この世の女は俺のママ!

危機綺羅

13.このママではいられない。その3(脚本)

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〇ヨーロッパの街並み
隊員「──せいやぁ!」
隊員「あががが!」
隊員「し、しまった!」
アルバス「さあ、次はどいつだ!?」
隊員「く、くそ! なら俺が──」
???「よせ、マントコートは俺がやる」
隊員「け、ケイブさん!? けど確かに、あなたなら・・・!」
ケイブ「俺が相手だ、マントコート!」
ケイブ「俺をそこらの隊員と一緒にするなよ! 聖女様から直々にご指導いただき、 あのソウガ隊長とも模擬戦では一本を──」
アルバス「一緒じゃねえか!」
シタラ(す、すごい・・・! これなら逃げきれるかも・・・!)
アルバス「──見つけた! ママ、すぐ戻ってくるからな!」
シタラ「え? あ、アル!? このまま逃げるんじゃないの!?」
部下「──お前たち、なぜ交戦している? 私の指示を待てなかったのか!?」
隊員「も、申し訳ありません! マントコートから奇襲が・・・!」
アルバス「見覚えのある顔だな! もう一人──隊長はいないのか?」
部下「・・・逃げずに反撃とは勇ましいな」
アルバス「逃げる?  逃げるのはいつもお前らだったろ?」
アルバス「けど、今回は逃がさねえぜ ちょっと聞きたいことがあってな」
部下「聞きたいことか いいだろう、それなら──」
部下「たっぷりと聞かせてやる!」
アルバス「──うるさっ! くそ、耳が!?」
部下「ハンドライトを持て! 一斉に照射せよ!」
アルバス「なんなんだ、さっきから!?」
隊員「いくぞ! 今なら我々でも、 マントコートを制圧できるはずだ!」

〇ヨーロッパの街並み
シタラ(うう・・・耳がキーンってする・・・ なにあれ、拡声器・・・?)
シタラ「アルは・・・?」
部下「マザコン・マントコートなら来ませんよ」
シタラ「あ、あなた・・・! ソウガさんと一緒にいた・・・!?」
部下「さあ、一緒に来てもらえますか?」
シタラ「い、行きません! もう私、保護なんていりませんから!」
部下「このまま、追われる生活を続けたいと?」
シタラ「それは・・・」
部下「我々の仲間は各地にいます 彼らから逃げ切れると思いますか?」
部下「前に隊長がおっしゃったように、 あなたに危害は加えません」
部下「今後のことは我々にお任せください さあ、こちらへ・・・」
アルバス「ママから離れろ、ロリコン野郎っ!」
部下「くっ!?」
部下「──貴様、目と耳が使えないはずだ! どうやって隊員を退けた!?」
アルバス「見えなかろうが、聞こえなかろうが、 お前ら程度なら楽勝なんだよ!」
シタラ「いやいや、大丈夫なの!?」
アルバス「後で目薬と耳かきを頼むぜ、ママ」
部下「ならばもう一度──」
アルバス「二度も使わせるか!」
部下「くっ・・・体勢が・・・!?」
部下「た、隊長・・・」
シタラ「──アル! ケガは!?」
アルバス「大丈夫だよ ママこそ、ケガはないか?」
シタラ「うん・・・ありがと、アル・・・!」

〇ヨーロッパの街並み
アルバス「そういえば・・・ どいつものびちまったな・・・」
アルバス「あー・・・でも、もしかしたら・・・」
アルバス「こいつは違うな」
アルバス「こいつも違う!」
アルバス「やっぱりこいつか・・・」
シタラ「なにしてるの、アル? 起きる前に、逃げた方が・・・」
アルバス「そりゃ違うぜ、ママ 俺たちは追われる側じゃねえ」
アルバス「追い詰める側なんだよ」
アルバス「──聞こえるか、隊長!」
アルバス「お前の部下は、全員ぶっ倒した! これから他の町の部下もぶっ倒す!」
アルバス「徹底的に潰してやるからな! 覚悟しておけ!」
シタラ「え、あの・・・なにを・・・?」
アルバス「宣戦布告だ」
シタラ「なんで!?」
アルバス「ずっと考えてたんだよ・・・」
アルバス「このままロリコンに追われてたら、 いつかママがまいっちまう」
アルバス「それに記憶が戻っても、 安心して暮らせない」
アルバス「──そこで思いついた! ロリコン共を、全員倒せばいいってな!」
シタラ「簡単に言うけど、 そんなのできるわけ──」
「うう・・・」
シタラ「・・・できてるね」
アルバス「そういうことだ! これからは積極的にロリコンを──」
???「待て、マザコン・マントコート」

〇黒背景
ソウガ「──降参する。隊員には手を出すな」

〇ヨーロッパの街並み
アルバス「──ああ? 降参!?」
ソウガ「少女の保護は諦める 先ほどの宣戦布告は撤回してほしい」
シタラ「ほ、本当ですか?」
アルバス「いやいや、嘘に決まってるぜ! 適当なこと言って、またなにか・・・」
ソウガ「これ以上の被害は、 我々の望むところではない」
ソウガ「元々、我々と貴様、 彼女を守ろうという志は同じはずだ」
ソウガ「握りこぶしを解き、 握手をしようじゃないか」
アルバス「ロリコンと一緒にすんじゃねえよ!」
シタラ「落ち着いて、アル!」
シタラ「・・・ソウガさん、 本当にもう追ってきたりしませんか?」
ソウガ「もちろんだとも 今まですまなかったね」
アルバス「ママ・・・!」
シタラ「穏便に済むなら、その方がいいよ」
シタラ(・・・アルは楽勝だって言うけど、 なにかあっても嫌だしね)

〇黒背景
ソウガ「さて、仲直りも済んだところで、 僕から提案があるんだ」
ソウガ「きみ、自分の正体を知りたくないか?」

〇ヨーロッパの街並み
シタラ「──私の、正体? どういうことですか!?」
ソウガ「詳しく知りたければ、 とあるスポットまで来てほしいんだ」
ソウガ「きみとは一度、 落ち着いて話してみたくてね」
シタラ「私の、正体・・・」
ソウガ「この通信機は持ったままでいい 良い返事を待っているよ」
シタラ「・・・アル、お願いがあるの」
アルバス「わかってるよ、ママ 行きたいんだろ?」
シタラ「うん・・・私、自分のことが知りたい」
シタラ「前に、クロシカさんから聞いたの」
シタラ「シェルターには、 降物の使い方がわかる人がいるって」
シタラ「たぶん、隊長のソウガさんからなら、 色々聞けると思うから」
アルバス「ああ、行ってみようぜ なにかあっても、俺がいるからよ!」
シタラ「ありがとう、アル・・・!」
シタラ(私の正体・・・)
シタラ(いったいなんなんだろ・・・?)

次のエピソード:14.このママではいられない。その4

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