テロリスト小学生☆RIKA☆『結婚なんか必要ねぇ』

Dickinson

第1話『勇者と魔王の子供がテロリスト』(脚本)

テロリスト小学生☆RIKA☆『結婚なんか必要ねぇ』

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〇総合病院

〇病院の廊下
  ハァ、ハァ──

〇病室のベッド
  ほんぎゃあ!
  ほんぎゃあ!
「よしよし」
「うふふ・・・」
「幸子ぉ~っ!」
「幸・・・子・・・げほっ!」
「やだ、そんな大きな声出さないで」
リカ「ほんぎゃあ!」
「大丈夫か?」
「えぇ・・・」
「ほら見て・・・」
「なんて・・・なんて可愛いんだ」
「よくやったな、幸子 ありがとう・・・」
「うふふ・・・」
「『よくやった』って、なに?」
「えっ」
「上からモノ言ってんじゃねぇ」
「あ、ちょ、ごめ──」
リカ「ほんぎゃあ!」
「あらあら、よしよし 怖かったねぇ・・・」
「俺にも抱かせて・・・」
「えぇ、抱いてあげて・・・」
「気をつけて うん、そう・・・」
「よしよし」
「あはは・・・なんて可愛──」
「ちげぇよ! そうじゃねぇよ抱きかたァ!」
「あ、ごめ──」
リカ「ほんぎゃあ!」
「ごめんごめん」
「あはは・・・」
「ほらパパだよ・・・」
「『ユリ』~」
「はぁ!?」
「『リカ』だから」
「え、だってこないだ──」
「なんだよ『ユリ』って 勝手に決めてんじゃねぇよ」
「あっ──」
「よしよし パパはダメでちゅね~」
「・・・チッ」
「あぁ!? てめぇいま──」
リカ「ほんぎゃあ!!」
「・・・・・・」

〇黒
  ほんぎゃあ!
  ほんぎゃあ!!
  ぎゃぁぁああ~~ッ!!

〇可愛い部屋
明智リカ「うっさいなぁ~」
明智リカ「毎朝毎朝・・・」

〇ダイニング
明智ヒデアキ「また面接落ちたのかよ!?」
明智ヒデアキ「コンビニだろ!? 高校生でも受かるじゃないか!」
明智・ゾディアック・幸子「うっせぇ!」
明智・ゾディアック・幸子「てめぇに ゴチャゴチャ言われる筋合い──」
明智・ゾディアック・幸子「ねーんだよッ!!」
明智ヒデアキ「食器を投げるんじゃないッ!」
明智ヒデアキ「怪我したらどうすんだ! 今から会社なんだぞ!?」
明智・ゾディアック・幸子「へぇ~!? イヤミですか!? スゴいわねぇ、アンタは働けて!」
明智・ゾディアック・幸子「でも“親権”はアタシなんだから!」
明智ヒデアキ「だから早く就職しろよ!」
明智ヒデアキ「養育能力が皆無のクセに」
明智ヒデアキ「リカの親権だけは しがみつきやがって!」
明智・ゾディアック・幸子「アンタが養育費を 一生払えばいいだけでしょ!?」
明智ヒデアキ「お前が原因で離婚すんだろが!」
明智ヒデアキ「なんで俺が 金を払い続けなきゃならないんだ!?」
明智・ゾディアック・幸子「あーあ、ほら出た!」
明智・ゾディアック・幸子「薄情な父親だこと!」
明智ヒデアキ「お前の父親じゃないんだよ! 育てる能力ないなら 親権を俺に寄越せ!」
明智ヒデアキ「クズ母親が!」
明智・ゾディアック・幸子「なぁんだとォ!? 朝メシ作ってんだろがァ!」
明智リカ「投げてんの リカの朝ゴハンじゃん・・・」
明智リカ「はぁ~・・・」

〇学校の校舎
  またケンカしてたの?

〇教室
織田ヒマリ「今日は何が原因?」
明智リカ「ママがコンビニの“めんせつ”?」
明智リカ「ダメだったみたい」
織田ヒマリ「えっ、なんで? “翼”は隠せるんだよね?」
明智リカ「性格じゃないかなぁ」
明智リカ「だってママ──」

〇店の事務室
店長「狭くてすいませんね」
店長「え~と 明智・・・うん、幸子さん?」
明智・ゾディアック・幸子「全然構いませんわ」
明智・ゾディアック・幸子「お金さえ頂ければ」
店長「あはは」
店長「第一印象は 強盗ですね」
明智・ゾディアック・幸子「いつから働けますか?」
店長「こっちが訊くセリフ! てか、まだ決まってないし!」
明智・ゾディアック・幸子「えっ、なにか問題でも?」
明智・ゾディアック・幸子「誰でもいい仕事だって聞きましたわ」
店長「あのねぇ、よく言われますけど れっきとした接客業なんでね・・・」
店長「最低限の対応力はないと・・・」
店長「前職は何をされて?」
明智・ゾディアック・幸子「あらぁ」
明智・ゾディアック・幸子「魔王です」
  ・・・・・・
店長「劇団かなにかで?」
明智・ゾディアック・幸子「ガチの“魔王”です」
明智・ゾディアック・幸子「申し訳ありませんわ」
明智・ゾディアック・幸子「勇者に倒されたら こんな姿に転生してしまって」
店長「・・・・・・」
店長「身分証とかあります?」

〇教室
明智リカ「あんまり色々聞かれるもんだから ブチギレちゃって・・・」
明智リカ「『アタシ無理なんだよね』」
明智リカ「『ヒトに雇われるの』って」
織田ヒマリ「なんでコンビニにしたの・・・?」
明智リカ「『生活用品が揃ってるから』」
織田ヒマリ「自由に持って帰って いいワケじゃないよ・・・」
明智リカ「来週からどうしよう・・・」
明智リカ「パパがお金を 送ってくれるみたいだけど」
明智リカ「ママと2人暮らしは不安しかない・・・」
織田ヒマリ「困ったらウチ来ていいからね?」

〇線路沿いの道
明智リカ「はぁ・・・」
明智リカ「そもそも」
明智リカ「なんで結婚したのかなぁ」
明智リカ「ヒマリの家に住みたい・・・」
明智リカ「ヒマリのママは ”こーむいん”だし・・・」
「明智リカちゃんね」
明智リカ「お、お姉さん誰!?」
明智サエコ「私は『明智サエコ』」
明智サエコ「貴女のパパの妹よ」
明智リカ「パパの!?」
明智サエコ「そうね・・・ 会うのは赤ちゃん以来だものね」
明智サエコ「これで信じて貰えたかしら」
明智リカ「勇者の服!」
明智サエコ「ヒデ兄が引退した後 私が跡を継いだの」
明智サエコ「知り合いから聞いたわ」
明智サエコ「ヒデ兄・・・ ゾディアックと離婚するんでしょ?」
明智サエコ「一応・・・確認なんだけど」
明智サエコ「リカちゃんは もちろんヒデ兄と暮らすのよね?」
明智リカ「ううん・・・」
明智リカ「ママと暮らす・・・」
明智サエコ「そんなバカなッ!!」
明智サエコ「元魔王が シングルで子育て 出来るワケないでしょう!?」
明智リカ「“せーかつほご”? 断られたって・・・」
明智サエコ「当たり前よ!」
明智サエコ「世界を滅ぼそうとした女よ!?」
明智サエコ「なんで私たちの税金で 保護しなきゃならないの!」
明智リカ「・・・? よく分かんない・・・」
明智リカ「でも結婚したから “リコン”するんでしょ?」
明智リカ「”しんけん”? ママにあるから・・・ パパと会えなくなるんでしょ?」
明智サエコ「リカちゃん・・・」
明智リカ「嫌だよ・・・」
明智リカ「リカ嫌だよ・・・」
明智リカ「パパもママも大好きなのに・・・」
明智リカ「ずっと一緒にいたいよぉ・・・」

〇街中の公園
  あははは!
明智ヒデアキ「すごいぞ、リカ! 逆上がり出来るようになったな!」
リカ「リカがんばったもん!」
リカ「みてみて~!」
リカ「こんなことも できるよーになったよ!」
リカ「ね?」
明智ヒデアキ「・・・うん」
明智ヒデアキ「とりあえず逃げるぞ」
  あははは!
  パパだぁ~いすき!

〇雲の上
  あははは!
リカ「ママすごぉ~い!」
明智・ゾディアック・幸子「スゴいだろ~!」
明智・ゾディアック・幸子「きっとリカも 大きくなったら翼生えるからな!」
リカ「ホントぉ!?」
明智・ゾディアック・幸子「当ったり前だろォ! アタシの娘なんだから!」
明智・ゾディアック・幸子「世界中どこへだって行ける!」
明智・ゾディアック・幸子「なんだって出来る!」
明智・ゾディアック・幸子「なにしたって許されるんだ!」
リカ「それはちょっとキビしいよ!」
明智・ゾディアック・幸子「リカの願いも夢も ママがぜ~んぶ叶えてやる!」
明智・ゾディアック・幸子「世界で1番可愛いからな! ママの次に可愛いからな!」
リカ「すでに2番目だよ!」
「アハハハ!!」
  ママはリカのこと
  だぁ~い好きだからな!
  うん、リカも!
  ママだぁ~~い好きっ!!

〇線路沿いの道
明智リカ「どうして・・・」
明智リカ「結婚したの?」
明智リカ「お互いに 大好きだったから 結婚したんじゃなかったの?」
明智リカ「どうしてケンカばっかり するようになっちゃったの?」
明智リカ「分からないよ・・・」
明智サエコ「言いづらいんだけど・・・」
明智サエコ「2人の場合」
明智サエコ「”愛してたのに憎むようになった” というより──」
明智サエコ「”もともと憎んでたのに愛しちゃった”」
明智サエコ「って、パターンだから」
明智リカ「じゃあリカは・・・」
明智リカ「リカは・・・」
明智リカ「“産まれちゃった”パターンなの?」
明智サエコ「リカちゃん・・・」
明智リカ「結婚なんか 最初からしなきゃ良かったんだ!」
明智リカ「どうせ リカが産まれちゃったから──」
明智リカ「しょうがないから 結婚しただけなんでしょ!?」
明智リカ「だからリカの気持ちなんか無視して──」
明智リカ「自分勝手にケンカばっかりして リカのこと奪い合うみたいに リコンするんだ!」
明智リカ「リカは2人とも大好きなのに!!」
明智サエコ「2人が結婚したあとよ」
明智リカ「え?」
明智サエコ「リカちゃんが産まれたのは」
明智リカ「じゃあ・・・」
明智サエコ「仕方なくじゃない 2人は本当に愛し合ってた」
明智リカ「・・・じゃあなんで」
明智サエコ「それは2人にしか分からないわ」
明智サエコ「ただ残念だけど・・・ 人の気持ちは変わりやすいものよ」
明智リカ「そんな・・・」
明智リカ「もうパパとママは仲直り出来ないの?」
明智サエコ「というか」
明智サエコ「よく10年も保ったなっていうか・・・」
明智サエコ「勇者と魔王だからね?」
明智リカ「・・・・・・」
明智サエコ「仲直りは不可能でも──」
明智サエコ「”2人と自由に会える”」
明智サエコ「その方法に心当たりはあるわ」
明智リカ「どうしたらいいの?」
明智サエコ「それはね──」

〇黒
  ブッ壊すのよ

〇東京全景
  東京上空から中継です!
  国会議事堂が占拠されてから
  およそ1時間が経とうとしています!
  あぁっ!!
  たったいま
  装甲車が吹き飛ばされました!!

〇トラックの荷台
隊長・オブ・隊長「今回の作戦は テロリストの制圧となる!」
「ハッ!!」
隊長・オブ・隊長「対象は特殊な武装をしており──」
隊長・オブ・隊長「こちらの装甲車も簡単に 吹き飛ばす火力を有している!」
ニューカマー自衛隊員「そ、そんな・・・」
隊長・オブ・隊長「こちらも応援を要請してある! “ヤツ”が到着するまで時間を稼ぐ!!」
隊長・オブ・隊長「ふざけた見た目だが決して侮るな!」
隊長・オブ・隊長「我々でこの国を守るんだ!!」
自衛隊員・ザ・ヘッド「新人いくぞォ!」
ニューカマー自衛隊員「ハッ!」

〇荒廃した国会議事堂
明智リカ「“結婚”なんてルールが──」
明智リカ「あるから悪いんだァ!!」
明智リカ「結婚がなければ “リコン”もないんだァ!!」
明智リカ「今すぐ日本から“結婚”をなくせ!!」
明智リカ「さもないと──」
明智リカ「エラい人の家 ぜーんぶブッ壊すぞォ!!」
  全隊!
  撃てぇーッ!!
明智リカ「このぉ~! やったなぁ!?」
明智リカ「リカに勝てると思うなよォ!」
  そこまでだ!
明智リカ「うわぁ!?」
明智リカ「あっぶなぁ・・・」
機動兵装ノブナガMARK Ⅱ「TARGET──『LOCK ON』!!」
機動兵装ノブナガMARK Ⅱ「FIRE!!」
「うわぁぁああ!!!!」

〇霧の中

〇SHIBUYA SKY
明智サエコ「あら吹っ飛ばされちゃった」
明智サエコ「言っても・・・まだ10才か」
明智サエコ「ふふ、貴女にかかってるのよ」
明智サエコ「──『明智リカ』ちゃん」

〇黒

次のエピソード:第2話『あ、終わった』

コメント

  • 凄い、いい意味でぶっ飛んでいる
    Σ(・□・;)突拍子もない展開なのに引き込まれました!

  • リカちゃん、君の気持ちは分かったから❗いったん落ち着いて~😱と叫びたくなるようなバトルシーンでした🤣ハチャメチャで元気を頂きました😍
    リカちゃんも然ることながらママの破壊力ときたら😆私は魔王推しです😁自由をありがとうございました♥️

  • 最高ですねぇ😂
    DNPコンのテーマを再解釈するきっかけになった人も多いのではないでしょうか⁇🤣

    リカちゃんには最大限に暴れていただきたいと思います👍

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