〇大きいマンション
白来 雪(しらい ゆき)「うふ♪今日から私はひとり暮らし♪」
白来 雪(しらい ゆき)「友達と家飲み会したり〜彼氏作ったり〜♪ したいこと沢山！楽しみっ」
白来 雪(しらい ゆき)（あっ、右側のお隣さんだ･･･挨拶しなきゃ）
白来 雪(しらい ゆき)「こんにちは。初めまして。隣に引っ越して来た白来と言います。よろしくお願いします」
場苦 笑子(ばく しょうこ)「あら〜まあ〜礼儀正しいお嬢さんね。今どき珍しいちゃんとした人でうれしいわ〜ガッハッハッ！」
白来 雪(しらい ゆき)（笑い方はちょっと怖いけど、悪い人じゃないみたい）

〇大きいマンション
場苦 笑子(ばく しょうこ)「あら、うちの長男が帰ってきたわ〜あなた目をつぶってよく歩けるわね、ガッハッハッ〜！」
場苦 眠(ばく ねむ)「ただ･･･むにぁ〜Zzzzz・・・」
場苦 笑子(ばく しょうこ)「白来さん、これうちの息子で、眠（ねむ）って言うの。ほんと寝てばっかりなのよ〜誰に似たんだか〜ガッハッハッ」
白来 雪(しらい ゆき)「は、はい･･･あっ･･･」
場苦 笑子(ばく しょうこ)「照弟もお帰り〜。白来さん、これうちの次男」
場苦 笑子(ばく しょうこ)「ほら、お引越ししてきたお姉さんに挨拶しなさい。うふふ」
場苦 照弟(ばく てるお)「あの、えっと、僕、照弟（てるお）って言います。よろしくっ」
白来 雪(しらい ゆき)「よろしく･･･（恥ずかし屋がりなのかな？慌ててお家に入っちゃった）」
場苦 笑子(ばく しょうこ)「後、うちの家族には亭主がひとり。ひとりしかいないのにうるさい人でねぇ、ガッハッハッ〜夜にでも挨拶させるね〜」
白来 雪(しらい ゆき)「あ、いえ、わざわざは･･･」
場苦 笑子(ばく しょうこ)「なに〜うちの亭主に会いたくないって〜？わかるわぁ〜変なやつだからねぇ」
白来 雪(しらい ゆき)「あっ、いえ、そんな･･･」
場苦 笑子(ばく しょうこ)「面白い子だねぇ〜ガッハッハッ〜 それじゃあね〜」
白来 雪(しらい ゆき)「テンションの高いお隣さんだわ･･･。ちょっと疲れたかも」

〇スーパーの店内
白来 雪(しらい ゆき)「冷蔵庫の中空っぽだから、とりあえず買い物買い物」
音 坊佳(おと ぼうけい)「ちょっとごめんよ」
白来 雪(しらい ゆき)（何かこのおじさん、さっきからずっと私の事付け回して、ジロジロ見てきて怖いなぁ）
音 坊佳(おと ぼうけい)「なぁ、ねえさん、あんたうちの孫にそっくりだね。言われた事ないか？」
白来 雪(しらい ゆき)「ないです。引越してきたばかりだし」
音 坊佳(おと ぼうけい)「おや、そうかい」
白来 雪(しらい ゆき)（早く家に帰ろっ）

〇川に架かる橋
白来 雪(しらい ゆき)（やだ、何このおじさん、まだ私の後をついてきてる？）
音 坊佳(おと ぼうけい)「ふんふんふん〜♪」
白来 雪(しらい ゆき)「良かった〜追い越して行った。でも･･･私の行く方向と同じだわ」

〇大きいマンション
白来 雪(しらい ゆき)「あっ！あのおじさん！」
音 坊佳(おと ぼうけい)「ふんふんふん〜♪（･･･バタン）」
白来 雪(しらい ゆき)「左隣の家の人だったんだ･･･ショック･･･」

〇綺麗なリビング
白来 雪(しらい ゆき)「もう、いいや。嫌な事忘れて片付けしよう」
　　ピンポーン
白来 雪(しらい ゆき)「はーい！宅急便かな？」
過程 強士(かてい きょうし)「こんにちは。お隣で家庭教師をしてます過程と言います。お隣に学生さんが引っ越して来られたと聞いて、ご挨拶に来ました」
過程 強士(かてい きょうし)「もし、ご興味がありましたら、我社の家庭教師に登録してください。よろしくお願いします」
白来 雪(しらい ゆき)「あ、はい。あれ？ あっという間に居なくなった。 このマンションの人達ってかなりマイペースなのかな？」
　　私のひとり暮らしはこうして始まった。
　　そして、楽しく生きていく予定が、段々奇妙になって行くのを私は止める事が出来なかった