ガンバレ、たぬき銀行員!

ビール

エピソード2(脚本)

ガンバレ、たぬき銀行員!

ビール

今すぐ読む

ガンバレ、たぬき銀行員!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇炎
やるき課長「オレの名前はやるき一郎42歳!このたぬき銀行で出世競争の荒波に揉まれる新進気鋭の渉外課長だ!」
やるき課長「今日は金曜日。今週の成果の取りまとめだ!週毎に達成していかないと目標数字は雪だるま式に膨らんでいくから管理が必要なのだ!」

〇オフィスのフロア
  金曜日朝ミーティング──。
やるき課長「さて今日は今週の締めだ。各担当の進捗はどうだい?」
真面目課長代理「法人融資は予定通りです。今日の2時にへっぽこ工業の長期融資5千万円契約、3時までに実行して融資額、手数料ともに達成です」
  長期融資・・・1年以上の融資
  短期融資・・・1年未満の融資
やるき課長「いいねいいね!さすが真面目代理だ。へっぽこ工業は2時契約調印の3時までの融資実行か。時間的にタイトだが頼むよ!」
真面目課長代理「へっぽこさんはウチの融資金で支払予定があるそうです。支店から車で約15分くらいですからギリギリ3時までに間に合わせます」
やるき課長(むむ・・・実際に今日支払うカネなのか。これは絶対今日中(3時まで)に融資しないとまずいぞ)
  企業が融資を受ける際、後日支払い予定の諸々の諸払いを前もって借りておくケースもある。
やるき課長「へっぽこ工業については融資係ともスケジュールを共有しておいてくれ。じゃ次、個人は?」
きつい係長「昨日能天気くんと一緒に行ったAさんですが生保2千万円契約になりました。今週の目標は何とか達成です」
能天気「自分まだ専門用語とかも分からないんで、きつい係長が一緒に来てくれて助かりました~」
きつい係長「能天気くん、アンタほとんどAさんと喋らずにあたしのとなりで固まってたもんね・・・」
能天気「いや~、Aさんが「私の担当をきつい係長に代えてほしい」とか言ったらどうしようかとビビってたんですよぉ」
やるき課長「能天気はもうちょっと勉強が必要かもな~。上司の会話術とか、いいところはどんどん吸収するようにな」
能天気「ハイ、早く戦力になれるように頑張ります!」
やるき課長(能天気・・・コイツ何か軽いんだよなあ)
やるき課長「(とりあえず今週は乗り切れそうだな・・・)では解散。今日も一日頑張ろう!」
  午後1時、新規見込先の優良株式会社から担当の真面目代理に電話が入る。
真面目課長代理「やるき課長。優良株式会社の優良社長から新規融資の相談がしたいとの連絡がありました!」
やるき課長「マジか?!あそこの社長は忙しくてなかなかアポが取れなかった先じゃないか。やったな!真面目代理、オレも一緒に行こうか?」
真面目課長代理「ありがとうございます。でも今回は初回面談なのでまずは単独で行ってきます。話が進んだら課長にもご同席願います」
やるき課長「そうか、何かあればすぐ相談してくれ」
真面目課長代理「ただ、優良社長が今日2時からしか時間が取れないらしくて。へっぽこ工業の調印を能天気くんに頼みたいのですが」
やるき課長(ふむ・・・能天気で大丈夫かな?オレが行ったほうが早いような気がするが)
真面目課長代理「能天気くんは前に私が急な出張の時に代わりにへっぽこ工業に行ってもらったこともあり、社長とは面識もあります」
やるき課長「なるほど、時間内に顧客から正確に書類をもらうのも銀行員の大事な仕事。よし、能天気に対応させよう。オーイ、能天気!」
能天気「はーい!なんでしょうか?」
やるき課長「真面目代理から聞いてると思うが、2時にへっぽこ工業に行って融資の契約書をもらってきてくれ」
やるき課長「先方は今日カネが必要なので契約の中味をちゃんと説明して必ず3時までに実行してやってくれ」
能天気「ハイ、真面目代理から聞いてます。へっぽこ工業には前にも行ったこともあるし社長も知ってるので大丈夫です!」
真面目課長代理「悪いな能天気くん。契約書は私の机に置いてある。契約内容はさっき説明したとおりだ。頼んだよ」
能天気「分かりました。任せて下さい!」
やるき課長(部下を信頼し仕事を任せるのも管理職の仕事だ。二人とも、ガンバレ!)
  そして2時15分、能天気からやるき課長に電話が来た。イヤな予感しかしないやるき課長。
やるき課長「なにィ〜〜!?契約書を銀行に置き忘れた〜?能天気、テメーへっぽこ工業に何しに行ったんだよぉぉ」
  真面目代理の机の上に契約書は置きっぱになっていた・・・
やるき課長「能天気、とにかくオレが契約書持っていくから、そこで待ってろ!」
やるき課長「パト子さーん、今空いてる営業車あるよね?!」
パートのパト子さん「あら、ごめんなさい。一台空いてたけど支店長が取引先に乗ってっちゃって。あの・・・スーパーカブ(ボロいバイク)しかないわ」
やるき課長「マジかよぉぉぉ」

〇田園風景
やるき課長「うおおおお」
  現在2時20分、必死にスーパーカブを走らせるやるき課長!

〇オフィスビル前の道
能天気「課長、スミマセンでした!」
  結局へっぽこ社長に平謝りして何とか3時までに実行するよう約束した。現在2時40分。
やるき課長「ハァハァ(←まだ息がきれている)とにかくすぐに支店に帰って融資を実行してくれ。オレはカブでのんびり帰るから・・・」
能天気「分かりました!すぐに戻ります!」
やるき課長(マジ疲れたわ・・・)

〇田園風景
  一休みしてたら能天気から電話が来た。
  無事に融資実行出来たとの話だった。・・・とりあえず良かった。
やるき課長「部下に任せるのもいいが個々の適正をよく見てからだな・・・」
  また一つ経験をしたやるき課長だった・・・
やるき課長「さて、帰るか・・・」
  (カブの排気音)ブルンブルンブルン・・・プスッ
やるき課長「えッ」
  ガス欠・・・(カブにはガソリン5リットルしか入らない)。そして・・・

〇田園風景
やるき課長「えッ」
  雨が・・・降ってきた・・・。
  土砂降りの中、田舎道をガス欠のスーパーカブを押して歩いたこと・・・やるき課長は一生忘れないことでありましょう。
  続く・・・!

コメント

  • 管理職あるあるですね。。。お約束という感じのやらかしがあるも、当事者には悲壮感があまり無かったりと。。。共感と悲哀にあふれていますね

ページTOPへ