4話 悪意の正体(脚本)
〇ホテルの部屋
夢咲 すみれ「ありがとう!寝室まで使わせてもらって」
速水 千明「大丈夫!気にしないで!」
速水 千明「ヒロくんはリビングのソファーで寝るから、二人で寝室使っていいって」
速水 千明「気にせずに今日はゆっくり休んで」
夢咲 すみれ「彼、優しい人ね・・・」
夢咲 すみれ「それなのに、避妊ちゃんとしてくなかったなんて信じられないわ・・・」
速水 千明「ぶっ!」
私はすみれの言葉に思わず吹き出した
夢咲 すみれ「できちゃったってことはそうなんでしょ? 無責任じゃない?」
速水 千明「ちゃんと・・・避妊はしていたよ」
速水 千明(一度、家でお酒を飲んだ時にお互い酔って、そのまましてしまったなんて・・・)
速水 千明(流石にすみれには言えない・・・)
速水 千明「役者の仕事もあったから、産むか産まないかヒロくんも話し合いもしてくれたし」
速水 千明「それにいつかは子どもほしいなと思っていたし・・・あとは潮時かなって」
速水 千明「だからヒロくんが無責任なんてことないよ!」
夢咲 すみれ「わかったわ・・・」
夢咲 すみれ「千明が納得してるならこれ以上言わないわ」
夢咲 すみれ「それに、千明の惚気話長くなりそうだし」
速水 千明「惚気じゃないって!」
夢咲 すみれ「わかったってば!」
夢咲 すみれ「寝不足はお肌に悪いから早めに寝るわね」
速水 千明「わかった。おやすみ」
〇ホテルの部屋
速水 千明「え、なに!?」
女性の悲鳴にベッドから飛び起きた
速水 千明「あれ、すみれ?」
速水 千明(すみれの姿がない・・・!)
速水 千明(さっきの悲鳴はもしかして、すみれの声?)
すみれを探しに私は寝室を出た
〇綺麗なダイニング
リビングを覗くと、目の前の光景に目を疑った
夢咲 すみれ「千明・・・」
速水 千明「え、なに?どうしたの?」
速水 千明(なんで、すみれは下着姿なの?)
夢咲 すみれ「助けて・・・!ひどいの!」
速水 千明「え、なにがあったの?」
すみれは私に抱きついてきた
すみれの体は震えていた
夢咲 すみれ「さっきトイレに行こうとしたら、リビングで優斗さんにあって・・・」
夢咲 すみれ「話をしていたら、無理矢理私の服を脱がしてきたの!やめてって言ったのに!」
夢咲 すみれ「そんな人だと思わなかった!」
田淵 優斗「違うよ!」
田淵 優斗「リビングにやってきたすみれさんが突然服を脱ぎ出して」
田淵 優斗「すみれさん、どうしてそんな嘘を?」
田淵 優斗「アキちゃん、信じて・・・」
速水 千明「・・・」
速水 千明「すみれ、大丈夫だった?」
夢咲 すみれ「うん・・・」
速水 千明「とりあえず服を着よう。そんな格好していたら体を冷やすから」
速水 千明「ヒロくんと話するから、すみれは先に寝室に戻っていてくれる?」
夢咲 すみれ「わかったわ・・・」
田淵 優斗「アキちゃん・・・」
田淵 優斗「信じてもらえないかもしれないけど、本当なんだ」
速水 千明「大丈夫・・・わかっているから」
〇ホテルのレストラン
数日後、高級ホテル──
夢咲 すみれ「ここのホテルの料理はやっぱり美味しいわね」
速水 千明「そうだね!」
お祝いのお返しに私はすみれをディナーに誘った
夢咲 すみれ「フルコースご馳走してもらえるなんて、なんだか申し訳ないわ」
速水 千明「泊まりの時にいろいろあったしね・・・」
夢咲 すみれ「ねぇ、千明・・・」
速水 千明「なに?」
夢咲 すみれ「優斗さん、やめておいたほうがいいんじゃないからしら?」
速水 千明「えっ?」
夢咲 すみれ「私にあんなことをしてくる男性よ」
夢咲 すみれ「千明が結婚してもきっと幸せにならないわ」
速水 千明「・・・」
速水 千明「すみれ、珠莉の話をした時のこと覚えている?」
夢咲 すみれ「なんで、いまその話を?」
速水 千明「すみれに珠莉の呟きみせたときに、性悪女って言ったよね?」
夢咲 すみれ「ええ・・・」
速水 千明「なんで女性だとわかったの?」
夢咲 すみれ「呟きの口調は女性のような言葉つがいだったわ。そんなの誰だってわかるでしょ?」
速水 千明「そうだね、樹莉亜・・・」
夢咲 すみれ「わたしの名前おぼえてたの?」
速水 千明「学生の頃から付き合いだよ。すみれの本名を忘れるわけないよ」
速水 千明「それにジュリエットが決まった時に、喜んでいたよね?」
速水 千明「わたしの名前と似ているジュリエット演じられて嬉しいって・・・」
速水 千明「すみれが珠莉なんでしょ?」
速水 千明「どうして珠莉の名前で私の悪口を? そんなに私のことが憎いの?」
速水 千明「私が滅多にSNS見ないからバレないと思った?それなのに、私にわかりやすい名前を使うなんて・・・」
速水 千明「気づいてほしいのか、気づいてほしくないのか・・・」
速水 千明「それに、ヒロくんまで陥れることをして・・・」
速水 千明「すみれとは親友だと思っていたのに・・・」
速水 千明「こんなことするなんて・・・」
夢咲 すみれ「親友ね・・・」
夢咲 すみれ「私はそう思ってなかったわ・・・」
速水 千明「えっ?」
ショックだった。すみれと私は親友だと思っていたからだ
速水 千明「本当はわたしのことが嫌いだったの?」
速水 千明「こんなことする理由を教えてよ!」
夢咲 すみれ「・・・」