
村人「縄張りに近づこうものなら、 容赦なく攻撃してくる」
村人「その上、強固なウロコで守られていて、 こちらからの攻撃も通らない」
優子(ゆうこ)「そうなんですか・・・ ちなみに別ルートはないんですか?」
村人「山の中を通るルートもあるが、 モンスターがはびこっているうえに、」
村人「ぐるっと遠回りで歩いて三日はかかるぞ」
優子(ゆうこ)「三日かー・・・ 今日は土曜日でしょ 日、月、火・・・」
優子(ゆうこ)「学校があるからそんなに時間を、 かけられないよね・・・ どうする?」
珠美(たまみ)「正面突破かな・・・ となると、強力な武器が必要だね・・・」

〇骸骨
珠美(たまみ)「パパに電話して核ミサイルを、 ぶち込んでもらおう・・・」
優子(ゆうこ)「そんなことしたら人間界と魔界との、 全面戦争が勃発しちゃうよ!」
優子(ゆうこ)「ってかタマちゃんのパパは何者!?」
村人「ちなみにだが、 この村に大した武器はないぞ」
村人「短剣や弓、 あとはせいぜい農耕具といったところだ」
優子(ゆうこ)「農耕・・・ そう言われれば・・・」

〇草原
優子(ゆうこ)「周りは作物でいっぱいだ 日が出てない割に結構、育ってる」
村人「それは肥料のおかげだ」
村人「安価でかつ高品質な肥料の製造方法が、 数年前に中央都市で発明されてな、」
村人「我々の村にも出回るようになり、 それからグングン育つようになったんだ」
珠美(たまみ)「肥料・・・か・・・」
珠美(たまみ)「打倒ベジドラゴン・・・ なんとかなるかも、モグモグ・・・」
優子(ゆうこ)「ホントに? おにぎり食べながら、 言われても説得力ないよ・・・」

〇雲の上

〇噴水広場
綾(あや)「あわわ、ついに天国へと来てしまった・・・」
天使(クソッ、暴れるせいで到着までに、 1時間もかかったじゃねーか・・・)
天使「手続きがあるので付いてきてください」
綾(あや)「はい・・・」
天使「付 い て こ い、つったよなアッ!!」
天使「それ以上逆らうと次、腕へし折るぞ!」
綾(あや)「やっぱオマエ、悪魔だろ━━━ッ!?」

〇研究施設の玄関前
天使「受入手続きをお願いします 彼女のマイナンバーは・・・──」
受付係「OKです 本人であることの確認が取れました」
受付係「それでは綾様、中へお入りください」
綾(あや)「お・・・おじゃましま〜す・・・」

〇殺風景な部屋
綾(あや)「何ここ〜? 無機質で何もない部屋だなあ・・・」

〇殺風景な部屋
綾(あや)「ウワアッ!? ガ・・・ガスがッ・・・」
綾(あや)「部屋中に・・・充満・・・・・・」

〇黒背景
  ウッ・・・

〇手術室
綾(あや)「こ・・・ここは・・・!?」
「お目覚めかな、お嬢さん・・・」
ドクター「ここは手術室じゃよ」
綾(あや)「手術室だって!? なぜこんな所に・・・」
綾(あや)「アッ、ベッドに鎖で繋がれて動けない!」
ドクター「さて、順を追って説明するかのう・・・」
ドクター「この施設は・・・」
綾(あや)「クソー、解放しろー!」
ドクター「それは出来ん とある施しをお嬢さんに、 終えるまではな・・・ この施設は・・・」
綾(あや)「誰だオマエはー!」
ドクター「ワシはこの施設のドクターじゃ その施設というのは・・・」
綾(あや)「どこだここはー!」
ドクター「ここは“魂再処理施設”じゃ 魂の再処理とはつまり・・・」
綾(あや)「早く教えろー!」
ドクター「聞け! “魂再処理施設”と言っとるじゃろが!」
ドクター「これに似た流れのコント、 テレビのお笑い番組で見たことあるぞ・・・」
綾(あや)「天国にもテレビあるんだ・・・」
綾(あや)「今お昼だから『いいとも!』観たい」
ドクター「観れるか! とっくの昔に終わったわい!」
ドクター「なんなら後番組も今春、 打ち切りになったじゃろが!」
綾(あや)「んで、説明の続きは?」
ドクター「その舌、引っこ抜いたろか・・・」

〇水の中
ドクター「“魂の再処理”とは言い換えると、 “新しき命へと生まれ変わる”ことじゃ」
綾(あや)「はぁ、輪廻転生ってやつか」
ドクター「じゃが、それを行うためには、 お嬢さんの今の姿を変える必要がある・・・」
ドクター「次に生まれ変わる先の、赤ん坊の姿にな」

〇手術室
ドクター「説明のためにいったん赤ん坊の姿を、 想像してみるのじゃ」
綾(あや)「はい、赤ん坊・・・」
ドクター「なんでゴリラなんじゃよ!」
ドクター「ハ!? キサマの両親はゴリラか!? それなら納得なんじゃが!」
綾(あや)「人間に決まってるでしょ、失礼な! まぁ毛深くはありますが」
ドクター「じゃったら人 間 のッ、 赤 ん 坊 をッ、想像しろ!!」

〇レトロ
ドクター「まずは“髪の毛” 赤ん坊の髪は薄い じゃから散髪する ついでに体毛も剃る」
綾(あや)「まぁ、それ位ならいっか・・・」
ドクター「次に“歯” 生まれたときはまだ1本も、 生えていない その姿に似せるために・・・」
ドクター「残らず抜歯する」
綾(あや)「ギエエッ!? 想像しただけで痛い!」
ドクター「そして、何より問題なのが“身長と体格”」
ドクター「骨を削り肉をそぐ」
綾(あや)「あわわわわ・・・」
ドクター「安心するがよい・・・」
ドクター「キモチイイから ハア、ハア」
綾(あや)「キモチイイのはオマエがだろ! 満面の笑みを浮かべるなサイコ野郎がー!」

〇血しぶき
ドクター「それじゃあ早速・・・」
ドクター「始めるよ〜♪」
綾(あや)「や・・・やめて、誰か助けて・・・」

〇研究施設の玄関前
受付係「うん、今日もいい悲鳴が響いてる」

次のエピソード:エピソード9 VSベジドラゴン(優子とタマちゃん編②)

コメント

  • イッキ読みで追いつきました!読んでて声出して笑いました😂😂
    ねっとり『南無阿弥陀仏』もめちゃめちゃ面白かった+たまちゃん良い🪵の使い方してますねェ!!流石マルチウェポナー!!

  • 大好きな作品同士のコラボでしたので、一気読みさせていただきました👍
    まさかのボイスはそのまま使えるのですね😲
    まだボイス使用した事がないので、ありがたい情報です!

    そして、天国なのか地獄なのか、綾ちゃんが不憫で仕方がありませぬ😭
    ただし、リョナ歓喜の展開ですね!!!!!
    次回も楽しみにしております!

  • なんでアレを今まで地蔵だと認識してたのか…😂

    綾は今さら骨削られても大した問題はない気が…それより酷い目にあっても不死身だし…(すでに死んでるか)😂

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