コンテスト序盤投稿のすゝめ 注意点を添えて

わらやま

とある婚活パーティーにて(脚本)

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わらやま

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〇おしゃれな食堂
「チーフ!!」
新入社員「配膳完了しました!!」
チーフ「遅いな・・・」
チーフ「もうバイトではなく正社員なんだ 即戦力として成長してもらわないとな」
新入社員「・・・すみません」
新入社員「ところでチーフ 今日の婚活パーティーはワタルさんのような傑物はいますか?」
チーフ「うむぅ・・・ ワタル級となるとそうやすやすは・・・」
チーフ「アレは!?」
チーフ「わ、わらやま・・・!?」
新入社員「あの人ご存知なんですか・・・!?」
チーフ「あ、ああ・・・。 奴の名はわらやま。私は何度も婚活パーティーで出会っている」
チーフ「そうか、今日は奴がいるのか・・・」
新入社員「あの人もワタルさん級なんですか!?」
チーフ「奴は・・・」
チーフ「TapNovelのコンテストの投稿が早い!!」
新入社員「・・・え? TapNovelって・・・ あのTapNovelですか!?」
チーフ「ああ」
新入社員「婚活の話ではないんですか?」
チーフ「奴は婚活においては凡夫そのもの」
チーフ「だが、TapNovelのコンテストへの投稿だけは早い!!」
新入社員「そんなに早いんですか!?」
チーフ「ああ、奴が参加したコンテストは3種だが」
チーフ「キュンとする話は52番目 長編ゲーム小説大賞は8番目 そして・・・」
チーフ「怪人IP開発コンテストに至っては1番目だ!!」
新入社員「えっ!?1番目!?」
チーフ「ああ、もはやその上は無い まさに最速だ」
新入社員「それって何か審査上優遇されたりするんですか!?」
チーフ「無論無い!!」
新入社員「えっ!?」
チーフ「TapNovelの運営は、作品の品質以外の面で忖度をかけるようなやわな組織では無い!!」
新入社員「えっ、じゃあ本当に意味無いんじゃ・・・」
チーフ「審査の面では意味は無いが、いくつか利点はある」
チーフ「まず第一に閲覧数は伸びる」
チーフ「これを見ろ」
新入社員「これは・・・!?」
チーフ「わらやまがTwitterに投稿した内容だ」
チーフ「注目すべきは怪人IP開発コンテスト作品のページ閲覧数の伸びだ」
チーフ「わずか数日で200人近い人間が作品ページを覗いている」
チーフ「これは序盤は応募作品が少なく選択肢が少ないことが主な要因だが」
チーフ「加えてコンテストのテーマが難しい場合、様子見として閲覧するという層も集客できる」
新入社員「たしかにコンテスト期間2ヶ月ありますから、序盤の作品をとりあえず確認したいというのは人間心理ですね・・・」
チーフ「ああ、そしてページ閲覧数が増えれば自然と読者も増える」
チーフ「TapNovelは素晴らしい媒体だが、まだまだ利用者は少ない」
チーフ「折角作った作品がなかなか読まれないという事もある」
チーフ「出来れば多くの人に読んでもらいたいというライターが多いはずだ」
チーフ「それには少しでも目立つ必要があり、その手法として序盤投稿は効果的なのだ」
新入社員「なるほど・・・」
チーフ「そして2つ目のメリットは他者とのアイディア被りのリスク回避だ」
チーフ「特にわらやまの場合、怪人IP開発コンテストの「灰燼-カイジン-」がいい例だが」
チーフ「怪人をもじって別単語にするという発想は決して特異なものではない」
チーフ「既存の商業作品、漫画「ジャガーン」においても、壊人というネーミングが登場する」
チーフ「その発想の入り口からどういう作品を作って差別化するかが重要だが、このもじりが被ってしまうと二番煎じ感やパクリ疑惑に繋がる」
チーフ「温めていた作品であればなおさらそんな事は避けたい」
チーフ「だが、序盤の投稿であればそのリスクを回避できる」
チーフ「精神衛生上もいいわけだ」
新入社員「たしかにメリットありますね」
新入社員「でも、序盤の投稿だとどうしても考える時間が少ないですし」
新入社員「スチルや表紙をこだわりたい方は難しいのでは?」
チーフ「・・・それも問題ない」
チーフ「TapNovelの素晴らしいところ100選のうちの一つなのだが・・・」
チーフ「投稿後でも作品の編集は出来るのだ!!」
新入社員「えっ!!コンテスト作品でもですか!!」
チーフ「ああ、そうだ!!」
チーフ「仮に初日投稿をすると約2ヶ月間、作品のクオリティ向上に時間をとれる」
チーフ「もちろん投稿せずに行っても問題ないが」
チーフ「投稿をすると読者のコメントで作品が自分の狙い通りに出来ているかの確認が出来る」
チーフ「タップライターの皆は優しいから、もし誤字があれば指摘をもらえたりもするしな」
チーフ「それに最終日が近づくと投稿数も一気に増えるので埋もれがちなうえ」
チーフ「サーバーの負荷の関係で投稿出来ないなんてリスクもある」
チーフ「折角の力作が読まれない、またはエントリー出来ない・・・」
チーフ「こんなに悲しい事はない・・・」
新入社員「・・・」
新入社員「これは序盤投稿するしかないですね!! いい事しかないじゃないですか!!」
チーフ「そんなにうまい話ばかりではない・・・」
新入社員「えっ!?」
チーフ「序盤投稿は・・・」
チーフ「イノベーションに弱い!!」
新入社員「ど、どういうことですか!?」
チーフ「厳密には追加機能への対応が難しい場合があると言った方が正しいな」
チーフ「TapNovelは常に進化し続ける媒体だ」
チーフ「「男子、三日会わざれば刮目(かつもく)して見よ」という三国志演義の言葉があるが」
チーフ「TapNovelも数日で大きく進化する」
チーフ「特に顕著だったのが長編ゲーム小説大賞のコンテストだ」
チーフ「このコンテストは5月1日から6月30日までの募集期間だったが」
チーフ「この期間中に、スチル、効果音、BGMが実装されている」
新入社員「そ、そんなに!?」
チーフ「勿論先程言った通りコンテスト作品も後から編集出来るので、それに関して有利不利は発生しない」
チーフ「だが、それらの機能を組み込む前提で作っている作品とでは見せ方が変わってくる」
チーフ「そんな中あったのが・・・ お前も聞いたことくらいはあるだろう」
新入社員「ま、まさか、あの!?」
チーフ「そう、カタストロフィ・ショックだ」
チーフ「長編コンテストは、 B.C(ビフォアカタストロフィ)と A.C(アフターカタストロフィ)とで作品の雰囲気が変わった」
チーフ「これは顕著な例だが、2ヶ月間という月日は決して短いものではない」
チーフ「序盤投稿も・・・万能ではないのだ・・・」
新入社員「なるほど・・・」
司会「皆さんちゅうもーく!! 宴もたけなわではございますが、楽しい時間はあっという間にすぎてしまうものです」
司会「パーティーはこれにて終了です。 この後、皆様には本日気になった異性の名前を最大3名書いていただき、係の者にお渡しください」
司会「見事マッチングした方同士には、運営が責任持って連絡先交換を仲介させていただきます」
チーフ「どうやら、パーティーも終わるようだ」
チーフ「よし、集計に行くぞ」
新入社員「はい!!」

〇おしゃれな食堂
新入社員「・・・」
新入社員「わらやまさんの名前・・・ないですね」
チーフ「・・・奴はいつもそうなのだ」
チーフ「序盤の印象は悪くないのだが、フリータイムで地蔵のように固まってしまう・・・」
チーフ「結果、選ばれずに終わってしまう」
チーフ「だが、見ろ わらやまの用紙だ」
新入社員「ちゃんと3人分書いてますね」
チーフ「奴はどれだけ厳しいと感じていても挑戦する気持ちを忘れる事はない」
チーフ「コンテストと一緒だ エントリーしない者に」
チーフ「栄光は訪れない」
新入社員「チーフ・・・」
新入社員「俺、まだ新入社員だから、これからゆっくり成長していけばいいやと思ってました」
新入社員「でも、今日の話を聞いて」
新入社員「もっと序盤から本気で取り組まないとって改めて思いました!!」
新入社員「これからもご指導ご鞭撻よろしくお願いします!!」
チーフ「うむ」
チーフ「お前の正社員ライフの序盤にわらやまと会えて良かったのかもな」

〇おしゃれな食堂
  5年後・・・。
  あの日、わらやまさんと出会った日。
  俺の意識も大きく変わり、正社員の即戦力となるべく努めてきた。
  チーフも引退して、今日から俺がチーフとしてこの会場の給仕を行う。
  あの日以来、わらやまさんは会場で見ていない。
  地蔵のように固まる癖を直して結婚できたのかどうかは分からない。
  でも、コンテストへの投稿は続けているようで、相変わらず投稿が早い。
  俺も次のコンテストからタップライターとしてデビューしようと思っている。
  そのためにTwitterも開設した。
  まだフォロワーもいない俺は読んでもらうために初日投稿を行おうと思う。
  もし、わらやまさんに会えたら伝えたい。
  あなたは私の目標だったと。
  あなたのおかげで頑張れたと。
  あなたは俺にとっての神様──
  
  
  序盤神だと。

コメント

  • なるほど序盤神の秘密がここに✨
    私も序盤を狙うようにしたいと思います。
    いつも終盤だし長編コン2も序盤じゃないですけどいつかはきっと、多分、おそらくは。

  • 主役とチーフさんペアが背景に溶け込んで美しくBGMともピッタリマッチしてたと思います❤️これからも頑張って下さい❣️
    あと、私事ですが
    私も長編募集の頃にこのサイトの存在に気付いていれば送ってたのに、読み切り募集が2連発で逆にキツイです💧😅

  • ここでは新参者ですが、他ネット公募に応募した際、序盤投稿された作品とネタが丸かぶりでお蔵入りにした経験を思い出しました…序盤投稿は本当に強いと思います。見ていてためになるお話でした。

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