しりとりデッドラン

森澤 友亮

第三話 走れ、探せ!(脚本)

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〇動物園の入口
池田景「と、とにかくラジオスターっていうなら、ラジオ局にいるはずだよな!?」
  そうと決まれば、俺はラジオ局に向けて走り出した。

〇オフィスの廊下
池田景「はあ・・・やっとついた!」
  急いでラジオ局までやってきたが、動物園からは少し距離があったため、それなりに時間を使ってしまった。
首輪「ピー、35分経過」
池田景「移動だけでかなりかかったな・・・。早くラジオスターとやらを見つけないと!」
  とりあえず、受付を通って局内に入ろうとしたのだが・・・。
守衛「ちょっと! 中に入るには入館証が必要ですよ」
守衛「ないなら、この紙に所属事務等を記入してください」
池田景「えっと、そういうのはないんですけど、どうしても中に入りたくて・・・」
守衛「そんな理由では入れませんよ」
池田景「そ、そこをなんとか! 命がかかってるんです!」
守衛「無理です! あんまりしつこいと警察を呼びますよ」
  さすがに強行突破はできないし、いったいどうすればいいのか・・・。
池田景(俺の横を芸能人と思われる人たちが通り過ぎていくし、なんとか連れて行ってくれないかな)
池田景「って、あれ?」
小山弥子「守衛さん、今日もお疲れ様です~」
守衛「ああ、弥子ちゃん。今日もがんばってね」
池田景「なっ!? ちょ、ちょっと待って!」
小山弥子「あら、景くん。こんなところで偶然ね」
池田景「偶然なわけあるか! どういうことだ!?」
小山弥子「わたしはこれから、レギュラーでやってるラジオ番組の収録なの」
小山弥子「そんなわけだから、じゃあね」
  弥子はそう言って、さっさと局内に入っていこうとするのだが・・・。
池田景(レギュラー番組? いや、今はそれよりも・・・!)
池田景「頼む、俺も中に入れてくれ! 友達の見学者ってことにして!」
小山弥子「ええ~? わたし、仕事とプライベートは分ける派なのよね」
池田景「頼む! なんでもするから!」
首輪「ピー、40分経過」
池田景「ああ、あと10分しかない!! 頼む!」
小山弥子「・・・なんでも、してくれるの?」
池田景「ああ! 男に二言はない!」
小山弥子「えっと・・・それなら・・・」
  急に弥子が恥ずかしそうな顔をし始めた。
池田景(いったい、何を言う気なんだ・・・?)
小山弥子「キスしてくれたら、いいよ?」
池田景「き、キス!?」
小山弥子「できないなら、連れてってあげない」
  突然、そんなこと言われても心の準備が・・・!
  弥子はかなり可愛いし、それ自体は嬉しいが、何か裏がある気が・・・。
首輪「ピー、残り9分です」
池田景「ああもう! 考えてる暇はない!」
小山弥子「きゃっ」
  俺はそのまま弥子に近づき、顔を近づけてそっとキスをした。
池田景(・・・女の子とキスをするなら、もっと良い雰囲気でしたかったなあ)
小山弥子「ふふ・・・嬉しい」
小山弥子「じゃあ、約束通りに連れてってあげる」
  そうして、弥子に連れられて局内に入ることができた。
小山弥子「それじゃ、わたしは仕事があるから、がんばってね」
  そう言って弥子は笑いながら去って行った。
  どんどん弥子が何者かわからなくなってきてるけど、今はそれどころじゃない!
首輪「ピー、あと5分です」
池田景「早くラジオスターを探さないと!」

〇オフィスの廊下
  とりあえず局内を歩いている人たちに聞いてみることにする。だが・・・。
局員A「うーん、知らないなあ」
局員B「なにそれ、お笑いコンビ? そんなのいたっけ?」
局員C「うるせえ! ぶっ殺すぞ!!」
  まったく成果は得られなかった。
池田景(なんか、めっちゃキレてる人もいたし・・・)
  またしても時間だけがどんどん過ぎていく。
首輪「あと1分です」
池田景「く、くそ! どこにいるんだ!」
  とりあえず局内を走っていると、スタッフ同士の会話が聞こえてきた。
局員D「やっぱバズル&ビーズさんの番組は面白いよな。あれぞラジオスターだよ」
池田景「!? すいません、その人たちはどこにいますか!?」
局員D「え? えっと、あそこの部屋だけど・・・」
池田景「ありがとうございます!」

〇ラジオの収録ブース
  示された部屋に行くと、大柄な男の人と、ヤンチャそうな男の人の2人組がいた。
  彼らと対面した瞬間・・・。
首輪「ピー、指定の物を入手しました。次の文字が表示されます」
池田景「よし!」
ビーズ「な、なんだよ、こいつ」
バズル「ファンの乱入か・・・?」
  茫然としてるバズル&ビーズのふたりのことは気にせず、首輪の文字を確認する。
池田景「『タマガンゾウビラメ』・・・? なんだそれ!」
  ヒラメという名前が付いているということは、おそらく魚の一種だろう。
  スマホで検索すると、近くの水族館にいることがわかった。
首輪「制限時間は20分です。カウント、スタート」
池田景「ああもう、行けばいいんだろ、行けば!」

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コメント

  • …これ、終わったら、確実に犯罪者で逮捕じゃ…
    (コメディなので、深く考えてはイケナイ…)

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