凍りつく恋人たち

NekoiRina

【第1話】悪意(脚本)

凍りつく恋人たち

NekoiRina

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〇公園のベンチ
  夜のベンチ。
  酒を片手に泣く女。
水本さち子「うっ・・・ひっく・・・どうして・・・」
水本さち子「私だけを愛してるって言ってたのに」
水本さち子「嘘つき・・・」
水本さち子「あの女さえ・・・いなければ・・・」
「夜の公園に一人は危ないですよ」

〇公園のベンチ
  音もなく現れた、真っ白な男。
クレナイ「そのご縁」
クレナイ「断ち切ってあげましょうか?」

〇幻想3
  ~凍りつく恋人たち~
  第1話「悪意」

〇レストランの個室
  私は、高嶋芽衣美。25歳。
  新卒入社の会社で、ようやく3年目を迎えることが出来た。
  最近SNSでは同期の友人たちが
  「そろそろ会社やめたい」
  なんてよく呟いているけれど、私には全くそんな気持ちは湧かない。
  だって、会社には・・・
芽衣美(メイミ)「あ!水本部長!こっちです!」
水本タカシ「ああ、芽衣美。待たせたね」
  水本部長がいるから。

〇オフィスのフロア
「ねえ、聞いた?例のプロジェクトの話」
「ああ、高嶋さんでしょ?」
「なんであんな小娘が選ばれるわけ?」
水本タカシ「高嶋さん、ちょっといい?」
芽衣美(メイミ)「は、はい!」
水本タカシ「この前、皆から募集した企画案だけど」
水本タカシ「君のが一番良かったから、採用したよ」
芽衣美(メイミ)「え!本当ですか!?嬉しい・・・!」
水本タカシ「明日からの会議。君も参加するように」
芽衣美(メイミ)「かしこまりました!」
「会議に参加?派遣社員が?」
「部長の愛人でもやってるんじゃない?」
「ありえる~www」

〇大会議室
三上あや「ちょっと、派遣さん?」
芽衣美(メイミ)「・・・はい」
三上あや「偉そうに企画なんてする前に、貴方には貴方のやるべきことがあるでしょう?」
芽衣美(メイミ)「やるべきこと」
芽衣美(メイミ)「何でしょう?」
三上あや「はあ?3年も会社にいて、そんなことも分からないの!?」
三上あや「雑用よ!雑用!」
芽衣美(メイミ)「・・・」
三上あや「明日の会議で使う資料!机の上に並べてないじゃないの!」
三上あや「印刷すらまともに出来ないの?」
三上あや「3年もこの会社で何を学んだのかしら」
芽衣美(メイミ)「・・・明日の会議資料は」
芽衣美(メイミ)「部長に確認したところ、データで良いとのことでした」
三上あや「で、データ!?」
芽衣美(メイミ)「環境保全だのSDGsだのが世界中でうたわれている昨今」
芽衣美(メイミ)「大量印刷した紙ベースでの会議スタイルは、もはや時代遅れでは?」
三上あや「な!!!!」
三上あや「なによその言い方!バカにしてるの!?」
芽衣美(メイミ)「ちなみに私の名前は「高嶋」です」
芽衣美(メイミ)「3年もおりますので、そろそろ覚えて下さいね、三上さん?」
三上あや「きーーーーー!!!!!」

〇公園のベンチ
  会社での風当たりはキツい。
芽衣美(メイミ)(水本部長は社内でも人気者だから。派遣のくせに目をかけてもらってる私のことが・・・気にくわないんだろうな)
  それでも私は・・・
芽衣美(メイミ)(貴方から離れるわけにはいかない)
芽衣美(メイミ)(だって私の目的は・・・)

〇公園のベンチ
「こんばんは」
芽衣美(メイミ)「だ、だれ!?」
クレナイ「驚かせてすみません」
クレナイ「私、クレナイと申しまして」
クレナイ「都内でクリニックを経営しております」
芽衣美(メイミ)(お医者さん?しかもイケメン・・・)
芽衣美(メイミ)「えっと・・・高嶋です。こんばんは」
クレナイ「今、実はモニターを探しておりまして」
芽衣美(メイミ)「モニター?」
クレナイ「クールスカルプティング」
クレナイ「ご存知ですか?」
芽衣美(メイミ)「クールスカ・・・る?」
クレナイ「冷却美容法です」
クレナイ「簡単に言えば脂肪を冷却して除去する」
クレナイ「若くて綺麗なうちから脂肪細胞を取り除き」
クレナイ「10年、20年、30年先も、スリムでハリのある美しい体型をキープする」
クレナイ「そんな研究を行っているのです」
芽衣美(メイミ)「へぇ~・・・なんだかスゴいですね」
クレナイ「高嶋さま、もし宜しければ」
クレナイ「その冷却美容を体験してみませんか?」
芽衣美(メイミ)「え、私?」
クレナイ「脂肪細胞は増えてしまってからでは遅い」
クレナイ「その綺麗でしなやかな身体を」
クレナイ「今のうちに保存しておくのです」

〇実験ルーム
  貴方だけ。
  特別に無料で。
  その若さと美しさを保つ為に。
芽衣美(メイミ)(そんな風に言われて思わずついて来ちゃったけれど・・・なんかイメージと違う)
クレナイ「芽衣美さん?どうされましたか?」
芽衣美(メイミ)「あ、いや、その・・・」
芽衣美(メイミ)「もっとエステっぽい場所を勝手に想像してたから、なんだかビックリしちゃって」
クレナイ「あはは。申し訳御座いません」
芽衣美(メイミ)(あ・・・そんな顔で笑うんだ・・・)
クレナイ「お洒落な空間はどうも落ち着かなくて」
芽衣美(メイミ)「確かに。分かります、その気持ち」
クレナイ「でも芽衣美さんは、お洒落なカフェが似合いそうだ」
芽衣美(メイミ)「それは・・・無理してるんです、私」

次のエピソード:【第2話】一線

コメント

  • こんばんは!
    クレナイ先生イケメンですけど怪しいにおいがプンプンします😂こうゆう日常から不思議な世界に引き込まれていく展開は怖いけど惹かれます!

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