花を咲かせよう(脚本)
〇小さい会議室
私は休日のジョギング以外に、仕事の通勤でも、一駅手前の駅で乗り降りして、歩く事を始めた
そのため、以前よりも早く起きる事になり、帰宅後の家事も増えたような気がした。年寄りはこうして早起きになっていくのだろうか
早起きをするようになると、早寝もしたくなる。会社員の私には少し難しいが、それでも30分くらいは早寝になった
私の職場は若い女性が多い。今の私から見て、皆羨ましい体型をしている。昔の私も同じくらいだったと思うのは、妄想なのだろうか
〇土手
ダイエット開始から3週目の休日。体は相変わらず重く、吹き出す汗はうっとうしい
私が気がついた事といえば、走ることは疲れるという事
呼吸が苦しくなると、肺も痛いし、心臓も激しく動き出す。心臓の鼓動が早くなると、さらに呼吸は苦しくなる
おまけにお腹の脇腹も痛くなる。連動している感覚ではないが、、足の裏、ふくらはぎ、太ももも痛くなる
トキメ「何で走ってるんだろう」
息継ぎの間に、時々そんな言葉が口から漏れる。そんなヘトヘトな私を、ベテランランナーが度々追い抜いていく
彼ら、彼女ら、それに年配者のランナー。皆は苦しくないのか。何で続けられるのかが不思議だった
〇綺麗なリビング
家に戻ると体はぐったり。ただしノルマを達成したことには満足をする
ジョギング用の腕時計を購入してから、走る時間を1時間と決めた。その代わりゆっくりでもOK。大事なのは続ける事だから
〇綺麗なリビング
食事制限も継続している。まぁそれ程きっちりしていない、ゆるゆるな食事制限だけど
夕食のご飯0.25合にも馴れてきた。昼食は手作りお弁当。これは単純にお金の節約。これまでもずっとやってきた事
朝食はかなり適当だ。乾麺のうどんや蕎麦を食べる時はまだ健康的。それとは別に時々カップラーメン等を食べる事もある
〇コンビニの店内
健康的な食品を気にすると、食べてはいけないと言われやすいカップラーメンやインスタントラーメン
でもその食品の企画開発をしている人達はその道のプロ
プロ達がカロリー計算もしながら、流行りの味付けをしているカップラーメンやインスタントラーメン。実は侮れないと考えている
だから私は定期的にカップラーメンやインスタントラーメンを購入している
一応は災害時用に購入しているものだけど。それを賞味期限が近づいてきたら食べる「ローリングストック」。あくまでも建前だけど
回数的には月に1~2回。朝が忙しい日、例えば月に1回の不燃物のゴミの日等、手を抜きたい時に食べている
〇綺麗なリビング
仕事の日のウォーキング、休日のジョギング、夕食の食事制限。これだけやれば充分だろう
充分だろう?・・・何がなのか。体重を減らす。脂肪を落とす。そして痩せる。私の体のイメージは・・・
体重を減らす事だけを考えて、摂食障がいになる人もいる。必ずしも痩せている人が良いとも思えない
理想的な体型。私が目指す体型を、改めて考えてみた
〇綺麗なリビング
パソコンでグラビアアイドルの動画を見てみた。痩せている女の子、グラマーな女の子、タイプは色々
改めてみると、自分の年齢とのギャップを感じてしまう。見る場所はそこではないのに、避けては通れない「嫌味な壁」
それでも自分の目指すボディー探しは続けた。流行りのグラビアアイドル達の水着姿を数分で切り替えながら、細かくチェックした
〇海辺
私はグラビアアイドル達を見続けるうちに、ある事に気がついた
自分がウエストに注目している事
胸を見ても意味はない。脚線美も気にはなったが、お腹周りに何かを感じた
痩せているアイドル、グラマーなアイドル。そのお腹周り。そこに何か私との違いがあった
〇白いバスルーム
その日お風呂に入る時、私が気になっていた事に気がついた
「おへそ」だ。アイドルの女の子達は体を仕事にしているだけあって、日々頑張っいる。お腹周りもかなり意識をされていると思う
そのせいかお腹周リの脂肪は少なく、当然「おへそ」周りの脂肪も少ない。加えて鍛えられた適度な筋肉が、「ハリ」を与えている
しかし私の「おへそ」は、ショボンとして下を向いているようだった
〇綺麗なリビング
食事療法と運動で脂肪は落ちると思う。でもそれだけでは、綺麗な体の形にはならない。
だから体を作らなければいけないのだ
それに必要な事は多分、いや、絶対にやるべき事は筋トレ。筋肉をつけるトレーニングだ
体の形は、脂肪を減らす事と筋肉をつける事の組み合わせで、自分にとって理想的な体型を作る事が出来る
それを証明している代表の一つが、ボディービルなのだと思う
〇密林の中
私の中の化け物人間「ボディービルダー」。実は英語の先生くらい凄い人なのかもしれない
運動と縁の無い生活をしていた私。これから筋トレを学ぶのは、年をとってから英会話を習うのと似ていると感じた
かつてのボディービルダーが言っていたように、筋肉が育てるものなのなら、私は盆栽のように育てればいいんだと思った
〇花模様3
私がこれから育てるもの。それは「へその花」。今の私のしょんぼりしたへそではなく元気に張りのある「へそ」
若くて健康的な女性のように、腹筋周りの脂肪を落とし筋肉で張りをつけて、「へその花」開花させるのだ
我ながらGoodなアイデア。「へその花」という響きが、何となく目指す目標としては心地よかったからかも
〇綺麗なリビング
「へその花」の開花。そのためにはこれまで行っていた食事療法、ジョギング、ウォーキングの他、筋トレの腹筋が必要となる
腹筋・・・最後にやったのは高校生の頃だろうか。床に寝そべって、確か両手は後頭部に。そして上半身を上へ・・・
上がらない。首は上がるのに、そこから下が持ち上がらない。それなのに力の入ったお腹の筋肉は、ピクピク震えている
2回、3回、首しか上がらない腹筋
逆はどうだろうか。そのまま寝転んで、両足を真上に上げてみた。お腹の力は使うものの、普通の腹筋よりもやりやすい
とりあえず私なりの腹筋の形は出来た。1回、2回・・・なんとか10回まで出来た
〇綺麗なリビング
腕立て伏せ・・・なんていうのもあったかな
胸はおへそからは少し離れているけど、同じフロアにはあるし。一応やってみて、マッチョにあるようならやめる事にした
足のつま先と両手の4点で体を浮かし、体全体をゆっくり落とす
ベター。体全体が床に落ちてしまった。こちらもやはり筋肉不足。仕方がない
この時のやり方は知っていた。両ひざも床につけて行う。そうすると体の重さは半減するので一気に楽になる
かつて私はこのやり方をテレビで見て、オバサンスタイルと馬鹿にしていた。私もついにオバサンスタイル
なんだか若い頃馬鹿にしていたマッチョやオバサンに、土下座で何回も謝罪している気分になった
でもこのやり方だと、15回行う事が出来た
職場の女の子だったかな、言っていたのは。なんでも筋トレは、3セットくらいやらないといけないのだとか
足上げ腹筋と土下座腕立て伏せ。私は何とか頑張って3セット行った
〇美しい草原
走ると足がピクピクする。腹筋や腕立て伏せもピクピクする
筋肉はピュアな生き物だったっけ。きっとアリよりも小さく、それでいて働き者な妖精なのかもしれない
まだまだ成長はこれからだけど、なんか小さなペットを飼い始めた気分になった。わりと甘噛されて痛いけど
〇白いバスルーム
ダイエットと体型作り。開始してから2ヶ月経つ頃、ようやく体重が1kg落とす事が出来た
たった1kg。でも、いつも履いているパンツは履きやすくなっていた。ベルトの穴の位置も、もうすぐ一つ縮まりそうな状態だ
ジョギング、ウォーキングに加えて始めた私なりの腹筋と土下座腕立て伏せ。目標は「へその花」の開花だ
うーん、同じような経験をしている物語を見ると、私自身も頑張らないとと思ってきますね。最近のカップ麺・インスタント麺が異様に健康志向のものが増えたのも、こうしたニーズによるものなのでしょうね、、