空のグラス(脚本)
〇結婚式場のレストラン
司会者『さて、これより皆様のテーブルにはお食事・お酒のご用意を進めさせていただきます』
司会者『お2人から大切なゲストの皆様へのおもてなしでございます。どうぞごゆっくりとお寛ぎくださいませ。』
美空 真白(マシロ)「ミドリ!シオンさん!おめでとぉー!!」
深井 緑(ミドリ)「ありがとうマシロ!」
双葉 紫音(シオン)「マシロさん、ありがとうございます」
美空 真白(マシロ)「『おねえたん綺麗だよぉ! おにぃたん輝いてるよぉー!』」
深井 緑(ミドリ)「でたー、マシロのロリボイス! 流石、声優だけあるわね!」
美空 真白(マシロ)「何言ってるのよぉ、 ここにいる大半は声優ばかりだよぉ」
美空 真白(マシロ)「ねぇ、ミドリぃ一緒に写真いいかなぁ?」
深井 緑(ミドリ)「もちろん!2人で撮ろうね!」
双葉 紫音(シオン)「スタッフさん、すいません。 2人の写真をお願いします!」
スタッフ『かしこまりました』
スタッフ『いきますね、3.2.1はいチーズ』
美空 真白(マシロ)「じゃあ、また、落ち着いたら連絡してねぇー」
美空 真白(マシロ)「シオンさんミドリを泣かせたらぁー 『退治しちゃうぞぉ!!』なんてねぇー」
深井 緑(ミドリ)「うん、必ず連絡するね!」
双葉 紫音(シオン)「ハハハ・・・、お任せください!」
双葉 紫音(シオン)「みんなが祝福してくれている・・・ 今日は僕達が主役だ!楽しんでいこう!」
深井 緑(ミドリ)「シオン君・・・」
双葉 紫音(シオン)「ミドリ・・・」
酔っ払った同僚「ウィー、ヒック!! おーい!誓いのキスにはまだ早いぞー!」
深井 緑(ミドリ)「・・・んもう、恥ずかしい・・・」
双葉 紫音(シオン)「ハハハ・・・まいったな・・・」
双葉 紫音(シオン)「さぁ、お色直しにいかないとな・・・」
「・・・」
木ノ実 黄花(オウカ)「チッ!のろけやがって・・・」
赤坂 緋色(ヒイロ)「・・・シオン」
〇黒背景
・・・
幸せな結婚生活だと・・・
・・・
ぶち壊してやるからな──
・・・
〇空
司会者「おふたりにとっての新たな人生の第一歩、皆様どうぞ今日一番の大きな祝福でお見送りください!おめでとうございます!」
〇綺麗なダイニング
「ふぅ、疲れた──」
「えっ!同時!?」
「ハハハハハハハ・・・」
双葉 紫音(シオン)「今日からよろしくね!」
深井 緑(ミドリ)「こちらこそ!」
双葉 紫音(シオン)「チュッ!!」
深井 緑(ミドリ)「ん、もう・・・好き・・・」
双葉 紫音(シオン)「体の調子はどう?」
深井 緑(ミドリ)「うん、大丈夫だよ!気分も悪くないし」
双葉 紫音(シオン)「このお腹の中に 僕達の赤ちゃんがいるのか──」
深井 緑(ミドリ)「うん・・・でも、まだ実感がないなー」
双葉 紫音(シオン)「大きくなれ、大きくなれー」
私の名前は美緑(ミドリ)28歳、
夫の名前は紫音(シオン)28歳
2人は声優会社タップヴォイスの社員である
共演したのがキッカケで知り合い、最終話になる頃には親密な関係になっていった
人気商売の為、隠れて付き合っていたが、
妊娠した事により結婚することに・・・
まぁ、簡単に言えば『出来ちゃった結婚』だ
凄い幸せだが・・気が重いこともある・・・
〇オフィスビル
シオンの母親は誰もが知る有名声優だったが
今は一線を退き、タップヴォイスの社長として手腕を発揮している
息子のシオンは人気のある声優で、
推しメンランキングにも
上位に入っていることからネットでは──
『玉の輿に乗って旦那にも乗っちゃって』
『声優戦国時代に生き残る為の政略結婚ね』
『私のシオンさんを寝取られた返せ!』
など誹謗中傷を一斉に受け続けていた──
ミドリ・・・ミドリ・・・どうした?
〇綺麗なダイニング
双葉 紫音(シオン)「ミドリ・・・ボーっとして大丈夫?」
深井 緑(ミドリ)「う・・・うん、少し疲れちゃったのかな」
双葉 紫音(シオン)「妊娠4週目過ぎてるし 無理しないで、このまま休みなよ」
深井 緑(ミドリ)「うん・・・ありがと、そうするね」
双葉 紫音(シオン)「よし、よし・・・いい子、いい子・・・」
深井 緑(ミドリ)「もう・・・バカ・・・」
「チュッ!」
「おやすみ・・・」
〇ダブルベッドの部屋
私は何を言われても・・・
大好きなシオン君と一緒にいるからね・・・
〇綺麗なダイニング
──結婚式から2週間後
双葉 紫音(シオン)「大丈夫か?顔色が悪いぞ・・・」
深井 緑(ミドリ)「なんだかツワリが酷くて・・・ 今日も会社を休むわ・・・」
深井 緑(ミドリ)「うっ!!」
双葉 紫音(シオン)「会社には僕から連絡しておくよ! なるべく早く帰るからねー!」
ミドリ『うん、わかった・・・
いってらっしゃい・・・』
双葉 紫音(シオン)「いってきます・・・」
深井 緑(ミドリ)「ああっ!もう出かけちゃったか・・・」
深井 緑(ミドリ)「テレビでも見ようかな・・・」
〇通学路
リポーター「現場はここ小学校に近い この道で起こりました」
リポーター「29日午前1時23分頃、 大木街市内の住宅敷地において」
リポーター「美空 真白さん(28)が白い自動車にひき逃げされ搬送先の病院で死亡が確認されました」
リポーター「大木街署はひき逃げ運転していた人物の行方を追っています」
〇綺麗なダイニング
深井 緑(ミドリ)「マ、マシロ!?」
深井 緑(ミドリ)「嘘・・・、今の写真マシロ・・・」
ピンポーン♪
深井 緑(ミドリ)「こんな時に・・・誰かしら?」
すいませーん、宅配便でーす!
深井 緑(ミドリ)「ロック解除しますので 玄関前に置いておいて下さい」
かしこまりました──
深井 緑(ミドリ)(そうだ!マシロに電話だ!!)
深井 緑(ミドリ)「プルルルル・・・ 現在電波の繋がらない所に──」
深井 緑(ミドリ)「ダメだ・・・そうだ、シオン君に!」
深井 緑(ミドリ)「プルルルル・・・プルルルル・・・ピッ!!」
シオン『どうしたミドリ何かあったのか!?』
深井 緑(ミドリ)「テレビでマシロみたいな人が交通事故にあったって・・・まさか・・・本人なの!?」
シオン『あぁ・・・、
警察から報告を受けた・・・』
シオン『マシロは、ひき逃げされ亡くなったらしい・・・』
深井 緑(ミドリ)「ああああああああああああぁっ!!」
シオン『ごめん、今マスコミの対応に追われている、詳しい事はメールで送るよ』
深井 緑(ミドリ)「マシロ・・・マシロォォォ・・・!!」
〇葬儀場
シオンから送られてきたメールに目を通す
親族からの強い要望で
マシロの葬儀は家族のみで行われるらしい
私達は同じ様に
母子家庭で育っていて気が良くあった
マシロの母親とは
何回か会ってお話したこともある
我が子の突然の死を
到底受け入れられる訳がない
だから今は誰にも会いたくないのだろう
私達はもう少し日がたってから
弔いに行こうとメールを返した──
〇綺麗なダイニング
深井 緑(ミドリ)(シオン君・・・遅いな・・・ あっ・・・荷物・・・)
〇シックな玄関
深井 緑(ミドリ)「名前が書いてない・・・何かしら・・・」
深井 緑(ミドリ)「ビリ、ビリビリビリッ! ガサッ、 ガサッ!」
深井 緑(ミドリ)「えっ!?・・・財布!?」
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わ~ドロドロの予感しかしませんね😨
マシロも妊娠ですか!?
こ、これは…
続き読みますね!😆
第一話からドロドロとミステリーの展開、面白かったです🙌大罪人は誰だぁ〜??
声優ファンなので業界のアレやコレやは知っているのですが(もちろん噂レベルの話です)これは中々ドロドロの予感…… 楽しみって言うと語弊があるかもですが、楽しみです。笑