愛×憎=シンデレラ

はるたみあお

テンプレですがなにか?(脚本)

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〇黒
  夢なら覚めたくなかった
  覚めない方法があるなら、
  私は────

〇事務所
  一回目の私の人生
上司「──くん、昨日お願いした書類は?」
上司「おお、流石!仕事が早い!」
上司「後は私が引き継いで仕上げよう」
  何が『仕上げ』だよ
  そのまま出して手柄横取りするくせに
  1、社畜
同僚「やーん、うちの天使ちゃんがお熱出したみたい!」
同僚「じゃあ早くお迎え行ってあげなきゃ」
同僚「でもぉ、明日までの書類残ってて〜(ちらっ)」
同僚「あっ、そうだ──さん、葉月ちゃんの同期でしょ?」
同僚「代わりにやってあげなさいよ」
同僚「え〜良いんですかぁ?」
同僚「いいの、いいの、こういうのはお互い様」
同僚「──さんも結婚して子ども出来たら、ね」
同僚「そうそう」
同僚「じゃあ、かーえろっと!」
  裏で散々デキ婚デキ婚バカにしてたくせに
  お前も社長の息子と即結婚したからって調子に乗りやがって
  2、病み

〇個室のトイレ
  ・・・はぁ・・・疲れた・・・
  ・・・もう疲れた・・・・・・
  ・・・・・・あ、れ、・・・
  な、ん・・・・・・か・・・

〇黒
  3、終了
  3単語で説明出来るような人生
  つまらない、ありふれた人生
  そんな私が、次に目を覚ましたら、

〇黒
  『愛され令嬢』になっていた────

〇白
  目が眩む程の美しさ

〇ファンタジーの学園
  何不自由のない財力

〇大広間
  愛と理解のある両親

〇立派な洋館
  そして────
  許嫁のマルベリー卿
  財力こそウェスタベル家には及ばないものの、
  誰もが羨むほどの美貌に人望、聡明さ
  どれをとってもフリージアに引けを取らない好男子らしい。
  まさに勝ち組、完璧な人生────
「・・・・・・ま、・・・・・・ぅ・・・」

〇華やかな広場
「・・・・じょ・・・・・ぉ・・・・・・さ・・・・・・」
マリア「・・・・・・お嬢様?」
  椅子に座っていたフリージアは、はっとして声のする方へと視線をやる。
  斜め前に立つ侍女マリアの手にはティーポットが握られ、フリージアへと心配そうな眼差しが注がれていた。
  紅茶の出来上がりを待つ合間に物思いに耽ってしまったらしい。ティータイム中だったとフリージアは思い出した。
フリージア「も、申し訳ありません」
  一度目の人生で癖となった言葉を思わず口にしながら誤魔化すようにティーカップを持ち上げる。
フリージア「・・・うん、良い香りね」
フリージア「それで、なんだったかしら?」
マリア「この後はドレスとアクセサリー選びのご予定が」
フリージア「どちらも十分持っているわ」
フリージア「今ある物を使い回しましょう」
マリア「いえ、そうもまいりません」
マリア「マルベリー卿との初顔合わせに失礼がないようにと、旦那様から仰せつかっていますので」
フリージア「えっ、マルベリー卿が?いつ?」
マリア「ひと月後です」
フリージア「えっ、ヤバ、」
マリア「落ち着いてください、お嬢様」
マリア「ただいま準備してまいりますので」
フリージア「・・・そ、そうね、私が焦ってもどうしようもないものね・・・」
フリージア「お願いするわ、マリア」

〇華やかな広場
  一人になったフリージアの目は、自然とテーブルに並べられた色とりどりのスイーツに引き寄せられる。
フリージア(この体(フリージア)とはいえ、少しは我慢した方が良いかな・・・)
フリージア(うーーーーん・・・・・・・・・)
フリージア(少しくらいならセーフ!)
フリージア「いただきまーす!」
フリージア「う、うまっ!」
フリージア(丁寧に焼き上げられたスポンジの上にたっぷり乗せられた生クリームはこのまま食べてもいいくらいの軽さ、これは丼一杯たべたい!)
フリージア(ショートケーキ、ショコラにベリーのように甘いものと果物の組み合わせは彩りになる一方、その酸味から単純に「酸っぱい」と)
フリージア(感じることも多いのに主張しすぎずそれでいて味に変化を生むという自らの役目はしっかり果たしている。流石選び抜かれたフルーツ)
フリージア(言うならばエリートフルーツ!)
フリージア(・・・・・・美味しいものを食べた時の喜びを長い間忘れていたような気がする・・・)
フリージア「はっ、いけない、フリージアはこういうキャラじゃないでしょ」
フリージア(常に微笑み、平常心、優雅なお嬢様)
フリージア(マリアはまだかしら──)
  フリージアの視線は屋敷の方へと向く。

〇ファンタジーの学園
  あの子・・・・・・使用人の子かな。一人だけど迷子?
  あ、こっちくる・・・。

〇華やかな広場
フリージア(子ども苦手なんだよなあ・・・)
フリージア「あの、」

〇空
  少年の息遣いを感じる程に顔が近付く。
?「・・・・・・・ぃ・・・・・」
  え?

次のエピソード:鏡よ鏡

コメント

  • 目覚めた時、ここまで自分が存在する状況が変わっていたら、どう立ち振る舞えるだろう!?と考えてしまいますねえ。そして、また夢から醒めた時の事考えるとすでに怖いです。

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