魔女の知る罪知らぬ罪

小潟 健 (こがた けん)

9 愛し合う3人は(脚本)

魔女の知る罪知らぬ罪

小潟 健 (こがた けん)

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〇西洋の市場
  ──2年後、とある町──
勇者の小姓(勇者との決闘騒ぎからそろそろ2年ぐらいかな?)
勇者の小姓(あの後、俺は魔女さんに拐われてこの見知らぬ町にたどり着き、なんやかんやで──)
女の子「兵隊さん! こんにちは!!」
勇者の小姓「オウ、こんにちは 今日は迷子になるなよ!」
女の子「迷子になったらまたヨロシク~!!」
警備兵の男「俺が警備兵になってから6回・・・」
警備兵の男「懲りないお嬢ちゃんだぜ」

〇西洋の市場
  日が暮れれば俺の担当は終わり、帰宅する
  時期によっては酒場に顔を出す事も有るが、今はすぐに帰宅する
  何故なら

〇可愛らしいホテルの一室
警備兵の男「────」
警備兵の男「──ただいま」
魔女「──あぁ、お帰りなさい」
  今はまだ小さな変化しか無いが──
  魔女さんのお腹は、新しい命で少しだけ大きくなっていた
  俺との子供だ

〇謁見の間
  ──およそ、1年前──
国王「魔女よ、ご苦労だった──」
臣下「報奨はこちらです」
魔女「アレ? 結構多くないかい?」
臣下「エエ、それは──」
国王「いや、俺が話そう」
国王「魔女よ、貴様に頼んでいた仕事にもある程度の大きな区切りがついた」
魔女「──確かに、今回の件で向こうの暗部は壊滅した様なモンだねぇ」
国王「なのでしばらくは、貴様に頼む要件も無くなった」
魔女「お暇かい?」
国王「後1年から2年は大丈夫だろうがな──」
国王「まぁ、先の事など誰にも分からんよ」
魔女「世知辛いねぇ」
国王「次に何か有るまで今の連絡方法は確保しておけ、そうすれば貴様の所在を調べん」
魔女「維持費込みって訳だね、わかったよ」
国王「では、去らばだ」
魔女「お達者で」

〇可愛らしいホテルの一室
魔女「さーて、暇になったがやる事も特に無い」
魔女「決闘のほとぼりが冷めたとは言い難いから、師匠の所に顔をだすのも躊躇われる」
魔女「・・・・・・どうしたモンかねぇ?」
警備兵の男「ふぃー、ただいまー」
警備兵の男「おぉ、帰って来ていたんだな」
警備兵の男「もう食事は済ま──」
魔女「──ヤるか!!」
警備兵の男「ん?」
魔女「押して!」
警備兵の男「うおっ!?」
魔女「倒すッ!!」

〇西洋の市場
  アーーーーッ

〇可愛らしいホテルの一室
  ──数ヶ月後──
魔女「なんだろうね・・・凄く眠い・・・ まぁ、暇だし昼寝でもしよう」

〇黒

〇可愛らしいホテルの一室
魔女「もぐもぐもぐもぐ──」
警備兵の男「あれ? 唐揚げにレモンかけない派じゃ無かった?」
魔女「もぐもぐ──最近レモン有りが美味しくなってきたんだよ」
警備兵の男「ふーん」

〇黒

〇可愛らしいホテルの一室
魔女「・・・ダルい ・・・ムカつく ・・・イラつく」
魔女「────チッ」
魔女「原因は分かっている──── 自分をごまかしたって事実は変わらない」
魔女「アタシは────アタシが────」
魔女「──妊娠、したんだね」

〇黒

〇可愛らしいホテルの一室
警備兵の男「エッ!? 妊娠だって!!?」
警備兵の男「そうか・・・俺もとうとう父親か・・・」
魔女「平気、なんだね・・・」
警備兵の男「えっ? 何だって?」
魔女「・・・けっこうアッサリしているんだね?」
警備兵の男「いや、まぁ・・・そういう事をずっとしていたワケですし」
魔女「・・・そう、だね」
警備兵の男「そうか・・・俺が、父親か・・・」

〇黒

〇可愛らしいホテルの一室
警備兵の男「──ただいま」
魔女「──あぁ、お帰りなさい」
警備兵の男「身体は大丈夫か?」
魔女「調子は、悪くは無いね」
警備兵の男「お腹、触っても良いかな?」
魔女「良いよ、好きにしな」
警備兵の男「ああ! 耳を当てるよ」
魔女「はいはい、どうぞ」
警備兵の男「────なんか、コポコポ聴こえるぞ 子供の音だよな?」
魔女「ただのハラワタの音かも知れないよ?」
警備兵の男「子どもができる前にも聴いとけば良かった そうしたら比べられたんだけどな」
魔女「ばーか、そんな変な事をさせるかよ」
警備兵の男「ハハッ、それもそうか!」

〇黒

〇黒
  ──そして、更に数ヶ月──

〇可愛らしいホテルの一室
警備兵の男「フフッ、レアーは今日も良く寝ているな」
  ヴァンは私に触れるよりもずっと慎重に、娘の頬を指先で捏ねる
  ほんの少しだけ娘が羨ましくも、私との子を大事にするその姿に、愛しさを覚える
魔女「──そうだね 良く寝て、大人しい子らしいよ」
警備兵の男「俺に似たのかな? 俺も手の掛からない子だったと母さんがよく言ってたんだ」
魔女「ふーん、確かに、髪の毛はアンタそっくりだねえ」
警備兵の男「そうだろそうだろー!」
警備兵の男「それじゃあ、俺は仕事に行ってくるよ 日が暮れる前には帰って来るから」
魔女「──あぁ、行ってらっしゃい」
警備兵の男「行ってきます!」
魔女「・・・・・・」
  腕に抱く我が子を見詰める
魔女「────たぶん、普通の女なら、コレは幸せなんだろうね」
魔女「・・・・・・」
魔女「・・・・・・この気持ちは」
魔女「アタシが、この子に感じる気持ちは・・・」
魔女「・・・・・・」
魔女「・・・・・・ウン」
魔女「やはり・・・・・・恐怖、だねぇ」
魔女「アタシは、この子に怯えている」
魔女「必死にアタシにしがみつき、抱き上げるとすぐ笑う、良く乳を吸い──」
魔女「泣いていても、アタシの腕に収まるとすぐに泣き止む──この子が、怖い」

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コメント

  • んえぇっ!? 子供!? まああの魔女さんが大人しく家庭に収まるとは思えんけども……
    先がまったく予想出来んです❤

  • まさかこんな事になってるとは🥳おめでたい🐟️
    なるほど…魔女がヤりまくる話でしたか…🤤(違っ

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