初恋は事故(脚本)
〇荒野
サリフ「はぁ・・・ 王都から離れると本当に何もないな」
サリフ「隣街までの間に、1箇所でも水源を確保できれば今より物流がよくなるんだが、オアシスなんてそう簡単に見つからないか」
キバ「バウッ」
サリフ「ん?心配すんな、もちろん諦めてないさ。 今回の水源情報は大昔の伝説物だが、本当に見つけられたらアイツの大きな助けになる」
サリフ「アイツの治世を助けるためならどんな苦労も・・・っお?何だ今の岩陰に隠れたな」
キバ「・・・(岩の隙間に手を入れる)」
サリフ「あっ、おっと!(岩陰から足元に小さな生物が現れた) ははっ、トカゲじゃねーか。お前らはこの荒れ地で逞しいな」
サリフ「それにしても、珍しい色をしてるな(ひょいと持ち上げる) 空・・・いや、透き通る水みたいな青だ。 綺麗だな」
「!!!?」
〇霧の立ち込める森
サリフ「っなんだ!? 霧・・・いや、それよりなんでいきなり木が・・・」
キバ「ウゥウウ!!」
サリフ「キバ、落ち着けっ。 とりあえず周りを警戒して森の外に・・・」
サリフ「いや、待てよこれって、伝説通りの事が起きているんじゃないか?」
サリフ「確か本の最後は『蒼い砂漠の宝石を敬いたまえ。さすれば白き森に導かれ、宝石に守られしオアシスを目にするであろう』」
サリフ「おいおいおい、さっきのトカゲが”蒼い砂漠の宝石”ってことならここは”白き森”だ。 キバっ、水の匂いはしないか?」
キバ「クンクンクン・・・!!」
キバ「バワァウ!!」
サリフ「ぃよし!!あっちだな!! 視界が悪い、慎重に行こう」
〇湖畔
サリフ「っ!!眩し・・・」
〇湖畔
サリフ「やったぞキバ!!オアシスだ!! 本当にあったぞ!!」
サリフ「それにしても、なんて綺麗なところなんだ・・・ 心が洗われるようだ」
サリフ「早くアイツにこの場所を伝えなくちゃな!! っと、その前に少し水を分けて貰おう。キバも水を飲んでおけ(手で水をすくう)」
キバ「バゥ!!」
「お主、待たれよ」
サリフ「はっ!? なんだ、今の声は」
パラゴン「我はこの湖のヌシ、パラゴン お主はどれだけ我を愚弄するのか」
サリフ「ヌシ? す、すまない!!許可なくあなたの領域から水をすくってしまい。 ただ、喉が乾いてしまい、あなたを愚弄するつもりでは」
パラゴン「喉が乾いた・・・それだけで・・・」
サリフ「本当にすまない!! あなたの領域とわきまえていなかったこちらが悪かった。 どうか償いのチャンスを・・・」
キバ「バワァウアウ!!」
サリフ「よせ、キバ!! ヌシよ、こちらに戦意はなっ・・・」
パラゴン「毛むくじゃらはだまらっしゃい!!!!」
サリフ「け、毛むくじゃら・・・?」
パラゴン「あーもう本当になんなのお主!」
パラディシア「鈍感男子ってやーつ!?」
〇湖畔
サリフ「えー、あー・・・キバ、何が起きてる?」
キバ「クーン・・・」
パラディシア「ちょっと!次は放置プレイ!? 我はお主があんなことやそんなことしたから女体になったのに!!」
〇湖畔
サリフ「君は綺麗だな」
パラディシア「って言いながら我を抱き上げたり!! (※トカゲ抱き上げただけ)」
サリフ「美しい。心洗われる・・・女神」
パラディシア「って、我に愛を囁いたじゃない!! (※水が綺麗だっただけ)」
パラディシア「しまいには水をすくって、く、口付けしようなんて・・・ (※水を飲もうと・・・以下略)」
パラディシア「その責任をとりなさいよー!! 好き!!!!!!」
動物とバディ、しかもラブコメ!新鮮なジャンルで今後の展開に期待しております🌟