先生! 恋愛小説で殺人事件を起こさないでくださいっ!

柚月たみ子

第4話 恋よりミステリ男子(脚本)

先生! 恋愛小説で殺人事件を起こさないでくださいっ!

柚月たみ子

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〇遊園地の全景
東雲栄「今日のデートでミステリーのことを考えたら、今後一切、協力をしてくれないだと・・・!?」
東雲栄「し、しかしサイン本は・・・吉良めきこ先生のサイン本はいいのか!?」
神崎イチゴ「潔く諦めますっ!」
東雲栄「ぐっ・・・ほ、本気のようだな・・・」
神崎イチゴ「栄くんこそ、早く本気になってよ!」
東雲栄「ぐぐっ・・・! せ、正論だ」
神崎イチゴ「それじゃあ、まずは王道のメリーゴーランドから行こう!」
東雲栄「あ、ああ・・・」

〇遊園地の広場
神崎イチゴ「えーっと、どれに乗ろうかな~」
神崎イチゴ「うふふ、折角のデートだし、やっぱりここは南瓜の馬車かしら?」
  イチゴがカラフルな南瓜の馬車に乗ろうとした時、栄がイチゴに手を差し出した。
東雲栄「ほら、足元に気をつけろよ」
神崎イチゴ「う、うん・・・」
神崎イチゴ(い、今のってエスコート!? 栄くんの顔でこんな王子様なことするなんて・・・! は、反則だよ~!)
東雲栄「ふむ・・・こういうのは子供の時以来だな」
神崎イチゴ「うふふ、ちょっと新鮮でしょ? そういうアタシもメリーゴーランドは久しぶりかも」
東雲栄「こうやって音楽に合わせて揺られる・・・まるで赤子になった気分だ」
神崎イチゴ「赤ちゃんの時の栄くんかあ。きっと可愛かったんだろうね」
東雲栄「今度写真を見せてやろうか?」
神崎イチゴ「わっ! 見てみたーい!」
神崎イチゴ(ふ、普通の会話だ! そうよ、アタシが求めていたのは、こういう普通のカップル的な会話だったのよ~!)
神崎イチゴ(それに、ミステリーのこと言わない栄くんって、普通にカッコいいし!)
神崎イチゴ(いつもこうなら、絶対モテるのにな~もったいない・・・)
神崎イチゴ(・・・でも、それはそれでちょっと寂しいような・・・?)
神崎イチゴ(だ、駄目よイチゴっ! 今は紳士でイケメンでも、それは仮の姿っ!)
神崎イチゴ「このデートが終われば、また元の変態に戻ってしまうだから!」
東雲栄「・・・変態がどうしたんだ?」
神崎イチゴ「う、ううん、何でもない~☆」
神崎イチゴ(つ、つい声に出しちゃってた)

〇ジェットコースター
神崎イチゴ「それじゃあ次はジェットコースターだよ! 栄くんは、絶叫系は平気?」
東雲栄「ああ、大丈夫だ」
神崎イチゴ「うふふ、そうなんだ~。アタシはすっごく苦手なんだ!」
東雲栄「ええ!? それじゃあ止めておいたほうがいいんじゃないか!?」
神崎イチゴ「だけどね、栄くんに恋愛の、そして遊園地デートの極意を教えるために、アタシは乗るよっ!」
東雲栄「そ、それは一体・・・!?」
神崎イチゴ「あのね、栄くん。弱っているところを優しく介抱してもらう」
神崎イチゴ「それだけでも、女の子はキュンとしちゃうの!」
神崎イチゴ(たとえそれが、ミステリ脳の変態だとしても)
神崎イチゴ「だからね、栄くん。フラフラになった可哀そうなアタシを、しっかり介抱してちょうだいね」
東雲栄「わ、分かった。責任重大だな・・・」
神崎イチゴ(うふふ、このシチュエーション、すっごく好きなんだよね~)
神崎イチゴ(それに、これで栄くんも恋愛の良さに気づいてくれるかもだし!)
神崎イチゴ(よーし! イチゴ頑張るっ!)

〇ジェットコースター
神崎イチゴ「う・・・うう。やっと終わった・・・」
神崎イチゴ(すっごく、すっごく怖かったよ~~!! でも、気分が悪くなるまではなかったな・・・)
神崎イチゴ(もう、アタシってば頑丈☆)
神崎イチゴ(でも、頑張って気分の悪いふりしなきゃ。そして、今度こそ栄くんを・・・!)
神崎イチゴ(でも・・・そうしたら栄くんとこうして遊ぶこともなくなるのかなあ・・・)
東雲栄「・・・・・・」
神崎イチゴ「あれ、栄くんどうしたの?」
東雲栄「・・・き、気持ち悪い・・・」
  よく見ると、栄の顔は真っ青で、今にも倒れてしまいそうだ。
神崎イチゴ「ええっ!? さ、栄くん!?」

〇遊園地の広場
神崎イチゴ「・・・大丈夫?」
東雲栄「ああ、すまない・・・」
神崎イチゴ(まさか、アタシが栄くんを介抱することになるなんて・・・)
神崎イチゴ(しかも、まさかの膝枕っ!! ま、まさに王道だよ~!!)
神崎イチゴ(これはさすがに、栄くんもドキドキしてるんじゃないかな・・・?)
東雲栄「ううっ・・・」
神崎イチゴ(・・・って、それどころじゃなさそうかな)
神崎イチゴ「お水、もっと飲む?」
東雲栄「いや、大丈夫だ」
神崎イチゴ「絶叫系、苦手なら言ってくれれば良かったのに」
東雲栄「いや・・・ジェットコースターは別に苦手じゃなくてだな・・・うっ!!」

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