エピソード15 復讐の果て(脚本)
〇ホテルの部屋
復讐を終え、引き払うために整理したオフィスの一室で、ベッドに腰を掛けてなんとなく窓の外を眺めていた。
傍らにはスーツケース。
自分のことを誰も知らない、どこか遠くに行きたいと思っていた。
そっとシーツに手を触れる。
このベッドで乱れていた梓を思い返し、息苦しいような気持ちになっていた。
〇ホテルの部屋
自分はなぜここに留まっているのか。
早く出発すべきなのに。
どこかで予感がしているんだ。
今日、ここに梓が来てくれるのではないかという淡い期待。
ボーッと窓の外を眺めていると、不意に響くノックの音。
尋常じゃないほどに、鼓動が跳ねあがる。
どうぞ、と言うと、
おずおずと梓が姿を現した。
〇ホテルの部屋
ああ、梓。
君はいつも同じ顔を俺に見せる。
どこか怯えたような落ち着かない様子で、震えるようにこちらを見るんだ。
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