エピソード10.叶子と魔法のクッキー3(脚本)
〇田舎の病院の病室
〇田舎の病院の病室
野上 叶子「・・・・・・」
立木 望「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」
ウェイター「何から何まで手が掛かる男だ」
立木 望「やめろ!! お前は手出しするな!!」
ウェイター「はぁ・・・・・・」
ウェイター「魔法のクッキーとやらを使いこなせない。金も碌に稼げない。飲みの席で延々と婆さんへの恨み辛みを聞かされ、」
ウェイター「挙句の果てには、 責任逃れのカッコつけポーズ」
ウェイター「お前、一体何がしたいんだよ」
立木 望「ぼ、僕は、ただ・・・・・・」
ウェイター「もういいよ。お前に願いを叶える力は無い」
立木 望「あっ・・・・・・」
ウェイター「お前、先に逝ってろ」
立木 望「うぅ・・・・・・」
野上 叶香「いやぁあ!!」
ウェイター「親戚の無残な姿にショックを受けている所悪いんだが、お前は俺達と一緒に来てもらう」
朝平 真実「そんな事はさせないわ!!」
ウェイター「悪いが連れを待たせている。 悪縁が有ればまた逢おう・・・・・・」
伊集院 累「うぉおおお!!」
ウェイター「ぐっ・・・・・・」
野上 叶香「ぴぇん!!」
ウェイター「チッ」
伊集院 累「これ以上、叶香くんに辛い思いはさせない!」
野上 叶香「えーん!!伊集院くん、ありがとう!!」
ウェイター「へぇ、やるじゃんお前 それとも俺が年取った?」
十六夜 綾音「アンタは私と同い年だろ!!」
ウェイター「あぁ、通りで体の疲れが取れないわけだ」
十六夜 綾音「あぁ、そうだよ!! だからアンタの相手は私で充分なんだよ!!」
十六夜 綾音「アンタ達、叶香ちゃんを連れてここから逃げな!!」
朝平 真実「分かりました」
野上 叶香「待って、叔母さん達はどうするの!?」
十六夜 綾音「大丈夫。こんだけドンパチやってりゃあ、イヤでも警察は動いてくれるだろうよ。ここには、犯罪者がいるんだから」
野上 叶香「でも、叔母さん達を置いては行けないよ!!」
十六夜 綾音「・・・・・・」
十六夜 綾音「節那の事、頼んだよ」
野上 叶香「・・・・・・」
野上 叶香「うん!!」
ウェイター「あっ、やっぱり記憶は無くしているクチか」
十六夜 綾音「だからなんだっていうんだい!!」
ウェイター「いや、俺達に気付かなかったから、 おかしいなぁと思っただけ」
十六夜 綾音「・・・・・・」
十六夜 綾音「出来れば、気付いて欲しくない事実もあるんだけどね・・・・・・知ってしまうんだろうね・・・・・・」
〇田舎の病院の廊下
朝平 真実「もう少しで外に出れるわ 頑張って走って!!」
野上 叶香「あっ、あの人!!」
如月 早苗「野上 叶香・・・・・・!!」
野上 叶香「如月さん!!あのね、私、貴女に謝らなきゃいけない事が・・・・・・」
如月 早苗「謝る、何を?」
野上 叶香「如月さんから、伊集院君を奪ってしまった事」
野上 叶香「それに魔法のクッキーや、あの変な男の人と一緒に居たって事は、色々知っているんだよね?」
如月 早苗「知ってるわよ。 ・・・・・・だから何?」
野上 叶香「えっ?」
如月 早苗「あぁ、でも謝って欲しい事は、一つだけあったわね」
如月 早苗「野上さん、貴女のせいで私は恥をかいた」
如月 早苗「その事を謝ってちょうだい!!」
野上 叶香「なんのこと? 伊集院君の事で怒ってるんじゃないの?」
如月 早苗「もう終わった恋に興味なんて無いわ 元々パパは伊集院君と付き合うのには反対してたし・・・・・・」
如月 早苗「あの別れ方は誰がどう見ても、清く正しく美しかったでしょう?」
朝平 真実「・・・・・・呆れた 貴女、本当に自分の事しか考えていないのね」
如月 早苗「普通の女子高生は、そんなもんでしょ? 貴女だって内申点目当てで委員長になったクチだもんね」
朝平 真実「一緒に時間を過ごしていれば、 特定の人物に対して情が湧いてくるものよ」
朝平 真実「同情した私が馬鹿だった。 魔法のクッキーの事、教えるんじゃなかった」
如月 早苗「ホント、何でも見透かしてきて、 本当に腹立つ人ね、貴女」
如月 早苗「そういうところ、ホント疲れる」
ウェイター「へぇ、アイツよりは使えるじゃん 足止めご苦労さん」
如月 早苗「働いてくれたら私の願いを叶えてくれるって、言ったんじゃない」
ウェイター「そうだったな」
ウェイター「三人の中から死んで欲しい奴を選びな」
如月 早苗「そんなの決まってるじゃない。 私が一番気に食わない人は・・・・・・」
如月 早苗「朝平 真実よ!! そいつを先にやっちゃってちょうだい!!」
ウェイター「あれ、お前、 野上 叶香が憎いんじゃなかったの?」
如月 早苗「そいつがいると、ムカムカして・・・・・・ 私は清く正しく美しくいられない!!!!!!」
ウェイター「あっそ。まぁ、野上 叶香じゃなくて良かったわ」
ウェイター「サービス料だ。俺が手を下してやるよ」
朝平 真実「キャッ!!」
野上 叶香「朝平さん!!」
〇田舎の病院の廊下
伊集院 累「ぐっ・・・・・・!!」
朝平 真実「伊集院君、どうして・・・・・・!?」
伊集院 累「レディに似合う赤は・・・・・・ 薔薇の花・・・・・・だけだよ」
朝平 真実「!!」
ウェイター「あー、この主人公ムーブ、超ウザいわ。 一瞬だけ望の気持ちが分かったわ」
伊集院 累「・・・・・・主人公だか、なんだか、知らないけど・・・・・・」
伊集院 累「僕は女性が傷付くのを見るのが嫌なだけさ」
ウェイター「そっか。じゃあ君、俺と相性最悪だね」
伊集院 累「に・・・・・・げて・・・・・・ 朝、平・・・・・・さ・・・・・・」
如月 早苗「いやぁ!!」
朝平 真実「伊集院君!!」
野上 叶香「・・・・・・」
野上 叶香「逃げるよ!!朝平さん!!」
朝平 真実「でも・・・・・・伊集院君が・・・・・・」
野上 叶香「いいから、早く!!」
朝平 真実「きゃっ!!」
ウェイター「お前、頭良いのな」
伊集院 累「お前は、叶香くんを・・・・・・殺せない・・・・・・さっき・・・・・・そう言ってたから・・・・・・」
ウェイター「うん、そうだよ」
伊集院 累「・・・・・・この状況でトイレットペーパーを出すとか、何考えてんだ・・・・・・」
ウェイター「包帯だよ、バカ」
ウェイター「俺からのプレゼント。上手く活用してくれ」
〇田舎の病院
朝平 真実「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」
野上 叶香「朝平さん頑張って!!警察の人が来るまで、あの男の人から逃げ続けよう!!」
朝平 真実「伊集院君、大丈夫かしら?」
野上 叶香「絶対大丈夫!!伊集院君は強いもん!!」
野上 叶香「それに・・・・・・」
野上 叶香「節那に応援を頼むから、大丈夫!! 何とかなるよ!!」
朝平 真実「・・・・・・ねぇ、野上さん ずっと、気になっていた事があるの」
野上 叶香「なぁに?」
朝平 真実「節那さんって・・・・・・」
朝平 真実「誰?」
真実さんのラストのセリフって、、、確かにこの修羅場に節那くんが現れていないことが疑問でしたが、、、毎回何か裏切られます💦