イデア

かわむらけんたろう

謎の変態男子(脚本)

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〇教室
昆拓レン「行こ、もう時間だよ」
伊集院薫子「え、早くない?」
伊集院薫子「・・・はいはい」
伊集院薫子「あの人、六本木高校みたいだけど」
伊集院薫子「ちょーっと問題あるんじゃ?」

〇電器街
  ある日世界中で発生した怪奇現象

〇トラックのシート
  それは幻が現れては消えるというものだった

〇中華風の通り
  人々はそれを『イデア』と呼んだ

〇オフィスビル前の道
  難関大専門予備校
  TAPゼミナール

〇大教室
  特進クラス
昆拓レン「彼、居るかなぁ?」
昆拓レン(居たー!)
昆拓レン(こっちを見た?)
昆拓レン(あ〜ぁ アッチ向いちゃった)

〇大教室
伊集院薫子「彼、今日もイデア出しまくってたね」
昆拓レン「うん」
伊集院薫子「イデアって好きなものとか欲しいものが」
伊集院薫子「幻として出現するらしいよね?」
昆拓レン「・・・うん」
伊集院薫子「男子なら内容は仕方ないとしてさ」
伊集院薫子「あの量はアカンでしょ」
昆拓レン「うーん・・・」
昆拓レン「この前、薫子が休んだことあったじゃん」
伊集院薫子「ん、風邪ひいたとき?」
昆拓レン「その時、彼のこと駅まで尾行したんだけど」
伊集院薫子「はァ!?」
昆拓レン「イデアは全然出てなかったんだよね」
伊集院薫子「ここにいる時だけ出てるってこと?」
昆拓レン「不思議だよねえ?」

〇教室
昆拓レン「ねーねー」
昆拓レン「これ見て!」
伊集院薫子「六本木高校の・・・学園祭?」
昆拓レン「誰でも入れるみたいだし」
昆拓レン「絶対行ってみたい!」
昆拓レン「彼が本当はどんな人か知りたいの!」
伊集院薫子「それ、もうストーカーじゃない?」

〇文化祭をしている学校
昆拓レン「来ちゃったー」
伊集院薫子「あの人に会えるとは限らないでしょ」
昆拓レン「いーの!」

〇お祭り会場
伊集院薫子「凄っ! 名門校は学祭も本格的だぁ」
昆拓レン「早速聞き込みしなきゃ」
昆拓レン「焼きそば1つ!」
六本木高校の生徒「はいよ!」
昆拓レン「この学校でイデアを大量に出してる人 知りませんか?」
六本木高校の生徒「んー ちょっと分からないな」
昆拓レン「・・・ありがとうございました」
伊集院薫子「ここの生徒何人いると思ってんのよ?」
昆拓レン「次行こ、次!」
昆拓レン「たこ焼きくださーい!」
六本木高校の生徒「お待たせしました」
昆拓レン「おいしそー」
伊集院薫子「目的忘れてない?」
昆拓レン「そうだった!」
昆拓レン「この学校にイデアを出しまくってる人 いませんか?」
六本木高校の生徒「イデアねえ・・・」
六本木高校の生徒「放課後なら美術部の辺りでよく見るなあ」
昆拓レン「本当?ありがとう!」
六本木高校の生徒「まいどありー」

〇学校の廊下
昆拓レン「美術室は・・・ここかぁ!」
伊集院薫子「ふーん、特別展『理想の女性』ねえ」
伊集院薫子「あの人がいたとしても、危なくないかな?」
昆拓レン「ヤバい人じゃないと思うんだよね」
伊集院薫子「もう!待ちなさいって!」

〇美術室
昆拓レン「お邪魔し・・・あっ!!」
謎の男子「いらっしゃ・・・いっ!? 何で・・・?」
昆拓レン(私のことは分かるんだ・・・)
昆拓レン「あのー」
昆拓レン「Tゼミの特進クラスに通ってますよね?」
謎の男子「・・・うん」
昆拓レン「すごい量の絵・・・」
昆拓レン「この部屋に飾ってある絵はあなたが?」
謎の男子「三分の一くらい・・・は僕のかな」
昆拓レン「ん・・・?ここに飾ってある絵って」
昆拓レン「見覚えあるような?」
昆拓レン「あっ! あなたの出してた『イデア』と同じ!」
謎の男子「展覧会のテーマが『理想の女性』だったから」
謎の男子「写真だとか絵画、映画なんかを参考に」
謎の男子「想像して描いてみたんだ」

〇美術室
伊集院薫子「なるほど 大量のイデアの正体は分かったけど」
昆拓レン「薫子!」
伊集院薫子「でも何故レンが居るときばかりイデアが?」
昆拓レン「へ?アタシのせい?」
謎の男子「そ、それは・・・」
昆拓レン「どういうこと?」
謎の男子「ちょ、ちょっと、近いってば!」
昆拓レン「え、アタシ!?」
謎の男子「他の事を考えてないと」
謎の男子「その・・・君のイデアが・・・」
伊集院薫子(あ!)
伊集院薫子(思い出した!)

〇大広間

〇美術室
伊集院薫子「先週の土曜は千代田区に?」
謎の男子「え?」
謎の男子「あ!」
伊集院薫子「アタシ、オナカスイタナー」
伊集院薫子「タベルモノ、カッテコヨーット」
「・・・・・・」
伊集院薫子「あ、そうそう」
伊集院薫子「この娘が『ここにいる』意味」
伊集院薫子「深読みしすぎないでね?」

〇学校の廊下
伊集院薫子(雰囲気違うから分からなかったよ)
伊集院薫子(ま、身元は確かだからね)
伊集院薫子(レン、頑張りなよ!)

〇大教室
謎の男子「初めてTゼミで君を見かけた時」
謎の男子「え、何でギャルが?」
謎の男子「って思ったんだけど」
謎の男子「よーく見たらお嬢様学校の 梅䕃の制服?だし」
昆拓レン「かなり改造してるのに よく梅䕃だって分かったね」
謎の男子「いつも一緒にいる伊集院さんと 鞄は同じでしょ?」
昆拓レン(ん?薫子の名前言ったっけ?)
謎の男子「ギャルみたいなのに 成績はいいみたいだし」
謎の男子「一体どういう人なのか気になって・・・」
昆拓レン「偏見持ちすぎだよー」
昆拓レン「ギャルだけど勉強はしてるんだよ」
謎の男子「ご、ごめん」
謎の男子「でもその制服だと校則違反じゃない?」
昆拓レン「ずっと成績一位だから見逃してもらえてるの」
謎の男子「梅䕃で一位? そりゃ凄い!」
昆拓レン「や、そんぐらいじゃ無理だよ」
昆拓レン「全国一位」
謎の男子「じ、自分のスタイルを貫くために?」
昆拓レン「そーだよ?」
謎の男子「・・・・・・」
昆拓レン「ところでさぁ」
昆拓レン「ちょっとイデアが邪魔なんだけど」
謎の男子「ご、ごめん」
昆拓レン「あ、もしかして」
昆拓レン「実物がいればいいんじゃない?」
謎の男子「・・・」
昆拓レン「ほら、出なくなった」

〇大企業のオフィスビル
謎の男子「ウチは商売をしててね」
謎の男子「将来は僕が継ぐことになってるんだ」

〇町の電気屋
昆拓レン「実家の商売を継ぐのが嫌なんだ?」

〇大企業のオフィスビル
謎の男子「嫌っていうか」
謎の男子「自信がないんだ」
昆拓レン「どゆこと?」
謎の男子「今日は学祭だから皆ハジケてるだろ?」
謎の男子「だけど僕は見ての通りさ」
謎の男子「誰かに言われないと格好一つ変えられない」
謎の男子「君みたいにはなれないんだ」

〇渋谷駅前
昆拓レン「一月くらい前に 駅前で困ってた外国人に」
昆拓レン「声かけてたでしょ?」
昆拓レン「みんなスルーしてたのにさ」
謎の男子「あ、見られてたんだ」
昆拓レン「自分で考えて行動できてない訳じゃ ないと思うよ?」
謎の男子「そ、そうかな?」
昆拓レン「自分がこうだって思ったこと できてるじゃん!」
謎の男子「う、うん」
昆拓レン「いつもイデアを大量に出してて」
昆拓レン「「変な人なのにいい人だ!」って思って」
昆拓レン「それからあなたがすごく気になって」
昆拓レン「ここまで来ちゃったんだ」

〇町の電気屋
昆拓レン「家の仕事?だって きっとちゃんとできるよ」

〇大企業のオフィスビル
謎の男子「そうだね、頑張るよ」
謎の男子「でもその前に学生として ちゃんと勉強はしないとだね」
昆拓レン「だね」

〇美術室
謎の男子「イデアも出ないようにしなきゃだね」
昆拓レン「それじゃ次から」
昆拓レン「メガネをかけて隣に座るよ」
昆拓レン「それならイデアは出ないでしょ?」
謎の男子「えっ? 嬉しいけど・・・」
謎の男子「それだと僕にしかメリットがないような・・・」
昆拓レン「んもー」
昆拓レン「アタシがそうしたいの!」
昆拓レン「迷惑かしら!?」
謎の男子「い、いや」
謎の男子「・・・嬉しいよ」
昆拓レン「よろしくね、えと・・・」
謎の男子「ゴメン、そういえば名乗ってなかったね」
謎の男子「僕は福井 福井頑響っていいます」
昆拓レン「よろしくね、福井くん!」
  END

コメント

  • 好きな女の子にメガネを掛けて補完する…紳士ですね☺️

    活発系の眼鏡っ娘という、どこかアンバランスさを感じる存在は我々を魅了して止みませんね🤤

  • いやあ、イデア、なんて恐ろしい。
    もしあったら私の周りは欲に満ちたイデアしか出ずに外にも出られなくなりそうです笑
    色々と縛られるものはあるかもしれませんが、愚直に頑張る姿はかっこいいですよね。

  • やっぱりメガネなんですね。
    (*´艸`*)
    良きです❤

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