異世界で牢屋に入れられましたが、異世界から来て牢屋に入れられた人がいました

空木切

11.みんなで手を繋ごう(脚本)

異世界で牢屋に入れられましたが、異世界から来て牢屋に入れられた人がいました

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〇研究施設の廊下
梨夢(りむ)「玉を投げるも状況変わらず!次!」
パスカル「でやあっ!!」
侍丸「はっ!!!」
侍丸「妙な生き物は扉に張り付いたまま、未だ健在でござる」
梨夢(りむ)「うーん。力自慢の二人でも駄目か。やっぱり元の場所に帰すしかなさそうだな・・・」

〇研究所の中
ヴェロニカ「貴方ね、こんな簡単なことも分からないの?」
ネイト「知るわけないだろう!そっちの世界の常識を言われても困る!!」
ヴェロニカ「世界だとかは関係ありませんわ。いいこと?この数字の意味をよく考えてみなさいな・・・」

〇魔物の巣窟
ネイト「本当にここを調べるのか・・・?」
パスカル「何かあればすぐに呼べ。助けに行く」
侍丸「拙者もいるでござるよ~!」
ネイト「・・・や、やるか・・・」

〇牢獄
侍丸「それで、すごい驚いてたんでござるよ~」
ネイト「う、うるさいな。しょうがないだろうあれは・・・」
ヴェロニカ「さぞ面白い光景だったんでしょうね」
パスカル「しかしあれは予測できなかったな」
ネイト「次はきちんと観察をしてから動くことにする」
梨夢(りむ)「さすがは研究者・・・」
ネイト「そうだろうそうだろう!!同じ失敗は二度としないんだ!!」
ヴェロニカ「貴方が言うと全く説得力がありませんわね・・・」

〇研究施設の廊下
  二週間後・・・
ネイト「魔法陣を描いた紙を置いて・・・と」
ネイト「よし。やるぞ」
ネイト「魔力を流し込む」
ネイト「・・・」
ネイト「・・・!!消えた!!」
パスカル「扉は開けられるか?」
ネイト「・・・」
  ガチャッ!(扉の開く音)
ネイト「開いた!やった!!これで地上に出られる!!」
侍丸「ついに成功でござるな」
ヴェロニカ「ああよかった。干からびた固いパンは二度と食べたくありませんわ」
梨夢(りむ)「ちょっと。違うでしょ」
ヴェロニカ「何がですの?」
梨夢(りむ)「しょうがない。私が見本を見せてあげよう」
梨夢(りむ)「・・・すぅーっ」
梨夢(りむ)「いよっしゃああぁああーーーッッッ!!!!ついにやったぜ俺たちッッッ!!!!地下牢から脱出成功だぜぇーーっ!!!」
ネイト「地下牢・・・」
ヴェロニカ「まさにその通りですわね」
梨夢(りむ)「ほら、みんなもやって」
ヴェロニカ「やりませんわ。疲労も限界です」
ネイト「なぜ君がそんなに元気なのか分からない・・・」
梨夢(りむ)「だって、やっと家に帰れるからね」
ネイト「・・・」
ヴェロニカ「・・・」
侍丸「やっぱり帰るでござるか」
梨夢(りむ)「うん。みんなも帰るでしょ?」
パスカル「・・・俺は、少し悩んでいる」
侍丸「拙者もでござる」
ネイト「ここで生きていくつもりでも、僕は構わない。この研究所で好きに寝泊まりしてくれ」
梨夢(りむ)「みんなお疲れ!!じゃあ私は家に帰るね!!」
パスカル「待て待て」
侍丸「梨夢殿の思い切りの良さはなんなんでござるか」
梨夢(りむ)「な、なぜ阻む」
ネイト「帰っていいとは言っていない」
ヴェロニカ「・・・」
ヴェロニカ「そうなんですのね、貴方は」
ヴェロニカ「私たちのことなど、どうでもいいのでしょう?」
ヴェロニカ「私たちが貴方に何を言おうと、何を考えていようと・・・貴方は自分の欲求が一番大事なのですね」
梨夢(りむ)「・・・」
ヴェロニカ「でもおかしいことではありませんわね。それが普通ですわ。私もそうですし」
ヴェロニカ「・・・」
ヴェロニカ「貴方は十分に勤めを果たしました。ご苦労様。帰りたければお好きにどうぞ」
ネイト「えっ。僕はまだ許可を出してな・・・」
ヴェロニカ「さあどうぞ。長い間大変でしたわね」
ネイト(無視・・・!)
梨夢(りむ)「それじゃあ・・・元気でね、みんな」
梨夢(りむ)「・・・」
梨夢(りむ)「・・・・・・」

次のエピソード:12.困ったなあ

コメント

  • この個性的すぎる面々にも芽生えた連帯感、仲間意識。それが元の世界に帰るにあたっての足枷となろうとは。。。
    梨夢さんは仲間との友愛とイクラ愛のどちらが勝るのか見物ですね。でも冷蔵庫のイクラはもう賞味期限が、、、

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