第3話 再会、ババアよ…(脚本)
〇旅館の受付
若女将「えーっと、ブレーカーは・・・あったあった。よいしょっと・・・」
〇旅館の受付
若女将がブレーカーを上げると、停電は
あっさり直り、館内に明かりが戻った。
若女将(なんだ。やっぱり誰かの仕込みだったのね)
若女将(それじゃあ、このラップ音もきっと誰かが・・・?)
若女将(まったく、いいアイディアだけど、やるなら一言ぐらい相談しなさいよね)
〇怪奇現象の起きた広間
しかし、若女将が大広間に戻ると、そこは地獄のような大騒ぎになっていた。
若女将「なっ・・・こ、これは!?」
空を飛び交うお札に、障子に飛び散る赤い血液。そして鳴り続けるラップ音。
だが、客たちは怖がるどころか狂喜乱舞している。
宿泊客A「スゲー! マジでヤベーよこれ!」
宿泊客B「演出、効きまくりじゃん! 最高!」
DJ「へいへい! 盛り上がってまいりました~!!」
ミラクル武本「こ、これはまさしくポルターガイスト! 大女将の怨霊の仕業に間違いないのじゃ~!」
ライター「これはすごい! バズる記事が書けそうだ!」
若女将「ちょっと、誰がこんなことしてるの!? 部屋がメチャクチャじゃない!」
仲居A「わ、分かりません・・・!」
若女将「なんですって!?」
若女将(一体誰なのよ!? まさか、若旦那・・・なわけないわよね)
若女将(あのボンクラがこんなことできるわけないわ)
若女将(でも、それじゃあ誰がこんなこと・・・)
若女将(ま、まさか・・・本当に大女将の祟り・・・)
若女将(ううん、そんなバカなことあるわけないじゃない!)
そこへ、笹川が地獄絵図のような大広間にやってきた。
笹川「やあ、これはすごい演出ですね。これはSNSでさらに話題になりますよ」
笹川の背後ではお札が宙を舞い、お皿や
コップが音を立てて割れ始める。
しかし、笹川も客たちも、すべて仕込み
だと思っているようだ。
若女将「あ、ありがとうございます・・・」
しかし、この演出が誰の仕業か分からない若女将。
内心ヒヤヒヤしながらも、無理やり笑顔を作る。
笹川「どうしたんですか、若女将。顔色が優れないようですが・・・」
若女将「い、いえ・・・そんなこと・・・」
笹川「少し風にあたりませんか? ほら、行きましょう」
若女将「は、はい・・・」
〇風流な庭園
笹川「ふう・・・風が気持ちいいですね」
若女将「は、はい・・・」
若女将(笹川さんと二人っきり・・・ドキドキしちゃうわ♪)
若女将(そういえば、ここはあのポルターガイストみたいなのは起きてないのね)
若女将(そうよね。やっぱり仲居か誰かの仕業だったのよ)
笹川「若女将・・・貴女はとても美しい。こんな田舎にいるのが不思議なくらいだ」
若女将「えっ・・・!? さ、笹川さん、急にどうしたんですか!?」
笹川「ずっと・・・初めて会った時から思っていました」
笹川「若女将のような素敵な女性に心惹かれない男なんていません」
若女将「え・・・そんな・・・」
若女将(キャー! どうしましょ!)
笹川「お願いです、若旦那よりも僕を選んでくれませんか?」
笹川「そして、この旅館をふたりでもっと有名に・・・」
若女将「さ、笹川さん・・・」
若女将(やだ! 笹川さんってば、本当に・・・!? でも、私には若旦那がいるし・・・)
若女将(そうだわ、今度は若旦那も殺してしまえば・・・)
笹川「若女将・・・」
若女将「笹川さん・・・」
ふたりの影が重なりかけた時・・・
若女将「きゃっ!?」
若女将の頭上に熱いお湯が降ってきた。
若女将は全身ずぶぬれになってしまった。
若女将「あ、あ、熱っ熱っ!? な、何よこれ!?」
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笹川さん?!ヅラ?!(爆)
いやぁ……「ババァ×2」連呼してて面白いノリだなとは思っていましたが……いやぁ、展開が読めない……(褒めてる)。