水葬:秋桜里(脚本)
〇海岸の岩場
白野秋桜里「・・・ごめんね」
〇水中
白野秋桜里「その写真を見せられた時、私は『ついにばれてしまった』と恐怖した」
白野秋桜里「紅と付き合いだして1年」
白野秋桜里「周囲には隠れて恋人として過ごしてきた」
白野秋桜里「そして迎えたクリスマス」
白野秋桜里「好きな相手と身体を重ねる事ができて幸せだった」
白野秋桜里「・・・本当に?」
白野秋桜里「紅の事が好き」
白野秋桜里「そこに疑いは無い」
白野秋桜里「・・・けれど心の中ではずっと考えていた」
白野秋桜里「私達は幸せな結末を迎える事が出来るのだろうか?」
白野秋桜里「千代美には伝えていない」
白野秋桜里「両親にも伝えていない」
白野秋桜里「誰にも」
白野秋桜里「紅以外、誰も知らない私達の関係」
白野秋桜里「紅は言う」
白野秋桜里「『秋桜里さえいればいい』」
白野秋桜里「『他には何もいらない』」
白野秋桜里「『どんな困難にだって立ち向かっていける』」
白野秋桜里「『貴方の事を愛している』」
白野秋桜里「私が好きな笑顔で 私が愛した顔で」
白野秋桜里「私が・・・」
白野秋桜里「私がどれだけ覚悟を決めたつもりでも舌がもつれそうになる言葉を」
白野秋桜里「怖かった」
白野秋桜里「怖かった怖かった怖かった怖かった怖かった怖かった怖かった怖かった怖かった」
白野秋桜里「周囲から奇異の目で見られる事が」
白野秋桜里「親友から、親から失望されることが」
白野秋桜里「そしてなによりも、紅が私のこの恐怖に気付いてしまう事が!!」
白野秋桜里「・・・だから」
白野秋桜里「だから全て、今のままで消えてしまえばいいと思った」
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