エピソード2(脚本)
〇後宮の一室
香我美怜子「えっ? ピカピカ!」
香我美時枝「そうねぇ・・・。 短い間に掃除はしたみたいね」
香我美聡子「ダイソン、マジ、神ですから」
香我美怜子「ダイ・・・ソン・・・? 殿方の名前かしら? ジェイソンとかそういう感じの」
香我美時枝「ウチの息子というれっきとした夫がいながら他の殿方の名前を口にするとは、ああ、はしたないっ!」
香我美聡子「いえ、 ダイソンは掃除機の名前で・・・」
香我美怜子「ソウ・ジキ・・・さん? その方は外国の方でいらっしゃるの?」
香我美時枝「あなたもイチイチ男の名を聞いただけで目の色を変えなくたっていいでしょう!」
香我美時枝「あなたには、王子様っていう大大大チャンスがあるんだから!」
香我美怜子「そ、そうよね!」
香我美時枝「それよりの問題なのは、ウチのヨメよ! どういう関係なの? そのダイソンとやらとは!?」
香我美聡子「いや、ダイソンというのはヒトの名前じゃなくて・・・。そうだ! 呪文です!!」
香我美時枝「はあ?」
香我美聡子「掃除が早くできるおまじないなんです! ダイソン・ソウジキ・マジ・カミ~~~」
香我美怜子「唱えるだけで、掃除が早くできちゃうの? 私も言ってみようかしら?」
あら、信じちゃったみたい
香我美時枝「洗濯ももう終わってるみたいね?」
香我美聡子「はい、時短、省エネ、大容量ファミリータイプの全自動洗濯機を・・・」
香我美時枝「はああああ!?」
香我美聡子「あ~、呪文です。洗濯が早くできる呪文。 ジタン・ショウエネ・ダイヨウリョウ・ゼンジドウ~」
香我美怜子「私も言ってみようかしら。 ジタン・・・ショウエネ・・・あと、なんだったかしら?」
香我美聡子「ノンノンノン! もっとフランス語っぽく!!! ジタン・ショウエネ~・ダイヨウリョウ・ゼンジドウセンタクキ・シュルブプレ~」
香我美怜子「・・・なんかさっきより呪文が長くなってる気がするんですけど?」
香我美時枝「バカバカしい! 魔法だかなんだか知らないけど、あなたは王子と結婚するんだからできなくていいのよ、掃除も洗濯も!」
香我美聡子「えっ? 魔法???」
香我美怜子「呪文を使うくらいなんだから、魔法なんでしょ?」
そうか・・・。
おとぎ話ってこうして作られたのかもしれないなぁ。現代人がうっかりこっちの世界に迷いこんじゃって、
現代では普通にやっていたことをこっちでやったところ魔法だって思われた、みたいな?
香我美時枝「とにかく! 今日、お城で行われるパーティは、王子のヨメ探しが目的って噂よ! 行き遅れの怜子には、最初で最後のチャンス!」
香我美聡子「お義母さん、怜子さんの年齢で行き遅れっていつの時代の話ですか・・・ってそもそも今はいつなのかしら???」
香我美時枝「もちろんあんたは家で留守番だからね!」
香我美聡子「合点承知の助!」
香我美怜子「なによ、それも呪文なの?」
香我美聡子「昔の日本・・・ではないみたいですね」
香我美聡子「・・・となれば!」
香我美聡子「ゲキヤス・ドレス・ソレナリニステキ・レンタル・シュルブプレ~!」
香我美聡子「タクシー・ハイシャアプリ・カモ~~~ン!」
香我美聡子「なるほど~、これがかぼちゃの馬車にねずみの馬か~」
〇豪華なベッドルーム
「・・・マ・・・マ・・・。 ママ・・・。 ママ、起きて」
香我美聡子「えっ?」
香我美里奈「ママ、大丈夫?」
香我美聡子「あ・・・。ごめん、里奈」
香我美聡子「私・・・どうしたんだろう?」
香我美里奈「絵本を読んでくれてて、眠っちゃったんだよ、ママ」
香我美聡子「それって・・・。前みたいに?」
香我美里奈「うん。 でも今度はママ、眠りながら笑ってた。前の時は、うなされてたけど」
香我美聡子「まあね、けっこう楽しかったし」
香我美聡子「あっ! それより、今、何時!?」
香我美里奈「5時だよ、夕方の」
香我美聡子「ヤバっ! せっかく同窓会に行けるようになったのに、遅刻しちゃう!!」
続きを楽しみにしてま~す!
様々な現代語を呪文としてしまう聡子さんの大らかなノリの良さに笑ってしまいます。確かに耳馴染みのない言葉は、今でも呪文のように感じてしまいますよね。ヤサイマシマシカラメマシアブラスクナメニンニク・シュルブプレ~!
爆笑しましたw!楽しい〜❤確かにキカイ・ルイ、ジュモンヌ・ラッシィ〜って、私のは無理があるけど童話の世界では呪文みたいですよね〜🤣特に、それなりに素敵なドレスは、激安だしレンタルって面白すぎですっ🤣「戦車」のタクシーかっこ良いですね♪聡子さん、同窓会に間に合ってください🧡 で、なんか姑と小姑をギャフンと言わせるお土産があればいいのに〜😆