愛しさのカタチ

兎乃井メライ

DAY6: 先生の元カノ(脚本)

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〇おしゃれなレストラン
キリエ「偶然ね! はるかも来てたんだ、一人??」
三澤梨々花(わっ、キレイな人~ モデルさんみたいにスタイルいい! 先生の・・・知り合い?)
落合はるか「・・・いや、担当とメシ食いに」
落合はるか「そっちこそ、なんでいるんだよ」
キリエ「A大とB大の友達に誘われて 飲みに来たとこ~」
キリエ「担当って小説の? へえ、まだ書いてたんだぁ あ、大丈夫よ。はるかが小説家だってことは誰にも言ってないから」
キリエ「あたし、全っ然興味ないしィ」
三澤梨々花「あの、先生といる人って・・・」
緑川「ああ、キリエさんですね 先生と同じ大学の生徒さんです」
三澤梨々花「キ、キレイな人ですね・・・」
三澤梨々花(わっ、なんか腕とか組んでる!! せ、積極的な人なんだな・・・)
紅「まあ確かに美人よね たしか大学のミスコン優勝者だし」
紅「あれ、ユウの元カノよ」
三澤梨々花「えっ!!」
紅「他人に滅多に興味を示さないユウと 一番長く続いた子よね 今は別れて、ユウの友達と付き合ってるみたいだけど」
キリエ「ねえ、これから一緒に抜けない?」
落合はるか「抜けないって・・・ お前今来たばっかりなんだろ」
キリエ「そぉなんだけどー イマイチ話が合わなくてさ~ つまんないの」
キリエ「別のところで二人で飲もうよ ねえ、そうしよ♪」
落合はるか「あのな・・・ さっき言っただろ、ツレがいるんだよ こっちも今来たばっかりで──」
キリエ「なんでダメなの? 打ち合わせか何か知らないけど、そんなの後でだってできるでしょ?」
キリエ「キモいヤツがいるのよ! あたしに気があるみたいでチラチラ見るし だからカレシのふりして連れ出してよ お願い!」
落合はるか「はあ? だったら扇谷(おうや)を呼べよ 今あいつとつきあってんだろ 来るまでなら一緒に──」
キリエ「い・や! 今は扇谷くんじゃなくてはるかがいいの!」
キリエ「なんでお願い聞いてくれないの? ほんとに困ってるのにーー もういい! はるかのバカ!!!」
落合はるか「おい、キリエ! ・・・・・・ったく」
三澤梨々花(今度は突き飛ばして行っちゃった・・・ は、激しい人だなぁ💦)
落合はるか「・・・悪い、ちょっと抜けるわ」
緑川「キリエさん、追いかけるんですか? またわがままにつきあって・・・」
落合はるか「しょうがねえだろ 追わなくたって、どうせガンガン携帯鳴らされるだけだ」
落合はるか「悪いな、先にメシ食っててくれ」
紅「フフ、フラれちゃったわね 千里ちゃん」
紅「ていうか別れたのに いまだ女王様の奴隷なの、ユウは」
緑川「仕方ないですよ キリエさんは先生にとって特別ですし」
三澤梨々花「特別・・・? どういうことですか?」
紅「『カーディナル(情熱)』のヒロインのモデルはね、キリエなのよ」
紅「ホント、そのまんまなのよ いや、あのヒロインよりヒドイわね」
紅「ユウと付き合ってる時も 約束すっぽかして他のオトコと会ってたり あの子の都合おかまいなしに 迎えに来いだのなんだの・・・」
紅「なんか思い出したら腹たってきたわね どーもアタシ、あの女は好きになれないの!!」
紅「さんざんユウを振り回したを挙句、 「飽きた」でポイだもの! で、ああやって新しいオトコが出来ても 都合よく利用してるわけ」
紅「ユウもユウよ! いつまでもふっきれずにズルズルと・・・ さっさと突き放せばいいのよ」
緑川「でもあのように先生を意のままに操れるのは、キリエさんだけなんですよね・・・ そう思うと僕は憧憬の念を抱いてしまうというか」
紅「千里ちゃん!! 何うらやましがってるのよ!! 〆切前に引っ掻き回されたこともあるでしょ!?」
紅「はあ・・・悲しいわ なぜあんなアクマが正統な女に生まれて アタシが男なのかしら・・・ 神様って不公平よね」
緑川「紅さん 今の紅さんだからこそ、僕らはこの店に集まるようになったんだと思いますよ」
緑川「神様は紅さんに試練を与えたかもしれませんが、僕は男気溢れる紅さんも 女性らしい紅さんも好きなので 今のままがいいですよ」
三澤梨々花「私もそう思います! 今日知り合ったばかりだけど、 紅さんはそのままでステキだと思います!」
紅「やだぁ二人とも~~♡♡ ありがとう、アタシも大好きよッ♡」
  ちょっとオーナー!
  いつまで二階で油売ってるんですか!
  忙しいんだから、厨房入ってください!
紅「あぁン!? いいとこなんだから邪魔すんじゃねーよ! 今行くから待ってろ!!」
紅「ごめんなさいねぇ、呼ばれちゃった♡ 今日はサービスするから ゆっくりしてってね♡」
緑川「・・・とりあえず乾杯しましょうか」
緑川「すみません・・・ 僕と二人になってしまって」
三澤梨々花「み、緑川さんのせいじゃないですし💦」
三澤梨々花「私は緑川さんと二人でもうれしいです (むしろ先生がいると緊張するし)」
三澤梨々花「それに普段、こうして外食なんてすることめったにないので・・・ ワクワクしてます!! お料理の勉強にもなるし♪」
緑川「梨々花さんはやさしいですね でもいい機会だったかもしれません 遅かれ早かれ、キリエさんには会うことになったと思うので」
三澤梨々花「というと・・・?」
緑川「時々、気まぐれに先生の自宅にも来るので・・・ 先生も遠ざけようとはしてるみたいですが 強く言えないところがあるようで」
三澤梨々花「それって・・・本当はまだお互いに好きだから、ですか? ならどうして別れたんでしょうか?」
三澤梨々花「離れられなくて、忘れられないなら 一緒にいればいいのに それが「好き」ってことじゃないんですかね?」
三澤梨々花(美森はそういうの 「運命の恋」って言ってたっけ)
三澤梨々花(運命・・・それが「特別」ってことだよね 本に書くくらいなら 先生にとってキリエさんはそうなんじゃないのかな?)
緑川「それが、恋愛の「理不尽さ」 ですかね」
三澤梨々花「な、なるほど! 確かに・・・答えはわからないですね そういうことなんですか・・・」
三澤梨々花「なんか納得しちゃいました! 賢くなった気分です♪」
緑川「先生はきっと その「理不尽さ」を小説という形で追及して、答えを出そうとしているのかもしれないですね・・・」
店員「お待たせいたしました! 本日のオススメ料理をお持ちしました~」
三澤梨々花「わぁ!すごいたくさん! めちゃくちゃおいしそう~♡」
緑川「せっかくだし 冷めないうちに頂きましょうか」
緑川「僕らを放置した罰として、遠慮なく先生のツケにしとくので 今夜は遠慮なく頼んでください✨」
三澤梨々花「はーい!!」

〇黒背景
  ーーその後
  結局、先生はお店に戻ってこなかった

次のエピソード:DAY7: カホゴな探偵

コメント

  • キリエさん、、、またストーリーを引っかき回しうる強キャラの出現に驚きです。そして、いい味を出し続ける紅さんの今後の活躍シーンはあるのか、各キャラどなたにも注目したくなりますねw

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