『E・Dark・Dark』〜なぜ飯田孔雀は夫殺害に至ったか〜

わらやま

第二章 「Elysian」(脚本)

『E・Dark・Dark』〜なぜ飯田孔雀は夫殺害に至ったか〜

わらやま

今すぐ読む

『E・Dark・Dark』〜なぜ飯田孔雀は夫殺害に至ったか〜
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇本棚のある部屋
  第二章
  『Elysian』
  太陽と別れ自宅に帰った私は
  身体のほてりを感じていました。
  それはサイクリングによる単純な肉体的疲労とはまた別の
  偶然の出会いに舞い上がる
  高揚感によるものでした。
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)(太陽さん・・・)
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)(素敵な人だったな)
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「あ!!太陽さんから!?」
  孔雀さん
  今日はありがとうございました
  無理言ってお付き合いいただく形となって申し訳ないです
  でも、孔雀さんとのお話はすごく楽しかったです
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「楽しかっただなんてそんな・・・」
  孔雀さんさえよければ、また近いうちにゆっくりディナーでも行きませんか?
  お返事待ってます
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「えっ!?」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「こ、これって・・・!?」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「ど、どうしよう・・・!?」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「と、とりあえず明日、雲雀に相談してから返事しよ」

〇事務所
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「おはよう雲雀」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「あ、孔雀!!おはよう!!」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「何よアンタ朝っぱらから疲れた顔してー」
  彼女は袴田雲雀
  私の同僚であり友人でもありました。
  クロスバイク購入を強く勧めてきたのも彼女でした。
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「えっ、そうかな? 昨日サイクリングに行ったからかも」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「おっ、ついに行ったのね!!」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「アンタ放っておいたら本ばっかり読んでるんだから」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「買って正解だったでしょ!?」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「う、うん」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「な、何よその反応!?」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「ねぇ雲雀 ちょっと相談に乗ってほしい事があって」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「今日ランチ一緒にどう?」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「え、ええ、いいわよ」

〇警察署の食堂
  私は太陽との出会いの事
  お誘いの連絡があった事を共有して、対応について相談しました
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「孔雀、アンタ・・・」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「面白い事になってるじゃない!!」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「面白いって・・・雲雀・・・」
  雲雀は内向的な私とは違い
  開放的な性格で明るく
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「ごめん、ごめん、冗談よ」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「本当に・・・よかったじゃない」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「そんないい人そうな人に出会えたんなら」
  それでいて私の事をしっかり考えてくれる
  大切な友人でした。
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「で、でも、昨日初めて会ったばかりだし」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「そんなの関係ないわよ」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)(太陽さんみたいなことを)
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「とりあえずもう一回会っておきなさいよ」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「私ら職場での出会いなんて全然無いんだから」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「医者は看護師にいっちゃうしさ」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「イケメン商社マンなんて最高じゃん!!」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「うーん・・・」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「アンタ一念発起してサイクリング挑戦したんでしょ!?」
袴田 雲雀(はかまだ ひばり)「何事も飛び込んでみてから考えればいいのよ!!」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「う、うん・・・」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「そうかもね」
  私は雲雀の後押しもあり、ディナーの誘いに乗る事にしました。

〇ホテルのレストラン
  太陽とのディナーは初めて会った日から10日後に実現しました。
  彼が指定した場所に言われるがままに訪れたのですが
  そこは高級フランス料理店『ジュエル・ブロション』──
  食通ではない私でも知っている有名店でした。
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「た、太陽さん、こんな高級なお店・・・」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「お恥ずかしいんですけど、私今持ち合わせが・・・」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「はは、当然私が出しますよ」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「え、でも、そんな!!」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「いえいえ、せっかく孔雀さんと再会出来たんですから」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「それくらい格好つけさせてください」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「さぁ、乾杯しましょう」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「再会を祝して」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「は、はい」
  初めて味わう『ジュエル・ブロション』の料理は
  緊張でほとんど味が分かりませんでした。
  それでも太陽と話した時間は
  幸福に包まれていました。
  そして、コースも終盤に差し掛かったころ
  2人の意外な共通点が判明したのです。

〇ホテルのレストラン
飯田 太陽(いいだ たいよう)「孔雀さんは本がお好きなんですね!? どんな本を読まれるんですか?」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「そうですね・・・ 私昔から冒険譚が好きで」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「あとは図鑑とか」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「植物や動物の図鑑をついつい読んでしまいますね」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「図鑑・・・ですか!?」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「あ、すみません、引きました? 変な趣味ですよね」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「いえ、知的な趣味でいいですね」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「孔雀さんのご両親が教育熱心だったんですかね?」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「・・・」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「どうかされましたか?」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「実は私の両親、私が幼い頃に他界していまして」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「私は母方の祖父母に引き取られて育てられたんです」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「なるべく祖父母に迷惑をかけないようにと図書館に通うようになってそれで・・・」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「・・・」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「祖父母も昨年息を引き取って・・・」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「あ、ごめんなさい!!こんな暗くなるような話をしてしまって」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「孔雀さん・・・」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「実は私も両親がいないんです」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「えっ!?」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「正確には”もういない”ですね」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「一昨年それぞれ病気で亡くなってまして・・・」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「そうでしたか・・・」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「孔雀さん・・・」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「今の話を聞いてというわけではないですが」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「私とお付き合いしていただけませんか?」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「えっ、そんな!? ご、ご冗談でしょ!?」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「冗談ではありません」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「私は両親の死を通じて学んだんです」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「人間、いつ死ぬかわからない と」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「だから後悔しないように、今、自分の胸中にある感情のまま申し上げています!!」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「どうですか?」
  不意の告白に完全に平常心を失った私ですが
  太陽との共通する境遇に運命めいたものを感じていたのは私も同じでした。
  返事は──決まっていました。
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「は、はい・・・ 私でよければ」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「う、嬉しい!!」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「これからよろしくお願いします!!」
  こうして太陽との交際が始まりました。

〇大水槽の前
  太陽との交際は刺激的な日々でした。
  内向的であまり外出をしない私にとって
  彼のエスコートによるデートは何もかもが目新しく映りました。

〇山中の川
  太陽の趣味の幅は広く
  サイクリングにキャンプといった
  アウトドアな趣味をはじめ

〇ナイトクラブ
  クラブにも連れていってもらいました。
  正直私にはあまり面白さがわかりませんでしたが
  当時の私は太陽が喜んでいるだけで
  自分も幸せな気分になったのでした。

〇怪しいロッジ
  太陽は友人やコミュニティが多く
  私もよくお呼ばれしました。
  彼が毎回私の事を自慢げに話すので
  私もまんざらではありませんでした。
  そんな交際が1年続き
  運命の日が訪れました。

〇ホテルのレストラン
飯田 太陽(いいだ たいよう)「孔雀・・・ 俺たち付き合って1年たったね」
飯田 太陽(いいだ たいよう)「覚えてる?」
飯田 孔雀(いいだ くじゃく)「忘れるわけないわ」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:第三章 「Ego」

コメント

  • ここまでは順調...まだ大丈夫...どこで急展開になるかドキドキしながらタップしてました😰
    待ってるだけで心臓に悪いです...

  • まだ18指定要素はなかったですね!!!!!
    いやぁ、しかし油断ならないのが、わらやま節!!!!!

    "完璧な家庭"という太陽さんの言い回しにずっと引っかかっているので、この辺が味噌だと勝手に思っております!!!!!

  • 面白い!先が気になります!

コメントをもっと見る(9件)

成分キーワード

ページTOPへ