化ケ城‐BAKEJIRO‐

ヤミヲミルメ

エピソード23 湖畔の叫び(脚本)

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〇睡蓮の花園
バースレッテ王妃「ホホホホホ」
ロワン「シールド!」
ロワン「食らえ! 攻撃魔法!」
ロワン「王妃の死体にダークドヴェルグが 取り憑いているのか!?」
ロワン「それにしても手応えがおかしい・・・」
ロワン「こいつは本当に ダークドヴェルグなのか・・・?」
ニュイ「ロワン! この人は幽霊なんだよ!」
ロワン「そんなものいるわけがない!」
ニュイ「いるよ! アンヌ姉さんが 幽霊になってたもん!」
ロワン「だったらどうしてアルミュールの幽霊は 僕の前に出てきてくれない!?」
ニュイ「それは・・・!」
バースレッテ王妃「クククッ 隙ありじゃ」
ロワン「くっ! シールド!」
バースレッテ王妃「闇の魔法か・・・ なんじもダークドヴェルグかえ?」
バースレッテ王妃「闇のモノとしての生とは いかなる心地かえ?」
ロワン「無意味な問いだね」
ロワン「大切なのは誰に生まれるかではなく 誰と生きるかだ」
ロワン「しいて言うなら僕が悲しんでも 同族の腹が満ちないのが悲しい」
バースレッテ王妃「ほほう、ダークドヴェルグにも 悲しみの心があるとな?」
バースレッテ王妃「なるほどなるほど 聞いてみるものよのう」
バースレッテ王妃「物の本によればきゃつらは」
バースレッテ王妃「仲間が死んでも笑っておると 記されておったがのう」
ロワン「ああ、そうさ! 僕だって昔はそうだったさ!」
ロワン「アルミュールと出逢う前は! アルミュールの仲間になる前は!」
ロワン「彼女が悲しむのが 悲しいことだと知る前は!!」
ロワン「だから、しないし、させない! アルミュールが悲しむことは!」
ロワン「たとえアルミュールがいない場所でも!!」
バースレッテ王妃「ほほう。ダークドヴェルグの身でも そのような心が持てるとな?」
バースレッテ王妃「さすればわらわも ダークドヴェルグとして」
バースレッテ王妃「生まれいでるのも 悪くないかもしれんのう」
ロワン「待て! 今、何て言った?」
バースレッテ王妃「ダークドヴェルグとして・・・」
ロワン「生まれいでる!?」
ロワン「新たなダークドヴェルグとして 今まさに」
ロワン「生まれようとしている 最中だっていうのか!?」
ロワン「だから戦っていても 手応えがおかしいのか・・・」
ニュイ「ロワン! たしかダークドヴェルグって」
ニュイ「闇の王がいないと 新しい仲間は生まれてこないんだよね?」
ロワン「ああ。その闇の王は アルミュールが倒した」
ロワン「殺した」
ロワン「だから新しいダークドヴェルグ なんてモノが生まれるはずがない!」
バースレッテ王妃「わらわもかつてはそう教えられて おったんじゃがのう」
バースレッテ王妃「キャスクが書き残した記録が 例の地下室にあったぞえ」
バースレッテ王妃「アルミュールは闇の王を 殺しきれておらん」
バースレッテ王妃「殺しきれぬまま アルミュールは命を落としたのじゃ」
バースレッテ王妃「ゆえにキャスクは闇の王を 生きたまま眠らせて封印なされた」
ロワン「・・・ウソだ」
ロワン「ウソだ!!」
バースレッテ王妃「隙ありじゃ!!」
ロワン「シールド魔法が間に合わない! ニュイ! 下がれ!」
ニュイ「やめて! 王妃さま! ロワンにひどいことしないで!」
バースレッテ王妃「・・・・・・」
バースレッテ王妃「うむ」
バースレッテ王妃「もうよい 腹は膨れた」
バースレッテ王妃「そう怖い顔をするでない 傷は癒やしてやる」
バースレッテ王妃「それにしてもわらべよ、なんじは うますぎて危ないぞえ」
バースレッテ王妃「その味に魅せられて、わらわが」
バースレッテ王妃「本気の悪党になりでもしたら どうしてくれよる」
ニュイ「王妃さま・・・ さっきのアルミュールの話・・・」
ロワン「ニュイ! ダークドヴェルグの言葉なんか信じるな!」
バースレッテ王妃「哀れよのう なんじもダークドヴェルグであろうに」
バースレッテ王妃「闇の王は目覚めかけておる これは紛れもない事実じゃ」
バースレッテ王妃「それでどうするかは おぬしら次第じゃがのう」

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