7.悪役令嬢の憂鬱3(脚本)
〇華やかな裏庭
アンナ「きゃっ!!」
ヴェロニカ「あら、ごめんなさい。足元にいたから気付かなかったわ」
ヴェロニカ「文句があるなら言ってみなさいよ。このスーヴェニアン家の私に言えるものならね!!」
アンナ「・・・それの何がすごいんですか。家の名前だけですよね?」
ヴェロニカ「はあ?貧民の出で、運良くこの学園に入学しただけの存在が何を言っているんですの?」
アンナ「他に誇れるものがないんですか?」
ヴェロニカ「何を馬鹿なことを!人はね、出身で全てが決まっているの!貴方と私じゃ、生まれた時点で天と地の差があるのよ!!」
女子生徒A「うーわーまたやってるよ・・・」
女子生徒B「ヴェロニカ様も飽きないよねえ」
女子生徒A「あれ?貴方、以前はヴェロニカ様の取り巻きだったくせに」
女子生徒B「最近ね、アンナ様とお友達になったの。とても良い子で・・・考え方も変わってきたかも」
女子生徒B「アンナ様を見てるとね、大事なのは出身とか、家柄じゃないって思えるの。私の家も大きくないから・・・」
女子生徒B「なんだか、目が覚めた感じ」
アンナ「それでは・・・失礼します」
ヴェロニカ「・・・」
女子生徒たち「知ってる?ヴェロニカ様、この前のテストでアンナ様に負けたらしいわよ」
女子生徒たち「あの人、偉そうにしてばっかりで自分は何も持ってないのね。どんなに立派な家柄でも、本人に何もないなら意味ないわよ」
女子生徒たち「やっぱりアンナ様が言うことの方が正しいのよ」
女子生徒たち「ヴェロニカ様は自信だけあって、いつも間違いだらけだものね・・・この前の授業でも・・・」
女子生徒たち「そんな間違いを?ふふふ・・・!私も見たかったわぁ」
〇牢獄
ヴェロニカ(やだ・・・笑わないで・・・)
ヴェロニカ(笑わないでよっっ!!!私は間違ってない!!!)
ヴェロニカ「間違ってな・・・」
梨夢(りむ)「ベニちゃん、入っていい?」
ヴェロニカ「・・・なんですの。私が全部間違っていました。貴方の方が正しいんです」
梨夢(りむ)「いや正直、全部間違ってるのはネイトの方だと思うんだけど・・・」
梨夢(りむ)「ベニちゃんは被害者だし・・・言ってることも正論だったし・・・」
ヴェロニカ「・・・」
梨夢(りむ)「あーあ。早く帰りたいよねえ・・・」
ヴェロニカ「・・・」
梨夢(りむ)「・・・」
ヴェロニカ「いつまでそこにいるんですの?」
梨夢(りむ)「えっ。いたら駄目?ネイトが追いかけてきたら嫌だなーと思って」
梨夢(りむ)「もし来たらベニちゃんに追い払ってもらおうかと・・・」
ヴェロニカ「だから、どうして全部私に押し付けるんですか・・・」
梨夢(りむ)「強そうだから」
ヴェロニカ「それは、どういう意味ですの?」
梨夢(りむ)「つ、強いお嬢様だから・・・?」
ヴェロニカ「・・・ふん。まあ、いいでしょう。どうせ貴方程度では何もできないのは分かりきっていますし」
ヴェロニカ「・・・」
梨夢(りむ)「じゃ、来たらお願いいたしますわ。私は疲れたので寝ますわよ」
ヴェロニカ「ええっ!どうしてここで寝るんですの!?ちょっと!!神経図太いにもほどがありませんこと!?」
ヴェロニカ「信じられない子ですわ・・・」
ヴェロニカ「寝顔もマヌケね・・・ふふ」
ヴェロニカ様も、やはり苦悩を抱える人だったのですね。。。
今のところ、元の世界に帰ることに強い意志を持つのは梨夢さんのみでしょうか。梨夢さんはただのイクラ愛という感じですがw