プロ乞食のAさん

はやまさくら

女の子に振られたAさん(脚本)

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〇応接室
Aさん「私子さん、ちょっと聞いて下さいよ~」
私「ん、どうしたの。Aさん?」
Aさん「この間、近くのカフェ店員の女の子と 良い雰囲気になったって話したでしょ?」
私「うん、その後どうなの?」
Aさん「しつこく話しかけすぎたのか、 「もう来ないで下さい」と 言われちゃいました」
私「あらら・・・」
Aさん「あーあ、 私子さんが独身だったらなぁ・・・」
私「やめてください」
Aさん「あっはっはっ、冗談ですよー♪ 私子さん、俺のタイプと違うし!」
私(こ、このプロ乞食め・・・)
Aさん「で、ここからが 真面目な相談なんですけど・・・」
Aさん「私子さん、市内にある「ハッテン場」を 知りませんか?」
Aさん「俺、考えたんです。 女にモテないのなら、 男に走るのも良いんじゃないかと・・・」
私「・・・いや、発想が飛躍しすぎてない?」
  ハッテン場とは、
  男性同性愛者の出会いの場所のことです。
Aさん「大丈夫ですよ、 俺、結構男にはモテるんです」
Aさん「ほら、俺って結構可愛い顔でしょ?」
私「まぁ、そうだね」
Aさん「で、教えてくれませんか? ハッテン場の場所!」
私「・・・女の私が知っているとでも?」
Aさん「私子さんはこの辺りの 地理に詳しいんでしょ? もったいぶらないで教えて下さいよ~」
私「・・・・・・」
私(ほっ、私が「腐女子」だと バレているのかと思った・・・・)
  実は、私はBL好きの腐女子なのですが、
  TPOはわきまえています。
  誰彼構わず公言はしていません。
  もちろん彼にはそのような話題を
  振ったことすらありません。
  それなのに・・・
  敢えて私に尋ねてくるとは。
  こやつ、超能力者か!?
私「うん、ごめん。 さすがに知らないよ・・・」
Aさん「あー、私子さんでも 分からない事があるんですね。 スミマセン、無理言いました」
私「ごめんね、Aさん」
Aさん「大丈夫です。 俺、自分で探してみます!」
私「そ、そう? ・・・頑張ってね」
  実際の所、
  私はハッテン場の場所を知っていました。
  彼の自宅から、
  ほんの100メートルほど歩いた所に
  あるんですよねぇ・・・
  でも、彼の本質が
  「女の子大好き!」なのは、
  今までの付き合いで分かっていたので、
  敢えて教えませんでした。
  いい加減な気持ちで飛び込んだら、
  お兄様方の迷惑になるかも
  しれませんからね。
  ただ、彼の家から近すぎるので、
  いつか自分で発見してしまうのではと
  戦々恐々としております。

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