パシリ屋小走駿太郎

芹川サンキュー

エピソード12(脚本)

パシリ屋小走駿太郎

芹川サンキュー

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〇高級一戸建て
小走駿太郎「じゃあな」
  窓越しに早希が紙袋を渡す。
小走駿太郎「なんだこれ?」
武井早希「お見舞い用のフルーツ。 山本さん、甘いの嫌いだから小走さんと只野さんにって」
小走駿太郎「フルーツだって!?」
小走駿太郎「一億もあってフルーツたぁ、ケチくせえジジイだ」
只野太「もう! 駿ちゃん!」
只野太「あ、武井さん。美味しくいただきますね!」
吉永麻衣「色々とお世話になりました」
小走駿太郎「ほんとだよ。 こっちは丸2日休業して、長野までタダで往復してんだから」
武井早希「小走さん」
小走駿太郎「あ?」
小走駿太郎「うわっ、汚ね! 何すんだよ!」
武井早希「汚いって何よ! せっかく人がサービスしてあげたっていうのに」
只野太「いいなー駿ちゃん」
小走駿太郎「よくねえよ! そんなもんより金だ。金!」
只野太「武井さん、僕には?」
武井早希「ちょっと頑張りが足りなかったかな」
只野太「ちぇ」
吉永麻衣「私がしようか?」
只野太「だ、大丈夫です!」

〇高級一戸建て
武井早希「小走さん! またパシリ屋お願いね!」
小走駿太郎「だーかーらー、パシリ屋じゃなくて便利屋パシリーだっつーの!」

〇通学路

〇停車した車内
只野太「なんか、色々あって面白かったね」
小走駿太郎「俺はタダ働きで疲れただけ」
只野太「佳代さんも粋なことするよね。 娘の通帳を離れ離れになった父親の家にそっと届けるなんて」
小走駿太郎「死んで会えないんじゃ意味ねーけどな」
只野太「でも、それが結局みんなの再会のきっかけになったわけだし」
小走駿太郎「あーあ、ちったあ分けてくれりゃいいのにな」
小走駿太郎「一億あるのにケチくせえー」
只野太「あのお金は、ちゃんと綺麗に処理する必要のあるお金だって。 麻衣さんが言ってたでしょ」
小走駿太郎「50年も使わず取っといたのになんだかなー」
只野太「まあ、あのお金のおかげで山本さんも手術受けることになったんだからよかったじゃない」
小走駿太郎「知ーらね。好き勝手やってくれや」

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