エピソード13(脚本)
〇広い和室
竹ひごと和紙を使って、人々が灯篭作りをしている。
桃井太郎「リリーさん、あの、本当にすみませんでした」
奥谷百合「・・・はあ」
奥谷百合「それより、あんまり覚えてないんだけど、昨日の事。 あの後なんかあった?」
桃井太郎「何も、何もないですよ」
奥谷百合「そう、ならいいけど」
パシャッ
マリアが携帯で灯篭の写真を撮っている。
マリア「私もネットにアップするよー、拡散してねー」
桃井太郎「マリアさん、ありがとうございます」
奥谷百合「私も。今日呟いてなかった」
写真を撮る百合。
〇小さい滝
山道から滝まで、さらに洞窟まで、人々が灯篭を順番に並べている。
桃井太郎「リリーさん、残ってくれて本当にありがとうございます」
奥谷百合「あなたのためじゃない。 もちろんルミト君のためでも」
奥谷百合「フォロワーの中にはもう既に、行きますって言ってくれてる子達もいるの」
桃井太郎「すみません」
奥谷百合「すみませんじゃない!」
奥谷百合「謝るんじゃなくて、祭りを成功させる事だけを考えて」
桃井太郎「そうですね。 僕も人を呼ばなければ、村を活気づかせなくては」
マリア「タロちゃーん、爺ちゃんたちが呼んでるよー」
桃井太郎「はーい」
〇洞窟の入口(看板無し)
〇岩の洞窟
お爺さんたちが、木彫りの『龍神様』を運んでいる。
祠前に『龍神様』を置くと、手を合わせてからお爺さんたちは去っていく。
奥谷百合「さてと、ここからは私の出番」
百合は袋から藁と毛糸の塊を取り出し、祠の後ろに置く。
奥谷百合「後は・・・」
さらに袋を漁る百合。
桃井太郎「色々持ってきてたんですね」
奥谷百合「コンセプトはイエティの隠れ家。 村長の隠れ家そのまんまだけどね」
桃井太郎「イエティの着ぐるみを寝袋代わりにしてましたもんね」
奥谷百合「着ぐるみは使うから、この藁と毛糸で抜け殻? 抜け毛? っぽく。 見えるかな?」
桃井太郎「見えます見えます」
奥谷百合「残りは適当に並べてっと。 今日は村長にちゃんと家に帰るように念を押してよ」
桃井太郎「食べられちゃいますもんね」
〇山中の滝
村の青年団が、木や石を運ぶ。
田中は彼らに運ぶ先を指示している。
〇山中の坂道
山道には沢山の灯篭が並べられている。
〇田舎駅の駐車場
山道への入り口から、バス乗り場まで人々が灯篭を並べている。
桃井太郎「これで最後・・・あっ、すみません、これはリリーさん並べてください」
奥谷百合「いや、ここはタロちゃんが」
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