魔法のクッキー!

あとら

エピソード9.叶子と魔法のクッキー2(脚本)

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〇車内
十六夜 綾音「さぁ、着いたわよ」

〇田舎の病院
十六夜 綾音「ここが私の職場よ ちょっとここで待っていなさい」
朝平 真実「野上さん、ほっぺは大丈夫?」
野上 叶香「うん、大丈夫だよ」
野上 叶香「それにしても、どうして叔母さんいきなり怒ったのかな?」
伊集院 累「叶香くん、 ずっと気になっていた事があるんだが」
野上 叶香「なぁに?」
十六夜 綾音「お待たせ、面会オッケーだってよ 私について来て」
野上 叶香「あっ、はい!!」

〇田舎の病院の廊下
十六夜 綾音「叶香ちゃん、さっきは殴って悪かったわね」
野上 叶香「大丈夫ですよ!!今はもう痛みも引いてますし、気にしていないので・・・・・・」
十六夜 綾音「優しいんだね。 アンタは何も関係ないのに・・・・・・」
野上 叶香「どういう事ですか?」
十六夜 綾音「面会が終わったら全てを話してあげる さぁ、行っておいで」
野上 叶香「はっ、はい!!」
朝平 真実「私達も一緒に入った方がいいですか?」
十六夜 綾音「あなた達は食堂で待っていて 退屈でしょうから、後でお茶を持っていくわね」
伊集院 累「・・・・・・ありがとうございます」
十六夜 綾音「・・・・・・最期に会わせる事が出来てよかった」

〇田舎の病院の病室
野上 叶香「失礼します」
野上 叶子「・・・・・・」
野上 叶香「寝てる?」
十六夜 綾音「・・・・・・貴女のおばあちゃんはね、 何年も前からずっとこの調子なの」
野上 叶香「おばあちゃん!?」
十六夜 綾音「病気をして眠り続けているから、刑務所から地元の病院に移動になったの。 もう罪を償う体力は無いだろうという事で」
野上 叶香「刑務所?罪? 一体、何の話をしているの?」

十六夜 綾音「叶子さんはね、昔殺人未遂と傷害罪で逮捕されたことがあるの」

〇田舎の病院の病室
野上 叶香「ウソ・・・・・・!! そんなの、何かの間違いよ!!」
十六夜 綾音「何かの間違いならどんなに良かった事か」
十六夜 綾音「でもこれは現実なのよ。貴女は真実を知りたくてここまで来たのでしょう?」
十六夜 綾音「だから、目を逸らしてはいけない。しっかりと見届けなければならない」
十六夜 綾音「寿命が来るその日まで・・・・・・」
野上 叶香「一体、何の話をしているの?」
十六夜 綾音「混乱するのも無理はないわね」
十六夜 綾音「お医者さんの話では、もう長くはないわ」
十六夜 綾音「近い内に必ず、叶子さんは亡くなる」
十六夜 綾音「・・・・・・それがお医者さんの診察結果であり、叶子さんがここに来た理由でもあるの」
野上 叶香「いっ、」

野上 叶香「いやぁああ!!」

〇田園風景
  昔々ある所に、一人の女の子がいました

〇実家の居間
  女の子はいつもひとりぼっち。
  友達もおらず一人でえんえんと泣く日々を過ごしていました

〇綺麗なキッチン
  お祖母さんは女の子の事が大嫌いでした
  四六時中泣いてばかりで、何もしない
  しかもお祖母さんは可哀想な事に、精神的に参っており、正常な判断が出来ない状態でもありました

〇散らかった研究室
  お祖母さんは看護師さんでした。
  どんな薬を使えば、女の子を黙らせる事が出来るのか、充分理解していました

〇綺麗なキッチン
  お祖母さんは病院から盗んだ薬を使い
  女の子を殺そうとしました

〇おしゃれな食堂
朝平 真実「・・・・・・なんて、恐ろしい事件なの」
伊集院 累「・・・・・・悲し過ぎる。 これでは叶香君が可哀想だ」
十六夜 綾音「殺人未遂で済んだのが唯一の救いよ」
十六夜 綾音「でも、見た感じ、 あの子には何か後遺症が残っているわね」
朝平 真実「後遺症?」
伊集院 累「恐らく・・・・・・ 記憶障がいと幻覚作用だね」
朝平 真実「幻覚・・・・・・」
朝平 真実「やっぱり、アレは・・・・・・」
伊集院 累「恐らく叶香くんは事件の瞬間、何かトラウマを植え付けられてしまい、自分の身を守る為に記憶改竄と幻覚作用を自身に施したんだ」
朝平 真実「・・・・・・」
朝平 真実「おばさま。野上さんのお祖母様は、何故傷害事件も起こしたのですか?」
十六夜 綾音「それはね・・・・・・」
朝平 真実「なに、この音!?」
伊集院 累「あちら側から聞こえたが・・・・・・」
十六夜 綾音「あちら側って、叶子さんと叶香ちゃんがいる所じゃないか!!」
朝平 真実「最低最悪な状況ね。 行きましょう、伊集院くん」
伊集院 累「無論!!」

〇田舎の病院の病室
野上 叶香「やめて!!離して!!」
ウェイター「襲撃犯が大人しく言う事を聞くと思ってんのか?めでたい奴だな、お前」
十六夜 綾音「あっ、アンタ!!」
ウェイター「・・・・・・元気そうでよかった」
十六夜 綾音「まだこんな事をしているのかい!? アンタの仕事が嫌で、離婚したのに!!」
ウェイター「そうか。俺は仕事一筋人間だからな。 あの時の選択はやはり正しかったようだな」
野上 叶子「・・・・・・」
ウェイター「ほら、お前の本当の敵が目の前にいるぞ」
立木 望「・・・・・・」
ウェイター「お前の願いが叶わないからって、無関係な人間達を巻き込むな」
立木 望「!?」
ウェイター「ハハッ、今更恐れる必要がどこにある? お前は既に立派な加害者だよ」
ウェイター「一思いにあの世へ送ってやれ。その婆さんに関しては死ぬのが早いか遅いかの違いだけだ」
立木 望「くっ・・・・・・」
立木 望「くそがぁああ!!」
野上 叶香「やめてぇえええ!!」

次のエピソード:エピソード10.叶子と魔法のクッキー3

コメント

  • 驚きの展開と衝撃の真実に圧倒されてしまいました。まさか、、、という心境です。第1話から登場している魔法のクッキーの真実って、、、

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